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あの手この手であの子の手  作者: 一耶 礼
11/12

驚異的な胸囲の差

扉から約1歩分下がり、お手本のような(たたず)まいと、やわらかな視線で俺を見つめるのは夕悟(ゆうご)の双子の妹である浜守(はまもり)ひのでだった。


その雰囲気は穏やかで、整った顔立ちとほんわかした性格も相まって親しみを持ちやすい奴だ。夕悟(ゆうご)と同じ淡い茶髪を肩の辺りで綺麗に切り揃え、黒色のウェリントン型眼鏡をかけている。


制服を校則に寸分違わずお手本のように纏い、正に優等生という印象を受ける。ただ一点、胸部にて大きく盛り上がる双丘だけが制服の見本写真との相違点だな。


「ふたり一緒に来たんだね」


「ええ、ちょうどしたで会ったものだから」


浜守(はまもり)から半歩距離を開け、凛とした声でそう言ったのは現在高校3年生で俺たち幼馴染のなかでは最年長の瑞凪(みずなぎ)(みぞれ)さんだ。


胸の辺りまで伸びているであろう癖が無く、艶のある美しい黒髪を纏めてポニーテールにしていて、女性にしては身長が高く、男の俺とちょうど同じくらいだ。


スッキリした顔立ちとスラリとした体型、落ち着いた声色も相まって見る者にクールで完璧な印象を与えがちだ。しかし実際は案外抜けているところもあり、でもやっぱり頼れる俺たち幼馴染のお姉さん的存在だ。


「たしかスーパーの特売日だったんだよね。ちゃんと買えた?」


「あらっ、白菜(しろな)から聞いたの?当然よ、牛乳1本125円を逃す私ではないわ」


(つつ)ましやかな胸を張り、自慢げに語る(みぞれ)さんのその姿は、学校ではあまり見られないものだ。


彼女の両親は約2年前、(みぞれ)さんが高校に入学してすぐに、3年という長期の転勤によってこの町を離れていて、現在(みぞれ)さんはひとり暮らしをしている。


当初は(みぞれ)さんもそれについて行く予定だったけど、(みぞれ)さん本人がここに残りたいと強く主張したらしく、彼女の両親もしっかりとした性格の愛娘と長年助け合ってきたご近所さんを信用してひとり暮らしを認めてくれたという経緯がある。


(みぞれ)さんが節約の鬼になったのもたしかひとり暮らしを始めてからすぐのことだったかな。


「とりあえず部屋へ入りなよ。もうみんな揃ってるよ」


「そうね、お邪魔します」


「おじゃまします」


あまり長く立ち話をすることもないと、早速ふたりを招いて勉強会を開始することにした。





キャラ情報


浜守(はまもり)ひので 誕生日1月1日(正月)

彼女の掛けている眼鏡は誕生日に兄の夕悟(ゆうご)と交換でプレゼントした物

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