勇者の復讐 12話
毎日さくさく投稿
マルスは、幼馴染姉妹、妹の居る場所へと向かっていた。
顔を少し思い出しただけで、10年前の仕打ちが蘇ってくる。
10年前すべての王国の人らに裏切られ全てに絶望した、ただ思ったことは
復讐の二文字だけ
今からすべての人間に復讐を!!
マルスは冷たい眼で、3人に対峙していた。
「マルス!!あの時は操られたとはいえ、本当に申し訳ないことをしました。」
「兄さん、どれほどの怒りか私には察することはできませんが
ただ一言謝りたくて」
「元婚約者の私はどうなってもいいです。ただ子供の命だけは」
皆口々に似たような事をほざいていた。
マルスは全く耳を貸さず眼の焦点は王国の方向を向いていた。
3人は聞いてなさそうなマルスにもう1度声を掛ける。
マルスが3人の方を見る。
「ああ すまん。貴様らの謝罪は俺には今更届かん。やることがあるから
暫く待て、ただ待ってるだけじゃ退屈だろうから、
これの相手でもしてもらおうか?」
「後ろに隠れてる200人の衛兵と共にな!」
マルスは呪文を唱え魔法陣を地面に20ほど出した。
中から炎を纏った虎が勢いよく出てきて王国兵並びに3人に襲い掛かった。
マルスは更にウラヌスを掲げて別の呪文を唱えている。
≪ウラヌスよ、準備はいいか?≫
≪ああ、いつでもよいぞ、魔法陣を出す場所は王城の真上でいいな?≫
≪ああ、それで頼む≫
≪いくぞ!!≪エルドラ召喚≫ ≫
天魔級の剣であるウラヌスを媒介としてエルフの王族並びに
エルフ四天王らの魔力を注入して呼び出させる超位存在の竜
エルフの秘術≪エルドラ召喚≫
それがまさに放たれようとしていた。
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その日王国は良く晴れた陽気のいい日だった。
東門が破壊されまだ復旧の途中だったが、皆の表情は明るい。
そんな日だった。
何気なく空を見上げた衛兵が気が付いた。はるか上空に浮かぶ巨大な魔法陣を
報告も忘れ、ぼーっとそれを見つめていると中から、巨大な竜が現れた。
それを見てはっとした衛兵が王に報告へ走る。
「王よ、報告します。王国のはるか頭上に竜が現れました!!」
「なんだと!!竜だと!」
「逐一動向を報告せよ!」
それだけ言って王は衛兵を下がらせた。
王は苦悩する。宰相が突然いなくなり、あたふたする事しか出来なくなっていた。
その頃城下町では王国民のほとんどが上空を見上げていた。
上空を飛んでいた竜が、静止をして暫くしたのち、太陽が2つになった気がした。
次の瞬間、眼を開けていられないほどの光に王国が包まれた。
その光は王城の直下に落ち、王城は一瞬の間に灰と化した。
爆風とその熱量で、王城の周りが掘削されていく。誰も声を出すことなく
竜が暫くした後粒子になり魔法陣と一緒に消えた。
その日王国は巨大なキノコ雲と大きな振動とともに消滅した。
応援ありがとうございます。
次回最終話になります。
王国は最初から燃やすか、消滅させるかの2択でした。
燃やすと匂いがありそうなので、ムシューダな消滅がいいかなと




