表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/40

おちた

「ああ俺はここで終わるのか」なんて諦観する。

だが体は無条件に避ける、だが冷静に避けているのではないから注意力が散漫になる。

その時クリスタルダンジョンにざれていた結晶の欠片に足を取られてしまった。

ざっ、と右足が滑ると同時に体のバランスが崩れる。

ここで倒れるとヒルにやられて終わり、だから本能的に右手をついて体勢を立て直そうとする。


「ぼこっ」嫌な音とがして右手に伝わるはずの衝撃が来ない。

なんか嫌な音と同時に何故かグランドラインより下に視界が下がっていく。

凄くスローモーションで下がっていく。


次の瞬間自由空間に投げ出される。

「あ、落ちたな」と冷静に状況分析する俺。

どうする術もない状況に張り付く薄笑い。


次の瞬間何度も打ち付けられる衝撃を感じる。

そして暗転する意識・・・・・・・・・・・・・・。



目が覚めた++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


パラパラと俺の顔に砂状の物ががかかる感覚に不快感を覚える。

そして朧げな意識がじわじわと覚醒していく。

そして雲の様な能天気さで「ああ俺は落ちたんだな」と。

付け加えて分析する、「ダンジョン内で落ちたんだな」と。


そして目を開けると随分と高い場所に仄かに光る点が見える。

なんで死ななかったのかは所々に張り出した六角柱の結晶に身を打ち付け、落下速度を下げられたせいだと混濁する意識で考える。


「はっ」と朧げな意識が覚醒する。

そして自分の体はどうなっているのか。

なんて考えるまでもなかった。

体中が痛いなんてもんじゃ無いほどの激痛だ。

足も腕も変な方向に曲がっている。


「ああ、俺はここで終わりなのだろうか」なんて痛みに再び混濁する思考の中無意識的に考える。

そしてまた意識が遠のいていく。


また目が覚めた+++++++++++++++++++++++++++++++


パラパラと俺の顔に砂状の物ががかかる感覚に不快感を覚える。

そして朧げな意識が再度じわじわと覚醒していく。

目を開けると、キラキラと反射しながらクリスタルな欠片が落ちてくる。

その様はとても幻想的だ。


のどがひりつく。

いつも程よく湿っていてその存在を忘れている喉がとてつもない違和感を伝えてくる。

喉が・・何と言うか死んだ亀の表皮の様な突っ張り具合でひり付く痛みを訴えてくる。

そして体中がねっとりとしたそれでいてパリッとしたそしてザラザラとした感覚に所々に不快感と共に感じらられる。


どのぐらい時間が経過したかなど分からずカサカサの下唇を上唇で舐める。

鉄さびの味と唇に出来た血の塊が異物として舌に嫌な感触を伝える、そしてしょっぱいのだがどちらもカサカサなので全然湿らない。

「ううう」などと無意識に唸るが不快で不快な末期の不快は不快だ。







そうだ水を・・・・・

魔法で水を出す。

「びしゃっ」と顔に水がかかる。

本来なら何かしらの水筒なりに充填するものだがこの変な方向に曲がった両腕ではままならない。

それでも血で固まりひび割れた唇は湿りひりつくのどがいくらかましになる。


そして今度こそ客観的に辺りの状況に意識を向ける。


そこは穴の底だった。

それ以外の何物でない穴の底だった。

まあるい穴の底で大人三人寝かせて縦に並べたほどの直径の穴の底だ。

どうやら生きていることは実感できた。



俺は生存本能に従っていた。

生きるためにはどうするかだ。

まずは自分を見つめよう。


折れた両手は大体同じ場所が普通の二倍ほどに腫れ上がっていた。

骨が折れたときはとにかく正しい位置に骨を戻して動かないように固定するべきだ。

俺は朦朧とする意識の中いざってなんとか壁まで移動する。

そして半身を起こし短剣を何とか取り出す。


つづく

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