勇者の復讐 1話
「勇者マルス、いや偽勇者マルスよ!貴様の勇者の称号を剥奪し国外追放とする。」
「新たに戦士アレンよ、神託のもとに其方を勇者と認める。」
といきなり王がそういった。不自然な紫色の眼をしながら
「それと聖剣レーンを返却せよ!」
腰の剣が人型を模しながら自分の手から離れる。
そのままアレンの手元で無言で立っている。
「・・・・・・・・・」
そのあとアレンが聖剣を掲げるとその場にいた皆が歓声を上げる。
「なんて輝きだ!これぞ勇者に違いない!!」
・・・・・・どう見ても光ってもないし寧ろくすんでいるが自分だけ
そう見えてるみたいだ。
皆が紫色の眼をしていた。
PTメンバーの聖女アリシア、剣聖リバー、賢者マリーンも紫色の眼をしながら
悪態をついてくる。
「あなたとの婚約はなかったことにさせていただきますわ、偽勇者」
「兄さん まさか嘘をついてたとは 」
「この屑が!」
アリシアは幼馴染でリバーは妹、マーリンはアリシアの妹だ。
半年ぐらい前からアレンの部屋での睦み声を聞いてからほとんど会話がない。
要するにだ、全員がアレンに寝取られたということだった。
マルスは怒りを通り越し絶望を感じていた。
王がいう。
「さぁ偽勇者よ!化けの皮が剥がれたな。即刻この国より立ち去れ!!」
周りの騎士から剣を向けられ悲痛な気持ちで王宮を出ると
事態を知らされた国民に罵詈雑言を浴びせられる。
「偽勇者が!!」
「よくもだましてくれたわね!!」
仲の良かった人からも石を投げられる。
無言で痛みを感じながらも門の前まで来ると更なる絶望が待っていた。
両親がその場にいた。
「マルスよ、今日からお前は家族でも何でもない。赤の他人だ。」
「リバーがアレンと結婚することになった。お前は必要ない。」
いきなりの話で考えが纏まらないままその国を去った。
いまだ魔王は出現していない。
それから10年の月日が流れた。
もう1つ書いてたのですが ストックがPCの故障により無くなった為
書き溜めてる最中です。
この小説はすぐ終わります。10話以内を予定してます。