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038 第15話 1042年 イースター島 完結です。

 本エッセイは拙著「はじめさんが はじめから はじめる! ~タイムスリップ歴女コスプレイヤーはじめさん~」の最新話のネタバレを多分に含みます。エッセイの題もしくはエッセイ冒頭の表記話数をまずご確認いただき、ご自身の読書進捗度と照らし合わせて読み進めるか止めるかを予めご判断ください。

 では、以下から新規部分です。どうぞ。




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 はじめさんがはじめからはじめる、第15話 1042年 イースター島。いかがでしたでしょうか?

 投稿期間はおよそ半分、内容も文字数も半分まで来ました! およそ計画通り!

 相変わらずの自転車操業ではありますが。


 プロローグの所に置いてある第14話も忘れずにお読みくださいね? この辺りは読むのが前後しても大丈夫な話になっていますのでご安心を。第14話振り返りのエッセイもありますのでどうかお忘れなく。今話が038番、それはだいぶ前の012番です。

 



 今回は意表を突いてレース仕立てにしました。ここは絶海の孤島、争いも少なかったのではないかと考古学的に言われていますので、ぜひ平和なエピソードにしたいと思いました。それでレース。


 主人公の属する側が勝つ話です。読者さんも納得の早い方法を主人公が考案して勝つ必要がありました。

 どうやら運び降ろしにはソリを用いていたと従来は考えられていたようです。これを劇中でも従来法としました。

 この一方で近年、像を立てて、重心よりもずいぶんと高い頭の先くらいにロープを結び、揺らして前傾すると前に進むと言う画期的な方法が考案されました。確かに簡便でソリを使わないので木材を無駄にしません。さらにモアイが歩いて移動したという伝承にも合致することから、現在では有力候補とされている手法です。

 これを新手法とし、主人公が島民に提案する方法はこれに一度は決まりました。


 それでいざ書き始めたところで思います。


「それを島民が実際に用いていたとしたら、手柄の横取りにならないか」

「この新手法は意外と読者さんにも知られているのではないだろうか」

「片方がソリで移動、片方がこの揺らして移動するだけのレースで、本当に読んだ人が面白いと思うだろうか」


 第15話には致命傷になる指摘でした。

 そこで再度アイデアが出るまで数週間塩漬けにしました。まだ夏だったので余裕があったんですね。


 私が考案したあの方法はいかがだったでしょうか? きっと楽しかったと思うのですよね。それで単純なレースからお祭りにクラスチェンジしました。それなら収穫の後の収穫祭ですから、農地も通って良しになりますものね。




 これは最後から二番目に足された話です。南米に何かないかと考えていた時に思いつきました。

 周りに何もない島ですからね。争いもほとんどなく、大きな石像を作りながら穏やかな生活を送っていた平和な島だったのでしょう。何かほっこりするだけのような話でした。


 でも皆さんはご知じです。現代のイースター島がどのような島なのかを。

 一度は亡びた、荒涼とした大地にやっと草が生えただけの農業が難しいであろう島、それが私達の知るイースター島です。平和な作中の雰囲気と現在の姿を比べて、何かを感じていただければ幸いです。


 不幸にも戦争か災害によって人々の健全な営みは失われる事になります。最初は華やかりし文明がまさにその時に失われる様を、長々と数万字で重厚に描こうと思いました。あるいはそれを主人公が阻止する物語を。しかしそれはどちらも止めました。

 それを本作主人公が果たして防げるでしょうか。

 防げやしません彼女には。いいえ誰にだって。

 ただ見ているだけになるのです。それを好しとしない私は、それが生じる前に行き、生じる前に去る選択をしました。


 このイースター島が日本の一部だったならそうしなかったかも知れません。出来得る限りの能力を使って主人公が抵抗する話を紡いだかも。しかし私は他国の、それも完全に滅びる運命に、安易な横槍を入れるのを良しとは思いませんでした。


 日本国内の話であればもっと自由に描いても良いと私は考えます。でも他国はそれとは事情が異なる気がするのです。物語だからと、言論の自由を盾にして好き勝手に描くのもひとつの方法ですが、その国の人が滅びるのを他国のひとりの人間が救うのに居心地の悪さを憶えました。

 ですから、異世界に舞台を移して世界を救う勇者を最初に考案された人は大したものです。それなら何のしがらみもない世界ですから自由に描けると考えたのでしょう。それはひとつの発明だと私は思います。


 こうして軟着陸は果たしたつもりですが、その一方で後悔も。大惨事が歴史通りに起こり、それを主人公がどうにかして救い、昔のままに豊かに栄える2020年のイースター島も見てみたかった気はしています。それはさぞや描写のし甲斐があったと、今も私は残念に思うのです。

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