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あの手この手であの子の手  作者: 一耶 礼
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プロローグ

初投稿です。(つたな)い部分もありますが、楽しんでもらえると幸いです。

あの日、あの子とつないだ手の感触は、(おぼろ)気ながらもその少女のことを、俺の記憶の重要な部分に現在まで繋ぎ止めている。


幼い頃、お互いに小さくて柔らかく、頼りない手のひらに、それでも全幅(ぜんぷく)の信頼を寄せ、離れまいと力いっぱい握りあった。


泥だらけであることなどお構いなしに、二人並んで今思えば大したことのない距離の帰り道を半泣きになりながら帰ったものだ。


沈みかけた夕陽による逆光で、その時の少女の姿や表情は(うかが)えず、その声色も年月による記憶の欠落で今となっては曖昧(あいまい)になってしまった。


それでも••••••。


見慣れた道まで戻ってこれたとき、少女は緊張の糸が切れたのか、ぼろぼろと泣き出してしまったことはよく覚えている。そして、そんな少女を見た俺も一緒になって泣いてしまったことも。


「かーくん、これでかえられるよ」


2人とも見栄(みえ)を張り、親達に泣き顔は見せまいと目の()れが治まるまで地べたに座り、内容はよく覚えていないが少し話をした。


思えばあの帰り道だった。俺が、初めて女の子を好きになったのは。


そして、不思議なことに今でも俺は、その表情も声色も今となっては曖昧(あいまい)な女の子のことが好きだ。


その想いに気付いたのは、中学2、3年生の頃だったと思う。


さらに数年が()った現在。どれだけ必死になって思い出そうとしても、もう十年以上前のことであの日の少女の姿にはもやがかかり、少女を隠し、掴ませない。


俺は、あの時一緒に長い帰り道を共にした初恋の少女が一体誰なのか、どうしても思い出せずにいた••••••。



スマホで投稿しているので、改行が変かもしれませんがご容赦ください。

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