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もぐる

初投稿です。

気が向いたら読んでね。

俺は今ほのかに光る穴の底いる。

上を見上げるとキラキラとしたクリスタルの先に穴の入り口が見える。

別に好きでいるわけじゃない。

落ちたのだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


上からはサラサラとクリスタルの欠片がきらめきながら落ちてくる。

俺は農家に生まれた。

農家の六男として生まれた。

農家は人手がいるのでどこも子だくさんだ。

農業は天候に左右されるある意味博打の様な職業だと思う。

現状、貧しさ故目先の生活に追われる毎日だ。

いざと言うときの備えなどまるでない不安定なのが農家なのだ。


不幸と言うか当然というか俺が15になった時大規模な干ばつに見舞われた。

当然年貢も納めねばならないし、しかし食い扶持が足りない。

こんな時真っ先に切られるのは末の兄弟からだ。






干からび砂ぼこり舞う農地で親父と向き合う。



・・・・・・

親父からひと言「お前も成人したんだから独り立ちしろ。」



飢饉のときは俺切られるのかなぁと薄々は感じていたのだがこうも直接的に宣告されるのはなんともやるせなかった。


だがそんな境遇ゆえ身の振り方を考えなくは無い。

いや前から身の振り方は考えていた。

単なる労働力でしかない六男の俺である。


うちの村の近くにはダンジョンがある。

ダンジョンの名称はクリスタルダンジョン、難易度の高いダンジョンだ。

しかしそれ故見返りも大きい。

三度人生をやり直してもなお余るお宝を持ち帰ったなんて夢のある話がゴロゴロしている。


そして俺は簡単な生活魔法が使える、これ重要。

水を創造できる魔法と小さな火を顕在させる魔法だ。

これはダンジョンに潜るときに冒険者として必須ともいえる魔法だ。


そんな訳でギルドで冒険者登録を済ませなんとか粗末ではあるが装備を用意して無謀にもソロでダンジョンに挑んだ。


登録直後の俺でもダンジョンに入る事が出来る。

もちろん制限はある。

そしてその制限は自己管理自己責任による階層管理になる。

ははっ!なんだよそれ。


ギルドではランクにより立ち入る事が出来るランクを講習で説明する。

しかしそれあくまでも自己責任でありダンジョンでは誰も止める者はいない。

つまりは分不相応な領域にだって行けてしまうのだ。


だからと言ってピタリとベテラン冒険者が初級冒険者の後ろに着いていくとかは無い。

実地講習とかギルド始まって以来一度もない。

なにせ食い扶持減らしの意味合いも大きい冒険者登録だから、冒険者の命なんて軽いのだ。


------------------------------------------------------------------------------------


クリスタルダンジョンと言うだけあって洞窟内はあちこち結晶化していてキラキラと輝いている。


とても美しい、そんな初めてのダンジョン内を腰が引け気味で前へと進んでいく。

今日は一階層の様子見に来ただけなので魔物とは会わない事を祈りながら恐る恐る進んでいく。

ただ歩いているだけなのだがとても疲れる。

体がカチコチだ。

緊張のため動きが悪い。

農作業で鍛えた膂力は無駄ないきみに全て使われている。

少し腹が減り始める時間歩いただろうか。

ダンジョン内は緩やかな下り坂になる。

未だに魔物とは遭遇していない。


少し緊張感が途切れた。

その瞬間である天井のクリスタルの一つが視野の片隅で動くのが見えた気がした。


「ピシャァー」凄く甲高い声で魔物が吠えながら襲ってきた。

あまりにも驚いた俺は心臓が止まるかと思うほど飛び跳ねる。

魔物はこのダンジョン一階層でポピュラーなクリスタルなヒルだ。

体全体が結晶化しており固くて柔らかい体で冒険者に襲い掛かる。


そして侵入者に食らいつき血を吸ってルビーサファイヤになる魔物だ。


俺は緊張する中、それでも努めて冷静に対応して避ける。


下に落ちてたら踏みつければ大丈夫と脳内で予行練習は行っていた。

だが現実と予行演習は違う、奇襲と奇声に驚いた俺は反撃が出来ない。

首筋に飛びついてくるキラキラと輝くヒルをスローモーションで見つめる。


つづく


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