安楽と小夜子
「なんで、じゃないわよ小夜子。アンターえっと・・・・・・」
あ、名前言ってなかったね。
「宮崎和美です」
「そうそう、和美ほったらかしにして何やってんのよ!」
「なにやってるってアタイはー、ご覧の通り安楽様とイチャイチャしてまーす。あ、電話じゃ見れないか」
たぶんこの巫女さんが私の守護霊の小夜子さんなのだろう。とするとイケメンのお坊さんはー。
「見えてるわよ! 今はこの電話がアタシの依り代なんだから」
お坊さんは左手に縋り付く小夜子さんをを振り払うとしてるけど、小夜子さんは離れない。
「ちょっと離れなさいよぉ。守護神様ですかぁ、私は神崎の守護霊で安楽と言います。この子どうにかしてよ~鬱陶しいたらありゃしない」
「いやよ! 二百年ぶりかそれ以上じゃない、もうずっと行方くらましてぇ心配したんだからぁ」
神崎先生ははこの状況に少しも動揺していない、流石だ! 愛してます。
「安楽様、あれは電話の九十九神では無く宮崎さんの守護神様ですか?」
「そうよ、あれはー」
「九十九神!?」
アリスちゃんが神崎先生をを睨み付けた様に感じた。
「アンタ何言っちゃってるのっ、アタシをそんな低級なのと一緒にしないで!」
「すっ、すみません守護神様」
「ん? あなた・・・・・・陰陽師ね?」
ハッ、とする安楽さんと神崎先生。
「どうして分かるの? てぇ顔してるわね。分かるわよぉ同じ神道だもの」
「え、ええそうなのよ、この子の実家はお寺なんだけど何故か陰陽師の才能があったから伸ばしてあげたの」
安楽さんは自慢の息子を見るように神崎先生を見た、先生と関係は良好みたいね。ここは私も確認を。
「あの、アリスちゃん、私の守護霊ってその巫女服の人ですか?」
胸の前で抱くように受話器を固定して話しかける。
「アリスちゃん? アリスちゃん・・・・・・良いわね、それ採用! あ、いや、話しがズレたわね。そうよ、ただこの子は少し問題を抱えててね」
「問題ですか?」
「そう大問題、小夜子はー」
「あ、アタイのことはいいでしょ? それより和美の話をー」
小夜子さんは慌てて話しを変えようとするがー、しかし安楽さんが話し出した。
「小夜子はアタシがいたお寺の隣にあったお宮の巫女だったのよ、一目惚れか何だか知らないけれど、そのときからアタシに付きまとってね、あんまり五月蠅いからお寺変えて貰ったの。そしたらー」
話しをアリスちゃんが引き継いだ。
「この子内の神社飛び出して渡り巫女になったのよ、安楽を追いかけて」