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21.レンシアの父

「おおっ、大事ないか!? 我が娘よ!」

「お、お父様……」


 ひょいっと軽々と持ち上げられ、レンシアは父であるゴードンに頬ずりをされかけていた。

 娘を溺愛する父ならば、幼い娘にこれくらいの事はするのかもしれない。

 ただ、レンシアはそれを当然のごとく嫌がった。


(くっ、母君ならまだしも……!)


 レンシアは必死に抵抗をして見せた。

 恥ずかしいからやめてほしい、という体で本気で拒否していたのだ。

 だが、当のゴードンは娘の無事を確認して周囲の目など気にしない。

 騎士団長を務める威厳あるオルティナ家の当主――それがゴードンであるはずなのに、今のゴードンはただの娘を可愛がる父だった。

 ただ、そんなゴードンを咎めるような者はいない。

 近くに控えるイケメン――《蒼の騎士》と呼ばれるフェンスですらその光景を微笑ましいといった様子で見ていた。

 レンシアは、完全に切羽詰まっている。

 そうやって嫌がるレンシアの姿を、リリナは少し楽しそうに見ている。


「ふふっ、レンシアもそういうところはあるのね」


 完全な勘違いだが、今のレンシアは必死だった。

 コリンと合流し――すでに状況は確認している。

 未だ二人の敵が残っている状態ではあったが、レンシアはあえてその事をコリンと共に秘密にした。

 なぜなら――その敵が学園の関係者である可能性が高いからだ。

 誰であれ、関係者の可能性があるのならば例外はない。

 この事実を知っておくべきメンバーはレンシアとコリンだけでいいという結論に達した。

 そして、学園内を襲っていた虫が突如消えた事により、学園内もまた騒然となっている。

 学園内では大規模な幻覚魔法による訓練――そのように説明しているが、今までなかった事だけに騒ぎは大きい。

 ただ、誰にも虫が消えた事実を説明する事はできない。

 当然、一部の者達は《旧帝国》の存在を知っており、誤魔化し切れないところもあるだろう。

 ファブルがどう納得するような説明をしてくれるか、とレンシアは密かに期待した。


「怖かっただろう? すまなかったな……我々の訓練に付き合わせて」

「いえ、むしろ興味深いものでした」


 ゴードンはそう言って、レンシアには隠すつもりのようだった。

 学園長であるファブルには、レンシアが旧帝国の魔導師を撃退したという事実は伏せてもらっている。

 何しろこの父だ――レンシアがそんな事をしたと聞けば、どうなるか想像できない。

 心配しすぎてすぐに学園をやめて嫁入りを要求するか、それともすでに完成系に近い強さを持つ娘に嬉々とした表情を見せるか――いずれにせよ、レンシアの求める安息を手に入れるには、まだレンシアの実力を知られるわけにはいかなかった。

