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あの手この手であの子の手  作者: 一耶 礼
6/12

時が経つと親しい人でも接し方微妙に変わる

(みぞれ)さんは俺が中学生になるまで、浜守(はまもり)は去年くらいまで俺も2人のことを名前の呼び捨てで読んでたろ?」


隣に並ぶ白菜(しろな)にまず問いかける。


「うんっ、もっと前にはみーちゃん、ひーちゃんって呼んでたね」


「いつの話だよ、いい加減忘れてくれ」


小学生になる以前のことだけど、今になって掘り返されると(いささ)か気恥ずかしい。


白菜(しろな)に茶々を入れられつつも、俺は説明を続けていく。


「とにかく、中学に上がってからは何て言うか••••••目上の人を敬うっていうか、接し方を考えるようになったんだ」


「ねんこ〜じょれつってやつ?」


「おっ、そんな言葉使えたのか。偉いじゃないか」


それ程難しい言葉ではないはずだけど、白菜(しろな)が四字熟語を使ったというだけで軽く感動してしまう。


「もぉ〜、バカにしてっ!」


白菜(しろな)は子ども扱いされるのが気に食わないらしく、(ほほ)を軽く(ふく)らませている。そんな仕草(しぐさ)がより一層子どもっぽい。


それはともかく、中学生になるまでは人によっての接し方の差というものが少なく、あるいは教師に対しても軽い態度で接していた。


しかし、中学、高校と進学してからは、社会性が発達してきた証なのか、教師や先輩に対して敬語を使うようになった。


「それで1つ年上の(みぞれ)にさん付けってこと?」


「まあな、お前だって助っ人先の部の先輩には敬語を使うだろ?それと似たようなもんだ」


「それは••••••そうだけど」


やはり、体育会系の白菜(しろな)には部活内での上下関係で例えると分かりやすいんだな。


「じゃあさ、ひのは?ひのと叶枝(かなえ)君同い年じゃん。ひのの方も去年くらいまで名前で呼んでたのに、今は名字の秋谷(あきや)君って呼んでるよね」


(みぞれ)さんの呼び方については(おおむ)ね納得したらしく、白菜(しろな)は次の質問を投げかけてきた。


浜守(はまもり)を名字で呼んでいる理由は、あまり言いふらすようなものでは無いけど、白菜(しろな)相手なら心配はないだろう。


浜守(はまもり)の呼び方については少し複雑な理由があるんだ。ざっくりいうと、あいつがモテるからだな」




あと1話、白菜(しろな)とふたりの会話が続きます。なにげに本文で叶枝(かなえ)の名字が出たのは初めてですね。

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