表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あの手この手であの子の手  作者: 一耶 礼
4/12

子どもは通学路に遊びを求めがち

日も随分と長くなり、道端(みちばた)に生える葉の緑も濃くなりつつある歩き慣れた通学路を、今は白菜(しろな)と肩を並べ、特に急ぐでもなくゆっくりとしたペースで歩いていく。


肩を並べてはいるものの、2人の距離は1メートルほど離れている。


というのも、白菜(しろな)は現在、何ていうのかは知らないが歩道と車道を仕切る高さ、幅共に15センチくらいの出っ張りの上を、平均台よろしく両腕を左右に伸ばしながらバランスをとって歩いていた。


今歩いているのは住宅街の少し狭い道路で、車が通ることはあまりないため危険は無いと思うけど、いかんせん下校している他の生徒や地域の住人達の目があり、隣を歩いている俺が恥ずかしい。


「おいっ、いい加減そこから降りろ」


小声で呼び掛けると、白菜(しろな)は歩調を緩めずに顔だけをこちらに向けた。


「え〜っ、心配性だなぁ。もう子どもじゃないんだから落ちて怪我したりしないよ?」


「もう子どもじゃないから降りろって言ってるんだ」


顔だけをこちらに向けているくせに少しもふらつかないバランス感覚に不覚にも感心してしまうがそれはそれ、これはこれだ。


「私ならこんな出っ張りダッシュや片足ケンケンで100メートルはいけるね!」


「やめろ恥ずかしい。第一、この出っ張り100メートルも続いてないじゃないか」


白菜(しろな)ももう高校生なんだからもう少し落ち着きを持ってもらいたいんだけど、人間成長しても変わらないものがあるらしい。


昔とは大違いなところもあるんだけどなぁ••••••胸がとは言わないけど。


「もうっ、叶枝(かなえ)君ったら昔っから全然走り回って遊んだりしないんだから。たまには運動しなよ。そんなのだから、男の子なのに今でも私に力で勝てるか分からないんだよ?」


俺の(よこしま)な目線の変化は、正面を向き直した白菜(しろな)には気付かれていないようだ。


「しょうがないだろ、怪我したくなかったんだから」


「それは小学生の頃の話でしょ?今は違うじゃん」


我ながらなさけない理由だけど、当時は怪我をしないために運動をできるだけ避けていた。今は特に避ける必要もないけど、いきなり運動が好きになるわけでもなく、現在も好んで運動はしていない。


浜守(はまもり)(みぞれ)さんもあまり運動しないだろ」


(みぞれ)は特売日にいっつも全力疾走してるじゃん。ひのは••••••女の子は程々でいいの!」


「理不尽な••••••」


そんな益体(やくたい)もない話をだらだらと続けていた最中(さなか)


「ねぇねぇ、そういえばさぁ」


「なんだ?」


白菜(しろな)は、ふと思いついたと言った感じで問い掛けてきた。


「幼馴染でしょ?何で叶枝(かなえ)君はひのと(みぞれ)のこと浜守(はまもり)〜とか、(みぞれ)さん〜とかって堅苦しく呼んでるの?」






他のキャラの登場まで少々お待ちください。


ところであの道路の出っ張りは何と言うんでしょうでしょうかね?白菜(しろな)はあの出っ張りがあるとほぼ確実に平均台みたいに歩き出します。小学生が道路の白線を歩くのと同じノリですね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