 本当に、ファブルには上手く説明してもらいたい。


「お父様、私は友人達と授業に戻らなければならないので……」

「むっ、そうだったな……。いや、こうして久しぶりに会えたのだ。今日くらいは一緒にいても……」

「お父様。私はお父様との約束を果たすために頑張っているのです」

「そ、それは、そうだが――いや、そうだな」


 ゴードンの背後には、騎士達が待ち構えている。彼は彼で、今後の事を学園と協議するのだろう。

 ゴードンは名残惜しい、といった様子でレンシアを地面に下ろす。

 娘が魔導師として大成する努力をすると言っている。

 父であるゴードンがそれを邪魔するわけにはいかない、と納得したのだ。

 当然、レンシアはそんな事は考えていない。

 いつまでも父に掴まれているのは落ち着かないし、そろそろ休みたいという気分が強かった。

 ――レンシアの根底にあるものは、楽をして過ごしたいという気持ちなのだから。


「さて……私とコリンは部屋に戻ります」

「え、今授業に戻るって……」

「おそらく授業どころではないですよ。教室に戻っても、きっとすぐに寮に戻されます」

「だったらお父さんともう少し一緒にいてもいいのよ?」

「……いえ、お気づかいなく」

「気遣いじゃないよ。家族といたいの、当たり前」


 そう言うのはコリン。四十代といっても、エルフとしての四十代はまだまだ幼いのかもしれない。

 母であるライナが恋しいのかもしれない。

 その気持ちは察するが、レンシアにその気持ちはない。

 ふるふると首を横に振り、


「構わないので早く戻りましょう」


 ピシャリとそう言ってのけた。

 レンシアは今後について、コリンと共にベッドで横になりながら話すつもりだったのだ。

 リリナについては一度教室に戻ってもらってもいいだろう。

 もちろん、レンシアの事は寮に戻っていると伝えてもらう。


「じゃあ、私は教室に行くわ」

「あ、その前に……」


 レンシアがリリナの手を取ると、掌を軽く撫で始めた。

 突然の事で、リリナが少し身体を震わせる。


「な、なに? くすぐったい……」

「おまじないみたいなものです。もう心配しなくていいですからね」

「そういう事? なんだか、レンシアの方が年上みたいね」

「ふふっ、あながち間違ってはいませんよ」


 実際、レンシアの方が精神年齢だけは相当上だ。

 そんな事実を知る者はおらず、そこにいるのは六歳の怠け者の幼女――ただ、ファブルやリリナ、そしてコリンからすでにその実力を把握されている。

 ある意味、一番謎に包まれた人物になりつつあった。


「さてコリン、身体の方はどうですか?」

「ん、平気。リリナに治してもらった」


 コリンは合流した時、外傷はなかったが、内部にダメージを負っているようだった。

 リリナの再生魔法はそれすらも治す事ができる。回復したコリンの肩に手を回すと、


「では、私を寮まで運んでくださいっ」

「わかった」


 コリンは頷いて、レンシアをお姫様抱っこする。

 リリナとコリンの違い――それは、コリンは頼めばある程度の事は何でもしてくれるというところだった。

 こうして抱きかかえて運んでくれるくらいはやってくれる。

 寮に戻るのに、歩くのはもう億劫だった。

 まだ、レンシアは神代魔法を使った影響がひしひしと残っている。

 本当なら今すぐに寝たいところだが、レンシアは練らなければならないのは今後の作戦についてだった。

 カーキルという、最大の敵は倒したとも言える。

 あれほどの魔導師は、旧帝国にもそれほど残っていないだろう――そうレンシアは思っていた。

 だからこそ、残りの召喚師とフォウル――特に、召喚師の方を特定する必要があった。


(さて、どう攻めるかね)


