はらがへってはしんでしまいます
身ぎれいになった俺達は商売を再開した。
色々と時間がかかり随分と日が傾いてきていた、頑張って稼がないと今日は野宿になるからな。
まずは昨日買ってくれた店に行くのが確実だろう、売れなくてもカレーの評判は聞けるからな。
ガラガラと荷車を引いて店の前へ来た。
「まいどーカレー屋でーす、今日は御用ありませんかー」
すると店主が出てきた「おおカレー屋来たな、今日は鍋3杯分くれ」と鍋を三つ寄越す。
ムラビーが鍋にカレーをよそう、俺は「カレーの評判はどうですか今まで無い料理なので心配なんですよ」と店主に問いかける。
「これは癖になるな、いろいろな料理と合わせてもいける」
よし、手応えありだ今日は身なりもしっかりしてるから売り上げも期待できるかも。
そうして日が暮れるまでの間荷車を曳いてカレーを売った。
そして寸胴鍋2杯分のカレーが売れた、予想以上に売れた銅貨1200枚分の売り上げだ。
よし、なんとか商売としてやっていけそうだな、こいつらに任せても何とかなりそうだ。
今日の寝床も余裕で確保できるな。
しかしだしかし、いくら金を稼いでも俺はダンジョンマスターなのだ。
ダンジョンは金じゃあ運営できない、ダンジョンに入ってもらわないとポイントが貯まらない。
ダンジョンマスターとダンジョンは一蓮托生なのだ、ポイントが枯渇すれば死んでしまう。
その前にダンジョンの入り口を完成させたい、それか魔物でも盗賊でも誘い入れたい。
なんだか俺にダンジョンマスターとしての本能みたいなのが生えてきたのかもしれん。
どうしたものか考えていると何やらむずむずする放屁欲求が高まってきた。
むーどうもこいつらの前で屁をこくのはまずい気がするので便所に行くふりをしてダンジョンに戻ったのだった。
そして括約筋を解放した。
「あーやっと話せます、どんだけ私をほおっておくんですか全く」
「あー悪い悪い、俺も色々と必死だったからな」
「それでなんですが、そろそろダンジョンマスターとして働かないとまずいと思います」
「え、そうなのポイント結構いっぱいあった気がするんだが・・・」俺はポイントを久々に確認する。
「げげげっ」ダンジョンポイントがかなり減っている。
「このままだとあと十日持ちませんよ、ポイント無くなればどうなるか分かってます?」
そうか俺は腹が減っていたんだ、ダンジョンマスターの本能と言えば本能だがな。
「しかし今の商売とダンジョンマスターの両立は出来ないしどうしたもんかな」
「従業員(仮)に任せてマスターはダンジョン運営に集中するべきです、うんこの仕入れも考えがあります」
「え、どうやって?俺がいないとうんこ補充出来ないし」
「簡単です寸胴鍋の底をダンジョンの入り口と繋げるのです、その入り口はうんこのプールに繋げておくのです」
「なるほど!つまり肥溜めのうんこが枯渇しない限り寸胴鍋から見ればいくら食べても減らない魔法の鍋になるという事か、おまえ天才か!」
「当たり前です、*聖堂の肛門*です、私の頭の中にはうんこが詰まっているのです!!」
「とにかく商売は従業員(仮)に任せてとっととダンジョンポイント稼ぎに行くのです」
そうするしか生きる道はないな、商売はまだ始まったばかりだが背に腹は代えられない、俺だって死にたくはない。
「あまり考えている時間はなさそうだな、従業員(仮)に任せるのは決定だな、ダンジョンポイント優先で行動することにするよ」
こうして俺はダンジョンから戻る。
「あー皆聞いてほしい、ここでの商売は皆に任せようと思う、俺は店舗探しに向かいたい」
「え、カレーはどうするんですか」とムラビー。
「もちろん考えてある、実は俺、魔道具師でもあるんだ」俺は寸胴鍋を二つ取り出し並べる。
「この二つの鍋を繋げる作業を今晩する、それで一つをお前たちに渡す、一つを俺が持つ」
「こうしておけば俺がどこにいようがカレーの補充ができるという訳だ」
「えーそんなことができるんだ・・・・」
「今はとにかく開業資金を稼いでほしい、明日残りの服とエプロンを揃えたら俺は町を出て出店場所を探しに行くつもりだ」
「場所が見つかり次第戻ってくるからな、今日の仕事はおしまいだ」
「「「「「はい(おう)」」」」
つづく




