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くいねえくいねえ

街道から少し外れた平らな場所で石を組み木炭に火をつけて鍋をかける。

木炭は町で調達しておいた、それもかなりの量をね。


鍋のうんこが焦げ付かないように時々かき混ぜる。

女性二人が近づいてきて鍋から漂ううんこの匂いを嗅ぐ。


「何ですかこの複雑でスパイシーな香りは」

「何という料理ですか」


「はは、これはカレーという料理です、パンと一緒お出ししますので食べてください、おっそろそろ良さそうですね」

おれは椀を取り出して人数分のうんこをよそる。

「どうぞ食べてみてください」

パンと一緒にうんこを旅人達に振る舞う。


旅人達三人はそれぞれうんこをスプーンですくい口にする。

口にしたとたん一様に皆目を見開きパンとうんこを無言で交互に口に放り込み始める。


「うぐもぐ あんたは うぐ 食べないのかい」

「ちょっと もぐもぐ 喋るか んぐ 食べるか んん どっちかにしなさいよ もぐ お行儀悪いわよ」


いやあんたもなと思いつつニコニコと笑顔を絶やさずに「ええ先ほど昼食は済ませまして、一人旅なら歩きながら干し肉を水で流し込む程度の手間で済ましてしまいます」と答える。


「皆さん食べながらで良いので街道の状況を聞かせていただけませんか」


「俺たちはトーシュから来たのだが此処までに三回盗賊に会っている」


「それは物騒な」


「ただ俺は鼻がいいんだ、盗賊がいると判るんだな」


「ほうそれは何故?」


「あいつら臭いんだよ風下ならずいぶん遠くからでも匂ってくる」


なるほど風呂にも入らない不潔な連中という訳だな、まあ俺もついこの間まで似たような境遇だった訳だが。

「しかし必ずしも風下になる訳ではないでしょう」


「そりゃあそうだ、だが盗賊地帯というものがあるんだよ、いや別にここから先が安全地帯とか盗賊地帯とか決まっているわけじゃない」


「あ、なんか分かります つまり盗賊が襲いやすい地形であるとか、戦利品が運びやすいとかアジトにしやすい場所とかそういう場所がある訳ですね」


「そうそうそんな感じだ、ただし怪しいから先の能力が無いと盗賊の先手は打てない」


「そういうのは私が得意なのよ、盗賊より早く盗賊の隠れている場所を見つけるのは得意なの」

と女性の一人が言う。


「では先手必勝ですね」


「そんな危ない橋は渡らないわ、そういう場合はキャラバンが来るまで隠れて待っているのよ」

「そうそうキャラバンに強い護衛がいれば盗賊が退治されるし、キャラバンが負ければ蹂躙されて盗賊は引き上げる、あとは逃げ切るというパターンもあるが、これもゆっくりと後ろをついていくんだ、見つからないようにな」


「なるほどキャラバンが逃げ切ったら盗賊も襲撃場所に戻るかアジトに引き上げるかするまで隠れていると」


「まあそんな感じだ、戦わずして勝のが一番だ」


「しかし魔獣も出るでしょうそっちはどうするんですか」


「魔獣は人間より大抵は俊足だから逃げるのは充分な距離がある場合だな、逃げ切れない距離なら戦う一択だな」

「私たちこう見えても強いのよ、大抵の魔獣なら対処できるわ」槍を握る手に力を籠めながら言う。


「旅慣れしているんですね、では道の状況はどうなっていますか」


「ここからトーシュに行くまでに峠が二つある、どちらも今のところ問題なく通ってこれたぞ」

「今の季節なら大丈夫よ雨期になると道が崩れたり落石で通れなくなる事もあるわ」


「皆さんスイカブへは初めてですか?それとも何度か行かれているのですか」


「スイカブは穀倉地帯が実りの季節になると魔獣が出るのよ、毎年この季節は魔獣狩りに行っているわ」


「ではスイカブまでの道のりには峠はありますか?」


「ここから先は丘陵地帯なので峠は無いわ、貴方はトーシュに行くのよね一人で大丈夫なの?」


「あー草ウサギを撃退できる位ではダメなんですね」


「いや、草ウサギを一人で撃退できるなんて相当よ、ただ一人だと後ろの守りが無いから油断すると危ないわ」


「ありがとうございます充分気を付けて旅を続けますね」俺の後ろには鉄壁の守りがあるんだがな。


「あの・カレーはもう無いんですか」もう一人の女性が遠慮がちに聞いてくる。


「気が利かなくてすいません、鍋に入っている分はどうぞ平らげてください 残っていても仕方ないので」


「やったー」「じゃあ遠慮なく」「いただきます」三人はそれぞれ鍋のうんこをよそる。


「気に入っていただけたならチュートの町で売ってますので良かったらどうぞ」


こうして三人の旅人から街道の情報を得たのだった。




つづく

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