 今度はこちらか先手を打つ――そうレンシアは決めていたのだった。


   ***


「ふぃー」


 力なく息をはく声が部屋に響く。

 レンシア、渾身のだらけモードである。

 もはや四肢に力は一切入っておらず、油断すると漏らしてしまうというもはや人間として最低限の力すらも抜いている、ある意味超人的な状態にあった。

 これは神代魔法を使用した負担によって、かつてないほどレンシアの身体が休みを求めているから起こった事象である。

 そんな状態には、リリナが部屋に戻った時からだった。


「レンシア……?」

「はひ」


 もはや呂律すら回っていないレンシアを心配して、リリナが駆け寄ってくる。

 だが、すぐにとんでもなくだらけているだけという事に気付いた。


「もうっ、心配するでしょうっ!」

「しゅみまへぇん」

「しゃっきからじゅとこう」

「コリンも!?」


 隣でだらんとしていたコリンも同じような感じだった。

 レンシアのだらけモードを即座にコピーしてマスターするとは、やはり英雄の娘だけはある。そうレンシアは感心する、

 二人は部屋に戻って、早々ベッドに横になってから今後について話していた。部屋でごろごろしていると、決まるものもだんだん決まらなくなってくるものである。

 四十代のエルフと英雄の生まれ変わりは、だんだんと眠気に勝てないリアルな幼女になりかけていた。


「あー、あれですね」

「あれ?」

「そう、あれな感じ」

「あれ」

「あれだから、あれなので」

「うん、あれ」

「そうですよね……」

「うん」


 驚異の「あれ」使用率から導き出された結論は、


「まあ……どのみちリリナを狙ってくるので待ちで行きましょう」

「わかった」


 先ほどまで攻勢に出る気だったにも拘わらず、ベッドに横になってレンシアの考えは一八○度変わってしまった。

 レンシアの残念なところが如実に出てしまった形となる。

 逃げた相手を追うのはそれなりに準備が必要、という理由はあるのだが、語尾に「だから面倒」が付いてしまうところが悲しい。

 かつての英雄達も、五人の中で唯一の《待ちのスタンス》なのがアルトだった。

 どのみちやってくるのだから、と魔神の侵攻もある程度許容する――そんなどうしようもない意思を受け継いだのがレンシアだ。

 今度は二人だけでリリナを守る事になるが、レンシアとコリンの二人ならばそれは十分に可能であると思われた。一つは、相手がこの学園内にいる可能性が高いという事。

 つまり、動向を見ておけば十分に対応できる可能性が高い。

 もう一つは、戦力としてフォウルを回収した事。二度敗北した男を、手駒として加えるという事は、理由は分からないが《旧帝国》の人員の不足を意味する。

 三つに、相手が《召喚師》であるという事。これがもっとも大きな理由であり、召喚魔法の使い手はそこの魔力にリソースを割くため、本来戦闘向けの魔導師ではない。

 レンシアのような万能型であれば話は別だが、動き方から察するにそうではない。

 つまり、カーキルという主力を打ち倒したレンシアは調子に乗っているのだった。


「ほら、起きて」

「えー」

「えー、じゃないわ。明日もお休みになったけれど、学園長がレンシアの事を呼んでいるわ」

「マジですか!?」


 当然、レンシアが反応したのは学園長が呼んでいるというところではなく、明日がお休みになったというところだった。

 レンシアはうきうき気分でリリナに抱えられているが、


「レンシアのお父さんと一緒にいたから、そのあたりの話なんじゃないかしら」

「お父様と?」

「そう。教室まで来たから驚いたわ」


 レンシアが首をかしげる。

 もちろん、二人が一緒にいる事は別に普通だ。

 だが、レンシアを探して一緒に教室に来たというのならまた違う。

 さすがにファブルがレンシアの事を話した、とも思えないが。


「何か言ってましたか?」

「うーん、あんまり聞こえなかったけど……あっ、授業態度がどうとかは聞こえたかも」

「授業態度……わたしとは無縁な問題ですね」

「無縁……?」

「え、だって問題行動なんて起こしてないですよ」

「授業中寝てばかりじゃない。授業態度で呼び出されてもおかしくないと思うけど……」

「……!? なんですと!?」


 レンシアが勢いよく立ち上がろうとする。

 だが、脱力しまくった後に筋肉をすぐ動かしたため、


「うっ!?」

 右足がつった。


「いたたたたっ、足、つってますっ!」

「え、どっち?」

「右!」

「え、えっと……」

「切り落とす?」

「こわっ、発想こわっ! いたたっ、足をこう、こういう感じで!

「こう?」

「あ、そ、そう……いい感じです」


 つった足の対処をしてもらいながら、レンシアは考える。

 それはもしかすると、レンシアにとってもっとも大きな問題かもしれなかった。


(まさか……!)


