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影の薄いやつと裏のあるやつ

作者: 田中の一癖

たまに自分が本当に生きているか分からなくなる。

自分の存在証明する人が居ないから。

いつの間にか幽霊になっていて本当は存在していない、

もしそうなっても僕は絶対気付けない。

代わりにメリットも存在する。

例えばテストをカンニング出来たり

ちょっとしたいたずらが出来たりする。

しかし、それらはどうしようもなくつまらない。

楽しいのは最初だけだった、そんなことをしても自分の存在が誰かに認められる訳もなく、ただ書類上に存在にのみ存在してる影の薄い人、それが僕という人だ。


しかし、そんな僕が見れる人もいる。

鞘野朱里というクラスの人気者。

まさか僕も同士なら兎も角ま反対の人に見つかるとは思わなかったけど。

僕レベルになると、陰キャ集団ですら忘れれる程存在感が皆無なのだ。


どうしても気になる、何故僕がバレたのか

もしかすると、人に気付かれるヒントがあるのかもしれない。

そんな期待を胸に、僕は彼女に対話を試みた。


「朱里さん、朱里さんはどうして僕が分かるの?」

黒髪ロングヘアーを空中にたなびかせ、こちらに視線をむける。

彼女は何時も通り変わらない笑顔を僕に向けてくる。

「と、突然だね?…今は君とテスト勉強をしていた筈だけど」

「急に気になってさ、朱里さんってドが出るほどの優しい人でも何でも出来る超人でもないじゃん?何で僕とテスト勉強が出来るまでになったんだろう?」

ふと口から漏れでた疑問はドンドン大きくなり、もはやテスト勉強がまともに出来ないくらいにはその事で頭がいっぱいになってた。

「…それは君が私のテスト用紙をカンニングして居たからじゃない?」

「今まで誰にもバレなかったのに、凄いね」 

「あんなに堂々と見られたものだからね、思わず二度見しちゃったもん、てか、もしかしてバレなきゃ犯罪じゃないとか思ってない?」

「そうだけど?」

「うわぁ良い笑顔だね」

お互い手を止めていた事に気付きどこかおかしくて気付いたら笑ってた。

「てか、ビックリしたのはこっちもだよ。まさか全問間違えていたなんてね、お陰で僕も補修授業受ける羽目になった」

「気付かれないんだから逃げちゃえば良いのに」

「どうせ、君の事だしチクるだろう?本当に良い性格してるね」

「褒めた?」

「うん」

「うっそだ」

「でも君も良いの?今の会話全部独り言になってるよ」

「えぇ、なら私完全ヤバいやつじゃん」

「まぁ君面だけは良いから勝手にご都合的に変換してくれるじゃん」

「一言余計じゃない?一応これでも学校のアイドルとか呼ばれてるんだよ、私」 

「アイドルはそんなこと言わない」

「いや?結構皆そうだよ、意外と女の子ってズル賢いんだよ」

「まぁ僕には無縁の世界だけど」

伸びっと背中を伸ばせばポキポキと音がする。

「んっ!…あれ?んっ!」

「どうしたの?何時も馬鹿そうなのがさらに馬鹿っぽくみえる」

「伸ばしても肩が鳴らない、けど何か凝ってる感じがする」

「あぁ、たまにあるよね」

「どうしよう、あっそうだ、背中合わせて折り畳むやつやらない?」

「説明雑だけどなんとなく分かる、けど良いの?朱里さん汗で匂いとか気にならないタイプ?」

「匂いとかよく分からないんだよね」

「それ五感バクってない?味覚とか正常?」

「美味しいやつとそうじゃないくらいは分かるから大丈夫。さぁ背中合わせて」

「はいはい」

背中をピトリと合わせて腕を組む。

身長負けてるのが何か悔しい

「じゃあ行くよ」

「ドンとこい!」

えっ、重っ

「ああ、今良い感じ!今ポキポキしてる、凄いポキポキしてる」

「僕はいまそれどころじゃ無い…とんでもなく重い」

「いやいや、まさかあはは。…マジ?」

「いやマジマジ、これはまるで大岩。おおよそ人間とは思えない重さだ」

「カッコ悪いぞー」

「カッコ悪るくて結構、さぁ早く戻れ」

「んー、そういえばさ、前の新体力テストの時、こっそり見たんだけど私の方が力強いんだよね」

「それが…どうした」

「つまり、背中に体重を掛ければ」ギギギ

「うぐっ!おい朱里!今こそ学園のアイドルの自覚を持つ時なんじゃないのか?こんな所見つかったら男子がお前のスカートの中身見に来るぞ」

「ふふふ、そんなに君が持つかな。このまま押し潰してあげる」

「この性悪女め!」

クソッヤバいそろそろ足腰が限界だ。

こうなったら。

「ハハハハハハ!!良いだろう、このまま学校中を回ってお前のパンツの色を全校生徒に見せつけてやる!」

「君がそんな度胸あるわけ」

一歩

「…ない…よね?」

また一歩

「ほ、本気…?…えっ嘘、ちょ、ちょっとタンマ、」

一歩が早くなる

「い、良いのか?…僕は君が本当はすぐに降りれる事を知っているだぞ、もう降りた方が皆幸せじゃないのか?」

「ほ、本当にここを降りたら、パンツの色をばらさないんだな?」

「ああ、約束するよ、僕と朱里のギブアンドテイクだ、降りろよ早く降りろ」

「ーーだが断るーー」

「な、なに」

「この鞘野朱里が最も好きな言葉は自分が絶対的に強いと思っている相手を分からせることさ」

「同人誌と少女漫画の読みすぎじゃ」

「私にはコネがあってね、放送部部長とちょっとした、ね。それでこれBluetoothマイク。放送部が昼放送の時間を少し開けて何か話して良いんだってね、それでこれに」

「おい、…ちょっと待て、お前まさか!」

「そんなまさかさ、それじゃあ行くよ!」

「や、やめ、辞めろぉぉぉ」


ピーンポーンパーンポーン

『私、鞘野朱里は一組の不知火白瀧くんと付き合っていまーす。皆応援してね☆』


プツン

シーン


「朱里さんよぉ、これ大分ヤっちゃってない?」

「白瀧くん、これは大分ヤったね」

「今すぐ嘘報告しろ、遅くなっても知らんぞ」

「えぇ?別によくない?君だって目立ちたいんじゃない?良かったね、これでいっぱい目立つことが出来るよ」

「…こんなの…こんなのは思ったのと違ぁう!!もうこんな所居られるか僕は帰らせて貰って重っ!!」

「私たちって友達越えて親友じゃん?共倒れしてくれるのが親友なんじゃない?」

「どぉじでぇぇぇ!!」

この件は多くの生徒が幽霊部員ならぬ幽霊生徒にBSS.WSSされたアイドル幽拐事件として度々噂されるようになった

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