ミイラかな
指先が動くのでなんとかなった。
次にカバンの中のロープを取り出すことが来た。
次に左の尻を浮かして左手を尻の下に差し込む。
そして尻で抑え込んでえいやっとばかりに引っ張る。
激痛で意識が遠のくがそんなことかまっていられない。
なんか真っすぐになる左腕、次にロープを口にくわえる。
そして右腕を使って短剣を持つ。
折れてても何とかなるもんだ。
そして不格好ながら短剣を添え木として左腕の固定を完了する。
ロープの固定がゆるゆるだけど無いよりま100倍ましだ。
これで左腕を少し使えるようになる。
今度は右腕を今度は落ちている細くて脆そうな六角柱のクリスタルを添え木にして固定する。
ロープは一本だが短剣は二本持っている。
もう一本の短剣でロープを切り長さを調節する。
これで両腕が何とかなった。
今度は折れている右足の添え木だ。
これも右腕と同様に固定する。
まあなんだ、なんとか骨折の固定は出来た。
体中の痛みはどうにもならないが。
何か食べねば。
食料はカバンの中に1週間分は入っている。
カバンの中から干し肉と水筒を出して固い干し肉を咀嚼し嚥下する。
まずいな熱が出てきた。
体が熱い。
死ぬのだろうか。
そんな思いがよぎる。
農作業で培った体力で乗り切るぞと前向きになる。
とにかく食って寝る、今はそれだけだ。
また目が覚めた生きてる++++++++++++++++++++++++++++++++++
どのぐらい経過したかなんて覚えてはいない。
痛みと熱でうなされる、その合間に魔法で水を出し、干し肉をかじる。
徐々にではあるが癒されていく。
満身創痍だが随分と楽になった。
熱だってまだ下がってはいない。
だが楽になった。
なのでこれからの事を考える余裕が出来てくる。
骨折なんてすぐにどうなるものじゃない。
それに引き換え食料は1週間分だ。
骨折が治る前に食料が尽きるのは間違いない。
水は生活魔法で何とかなる。
ダンジョン内の気温は暖かく凍死の危険性がないのは助かる。
すると食料を節約すれば三週間は持つかもしれない。
そこから水だけで1週間生き延びる。
そうすれば骨折がある程度治癒しないか。
そんな胸算用を何度も繰り返す。
時間は余っているのだ、繰り返さず得ない。
そしてじっとしつつ1週間が過ぎた。
空腹ってやつは峠を越えると麻痺する。
だが体力がどんどん削られていく。
これって骨折が治ってもこの穴を登ることができないんじゃないかと気づき始める。
いや、そもそも栄養が行き届かないこの体で骨折なんて治るのだろうかと。
そしてまた1週間が過ぎる。
熱は引いた、腫れも収まってきた。
添え木を縛りなおすぐらいしかやることが無い。
ああ後は食べたら出す。
いくら食べ物が少ないからと言っても水は生活魔法で充分に飲める。
小は普通で大はたまにだ。
ダンジョン内なので出したものは吸収されるのが救いだ。
臭くならないのが有り難い。
そしてまた1週間が過ぎる。
なんだか俺、骨骨しい。
生きたままミイラにでもなってしまう勢いである。
なんだか何も考えられなくなってきた。
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つづく