しゅうげき
山襞から抜け峠に近くなりつづら折りの道から抜け出し今は緩やかな登りになる。
その代わり背の低くなった樹木の先に見える尾根筋の少し下を通る街道が遠くまで続いている。
あと少しが遠い。
標高が高いので残雪が街道の脇に残っている、季節的には秋だろう なのでこれは初冬の雪となるのか。
とにかく冬の峠越えは厳しそうだ。
しかし止まらねば必ず先は見えてくる、そして峠に到着した。
峠からの景色は辺りが低木であることもありすこぶる風通しが良い、つまりは見晴らしがよいのだ。
そして初冬にかかるこの季節大気中の水分量も少なくすこぶる視程が良好だ。
王都に向かう街道がこの先まで見えている、そして次の山が遠くに見えているのだ。
その山は薄らと雪化粧をしておりこの山より高いことが見て取れる。
むーあっちの峠の方が断然厳しそうだ。
下手をすると命を落としかねない雰囲気がある山だな。
これは冬の峠越えは厳しそうだ。
キャラバン隊の凄さをなんか再認識したよ。
「ま、とにかく下山するか」俺は少し峠の風に吹かれてから下山することにする。
どうやら登りより下りの道の方が緩いらしくつづら折りの道の感覚が広い。
これは人の足で上の道から下の道へショートカットし易い道だという事。
これはあれだ盗賊の襲撃がし易いのはこちら側のようだ、俺は一人旅だが十分に注意しながら降るとしよう。
「ギャン、キーン」なにやら金属を打ち合う不穏な音が聞こえてくる、降り始めてすぐこれだ。
俺は今までと同じダンジョンに頼った戦法一辺倒と言うのも良くないのではと考えていた。
うんこに沈めて終わりだけじゃあ脳が無いし目撃者への言い訳もどこかでぼろが出るかもしれない。
そこで次なんかあった場合は普通に戦ってみようと思っていた。
なにせ絶対に何でも切れるショートソードもあるしね。
じゃあまたキャラバン隊の助太刀に向かいましょうか。
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下の方で音がするという事は山賊に対し俺は高低差で有利に立っている。
これを失わないため辺りを警戒しつつ襲撃現場にそろりと近づいていく。
流石に上からの襲撃に注意を払っている弓を持った山賊が警戒しているな、俺は繁みに隠れながら様子をうかがう。
流石に俺一人でこいつに対応するスキルは無いので大人しくうんこに沈んでもらおう。
「どぷん」盗賊は「あ」も「う」も言う暇なく沈んでいく。
別に普通に戦うと言っても俺の優位性に縛りを付けるつもりはさらさらない。
あ さてこれで目の前の障害は消えてなくなった、俺はつづら折りの道上からキャラバン隊と盗賊の戦況を伺う。
おお、キャラバン隊強いな盗賊の強襲を押し返しているぞ、盗賊の被害の方が圧倒的に多い。
これは俺が出る幕無いなと思っていた。
しかしここで盗賊の第二波攻撃が増援が脇の山からわらわらと追加された。
丁度しのぎ切ったと思わせるタイミングでの山賊増援だ、これは上手いタイミングだ戦いなれてるな山賊は。
隠密行動をしている俺はまだ盗賊に見つかってはいない。
盗賊の数を減らす絶好の立ち位置でもあるので気づかれないよう盗賊には沼に沈んでもらう事とする。
ひとりひとりうんこ沼に落としていく。
そうこうしているいると盗賊の数が減りキャラバン隊が更に有利になる。
盗賊も状況を把握した様だ「引けっ引けー」盗賊が撤退していく。
「チャーンス」俺は密かに盗賊を尾行する。
しかしまあこんな獣道の様な所を使っているな、山の中で道が無い所を歩いてみれば分かるがとにかく危険なのだ。
つづら折りの道があるという事は単純に急峻だからだ、その様な山で道を外れるという事は滑落の危険性が高まる。
そして間違って落ちれば最悪死につながるのだ、そんな獣道には雪が所々に残っており大変滑りやすい。
盗賊も命がけだな、いや元々命がけか。
盗賊を尾行し続けてついにアジトらしき場所まで尾行に成功した。
身を低くして様子をうかがう、盗賊は定番の定番崖の下の洞窟にアジトを作っていた。
いや、洞窟と言うのはおこがましいな、雨風が凌げる大きなくぼみ程度の場所だ。
そうそう都合よく穴なんて開いてはいない。
逆にその程度のくぼみならそう珍しくはなく崖下にある。
盗賊の数は現在20名ほどだがもう少し日が落ちるまで待つ。
他の盗賊がいないとも限らないからな。
さて、どうやって料理してやろうか。
つづく