 渋い顔をしているのは足が痛いからなのかそうでないからなのか――しかし、この予感は的中する事になる。

 この場において問題視されるべきであってない事。レンシアの授業中の居眠り問題についてだった。


   ***


「可愛いレンシア、こんなに短期間でもう一度再会できるとは、父は嬉しいと思う」


 そんな風に言うゴードンだったが、目は笑っていない。

 実際に呼び出されたのは、学園長のファブルがレンシアを呼んだからではない。

 レンシアの授業中の様子について、先生方からの話を聞いた結果、父に呼び出されたのだった。

 レンシアは魔導師としては優秀――六歳にして中級魔法に応用を効かせる事ができる天才だ。


「私の娘がそこまでの天才だったというのは、正直驚いている」

「は、はい。私も驚いています」


 そんな事をしらじらしく言ってのけるレンシアだが、目は泳いでいた。

 学園の応接室で、真顔の父とちょこんと座る小さな娘という奇妙な構図が出来上がっている。机の上にあるのは一枚の紙――そこにはレンシアの学園内での授業態度について記載があった。

 初日――小屋を作ってそこで居眠りをしていた。

 さらに授業中――基本的に居眠りをしている常習犯。

 そんな告げ口のような事が書いてある。

 実際のところ評価に影響する部分なので当たり前なのだが、レンシアはそういうところを気にした事はない。

 魔法の実力さえあれば評価などいくらでも誤魔化せる。

 そう思っていたが、いざ父から呼びだされたのならば、居眠りが問題視されている事は言うまでもない。


「レンシア……お前はまだ幼い。六歳だというのに、こうして評価されている部分がある事は私も誇らしく思う」

「はい……」

「だが、授業中寝てばかりというのはどういう事なんだ。確かに、家でもお前はよく寝ている子だったが……やる気を見せたからこそ学園に送り出したんだ。眠ってばかりではダメだろう」

「えっと、その……」


 レンシアは必死に言い訳を考えようとしていたが、何も思い浮かばなかった。

 授業中に居眠りをする理由――リリナにだったら、エネルギーが足りないだの、睡魔が呼んでいるだの冗談めかした理由はいくらでも言えるが、父は別だった。

 気まずい空気の中、レンシアが取った苦肉の策は、


「お、お父様。お仕事の方は――」

「ここでやるべき事は大体終わった。だから、少し時間をもらったんだ」

「そうですか……」


 仕事を思い出させて逃げるという、作戦でも何でもない方法で逃げようとしたがダメだった。

 戦いの作戦を考えるのは得意だが、居眠りをしている理由をひねり出すのは難しい。

 何せ――気持ちよくて好きな事をしているだけなのだから。

 体調が悪いだのいくらでも言い訳を出す事はできるが、それは学園にいられるかどうかも分からなくなってしまう。

 それでもレンシアは、それっぽい言い訳を口にした。


「ごめんなさい……まだ学園の生活に慣れてなくて。夜あまり眠れないんです」

「むっ、大丈夫なのか!?」

「は、はい。最近少しずつ慣れてきたので……」


 完全に嘘をついたレンシア。

 慣れるどころか初日から図太い神経を見せているレンシアなのだが、ゴードンはそんな風に落ち込むレンシアを見て少し慌てた様子だった。

 視線を再び紙にうつした時、「入学式の居眠り、学園の敷地内に小屋の作成」という言葉が目に入り、これは完全に慣れの問題ではないとレンシア自身も悟ったが、勢いで乗り切る事にした。


「わ、私の実力は学園でも認められています。だ、だからご心配なさらずに!」

「そ、そうか? だが、授業中に居眠りをするのは本当にダメだぞ?」

「は、はい。大丈夫、です」


 物凄く歯切れ悪く、レンシアが答える。

 居眠りにも全力なレンシアには、それを約束するのだけでも精神的につらいものがあった。

 今後、授業態度というものがレンシアの頭の中を常に過ぎる事になる。

 居眠りをすれば、いずれはゴードンへと知られてしまう。

 いつまでもたるんだ娘にはもう学園の授業を受けさせている場合ではない、と家へ強制送還されてしまう事だって考えられた。

 それだけは避けなくてはならない――レンシアも必死だ。

 ゴードンもレンシアの訴えを聞いて、納得したように頷いてくれる。


「分かった。レンシア、お前が学園に認められているのは事実だ。これからも頑張るようにな」

「はいっ」

(ふっ、ちょろいな!)


