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落日
「――マ……ソーマ!」
声に意識を取り戻したソーマの目に、涙に顔を歪めたココの顔が飛び込んできた。
「……ココ……?」
シートに肘を突いて上体を起こすソーマ。目の前のモニターは真っ黒で何も映っていない。
「アストラーデ……外を…見せてくれ」
「だめだよ、ソーマ……見ないほうがいいよ……」
ココの忠告を無視して、ソーマがもう一度言う。
「いいから! 外を見せろ、アストラーデ」
プシュゥ、と空気を吹いて、胸の装甲が開く。
シートから身を乗り出して外を見る。
何も、なかった。
先程までそこにあった街並みも、人の影も、何も。
アストラーデの周囲数十メートルを除いて。
故郷の惨劇と同じような地獄絵図が、広がっていた。
「ぅあ――うあぁあああああああああああああああああああああああああああああああ―――――――――――――――――――――――――――――――――――!!」
青ざめた表情でソーマが叫ぶ。
目を伏せて押し黙るココ。
アストラーデのシールドに守られて九死に一生を得たサーニャとアイラ、それから僅かな数の住人達も、その胸に突き刺さるような悲痛な叫び声に、唯々黙っているしかできなかった。




