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003 アイデアの湧く2月

 2020年2月の話です。


 この月で総話数は22話に増え、およそ現在に近い数字になりました。

 とにかく風呂敷を広げれば良いだけの時期でしたので、書けば書くほど話数と文字数が増えました。しかし、この月に完成に至った話はほとんどありません。本当に風呂敷を広げる作業だけをしていました。後で畳むのも自分自身だということを意識していなかったのでしょうか。これは後々自分の首を絞めました。




 そんな中、完成を見た話もあります。それもかなり苦労をして。


 とある部分が何度机に向かっても書けない時がありました。難所にぶつかったのです。 当然その部分から後ろは全部白紙でした。何度も挑戦しますが結局その日も諦めて、すでに書いた話の肉付けや、ずっと先の話を書き進めます。

 他の話は書けるのに、その部分の先の展開はおぼろげにあるのに、その部分だけが書けません。そこで思いつきました。ずっと先もそうですが、ほんの少し先の展開も書こうと思えば書けるのです。先におぼろげながらも作れる部分を形にして行きました。


 手前と向こう側を先に作り、後でそこに橋を架けて繋ぐのです。

 後の展開からこれを先に発言させておこうとか、このアイテムを持たせておこうとか、細かい必然が生じました。それが渓谷にそびえ立つ丈夫な橋脚となります。その橋脚を足掛かりに道を延ばせば、見事架橋に成功です。そうやって一本一本完成させていきました。


 もしその空白部分が1万字あったとしたら、連載小説では難しい芸当と言えます。この時ばかりは本当に毎日更新を始めていなくて良かったと思いました。私の場合、一旦連載を止めてしまえば再開がとても億劫になりそうですから。




 私が今書いている作品のテーマが地味なので、ド派手に戦闘をやれません。英雄にもなれません。それをしないでいかにエンターテイメントを成立させるかに日々頭を悩ませています。


 実は主人公が何もしていなくても話は進みます。歴史は異物である本作の主人公を必要としていないからです。しかし、ただ歴史の事実を淡々と描くだけでは、誰かに面白いと思ってはもらえなさそうですし、書いている私自身も面白くありません。この主人公を動かしていかに物語を面白くするかにいつも腐心しています。


 これに関連づけて少し小説の中身にも触れましょう。この2月まで、長編小説の主人公はアラフォーの男性でした。失われた10年と言われている不遇の世代の人物で、まさに不遇に扱われている人がある現象に巻き込まれて……、と言う内容で2か月ほど走ってみたのですが、これがなんとも地味で。


 ところがアラフォーで運動不足なこの主人公が、全力ダッシュしたり素早く立ち回ったりする場面が後に出てきます。ただでさえ運動不足なので、これがギャグに映ったり痛々しく思えたりしました。それはそれでアリとも思いましたが、アラフォーのこの人、体力面以外にはそれほど欠点がないのです。年齢による落ち着きと言いますか、結構何でも体を動かさずにスマートに解決してしまいます。身体が動かない分、知恵で勝負なんですね。それでは物語が一向に動き出さないのに気がつきました。

 もし私にアラフォー男性で面白く描けていたらとは今でも考えますが、そんな筆力は持ち合わせていませんでした。


 そこでいっそ極端に、高校生にしてみようと試みます。ところが今度は何にでもドタバタしてしまい、その結果なんでも体力事で解決しようとする脳筋キャラに。あるいは少し味付けを変えると、部活感覚でさわやかに乗り越えて行ってしまう流れにも。身体的なハードルは若者にはハードルとして機能しませんでした。


 アラフォーも高校生もどちらも魅力的ではありましたが、私は体力知力のどちらも中途半端な、未完成な主人公を欲しました。それで間を取った25歳に設定したのです。

 それほど頭脳は明晰でなく、体力にも不安があり。社会に出てそれほど時間が経っておらず経験は不足していて、自分の進む道にもまだ迷いがあって。成長していないかと言うとそうではなく、でもまだ完成されてはいない。そんな人物をイメージしました。


 この時にどうせならと思い、ついでに性別も変えました。その影響で生じた口調の書き換えは、恐ろしいことに地の文から会話まで全編に及んだのです……。




 2020年2月終了時点のデータを示します。

 完成話数         1→ 3話

 総話数         16→22話

 増加文字数      54,323文字

 延べ文字数     168,782文字

 延べ日数           74日

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― 新着の感想 ―
[良い点] 「どうせならと性別も変えた」 とあっさり書いたと思ったら、ほぼ全文を書き直しというかなり洒落にならない事態をさらっと書かれてちょっと笑いました。 主人公の年齢で悩んでいるところはコツコツ検…
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