 根本的な解決には何もなっていないが、レンシアは父との対談を何とか乗り切った。

 今後居眠りをしていればまた父の耳に届く可能性を危惧するレンシアだが、間違いなくレンシアが睡魔に勝てるはずもない。

 どのみち父に知られる事になる。


「ああ、それとファブル学園長がお前に用があると言っていた」

「あ、そっちもですか」

「そっち?」

「いえ、何でもないです。ありがとうございます」


 やはりファブルの方もレンシアに用があったらしい。

 再び父との別れを惜しみ――惜しむのはゴードンだけだったが、レンシアはその足でファブルの方へと向かう。

 今の状況下において授業態度の話はどうにかならなかったのかと思うが、すでに《旧帝国》の魔導師は倒したとファブルは認識しているだろう。

 レンシアが学園長室に到着すると、案の定ファブルはそう考えていた。


「君が本当に《旧帝国》の魔導師を倒すとは……本当に六歳か? それに、何故父君に君が関わった事を隠すというのは、確かに協力してくれている以上は守らせてもらうが……」

「はい。まあ、これで安心だとは思いますが」


 レンシアはそう答える。

 ファブルの言いたい事は分かる。レンシアの見た目はどうしても六歳の少女なのだ。

 そんなレンシアが実際に旧帝国の魔導師を打倒したというのは俄かには信じがたいのだろう。

 だが、学園に出現した魔虫の姿は消えた。ファブル達学園の教職員はすでに魔虫の存在は把握しているらしい。

 いずれにせよ敵が来た事は周知していく事なのだろう。

 レンシアという協力者の存在はあくまで隠してもらう事になるが――ふと、レンシアは考える。

 そもそも自堕落な生活を送るためにレンシアは努力しているのだが、その実は学園でも有名になり、ファブルには《旧帝国》の魔導師を撃退できる実力者だと認識されてしまっている。


(……あれ、これって俺の望んだ生活に向かえる、のか?)


 レンシアの最大の目標は、働かずして楽に暮らす事。

 だが、すでにそんな未来は見えなくなってきている気がしてならないと、レンシアは感じ始めていた。


(……まあいいか。面倒だし)


 ただ、面倒事が増えそうなので結局レンシアの事は隠してもらう事にした。

 レンシアはファブルに確認したい事があった。


「あの、一つだけ確認してもいいですか?」

「何かな」

「この学園に、召喚魔法を使える講師の方はいますか?」

「召喚魔法? どうしてまた?」

「学園の平和を守った見返り……というところでしょうか」

「なるほど、それを教えてくれる先生がほしいと」


 それらしい理由を付けて、レンシアがファブルに問いかける。

 ファブルは思い出すように講師の名を言っていく。


「私も使えるが、召喚魔法なら専門のレナン・ボート先生と……君の担任のテラール先生。それから、タッカー先生も使えるはずだ」

「――そうですか。ありがとうございます」


 レンシアは笑顔で答える。

「時間があれば私が教えてもいいが」と言うファブルに、レンシアは首を振って改めて礼だけを言って学園長室を去った。

 あくまで情報レベルだが、《旧帝国》に所属している可能性のある魔導師は四人だ。

 少なくともファブルが敵である可能性は低いが、レンシアは現状まだ敵が残っている事を隠した。


(見張りはつけておく必要があるな)


 レンシアも動くつもりはないが――用意はしておくくらいはする。

 ひらりとレンシアの手元から、いくつかの鳥の形をした折り紙が飛び立っていく。

 何とか父からの説教を回避し、ファブルからさりげなく情報を得たレンシアは――しばしの日常生活へと戻っていった。

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