可愛いは正義!何よりも強い!
我が家に新たな王様が誕生した。
「にゃーん!」
「にー!にー!にー!」
「にー!にー!にー!」
「は〜い、ご飯ですよ〜」
食事は俺より先に出される。
「あら、チビ、何所行ってたの?体中泥だらけじゃない。お風呂入りましょ」
女達と一緒に風呂に入り。
「はい、どうぞ」
ドアを開けてもらえる。
「あらあらたいへん」
たまにチビが小鳥を捕まえて来て、ホールで食べる。
元々野良のチビは餌を貰っていても獲物をとる。
散らかった羽は俺かバトラーが掃除する。
部屋トイレはシュリが交換してるが。
「ちょっと、8話みせてー!」
職員のひとりがウチに来たが、
「あ、猫!可愛い!」
と、猫達とさんざん遊んで、第8話を観ないで帰った。
何しに来たんだ?
「では、ポーズをお願いします」
リン社長が依頼した絵描きがシュリを描きに来た。
イベントポスターの原画を描く為だ。
子猫2匹をシュリに抱かせてみた。
出来上がった絵はどう見ても猫が主役だった・・
ああ、猫様・・・・
「にゃーん」
この家は数カ所にチビ専用ドアが設置された。
他所の人からは見えないような場所で、小柄なチビがぎりぎり通れる大きさだ。この間の茶色い猫は通れない。小柄なチビでも本当にぎりぎりなので、通り抜けるときはチビの顔が変な顔になる。それも可愛い。
俺とバトラーで作った。
それは役に立ったようで、この間、チビが猛ダッシュで専用ドアから逃げ込んで来た。他所の猫に追いかけられてたらしい。この間の茶色い奴だろうか? 敵は入って来れなかった。
子猫達はまだ外には出ない。
ああ、猫様・・
ーーーーーーーーー
「はあ はあ はあ はあ」
「あっ!あっ!あっ!」
「はあ はあ はあ はあ」
「あっ!あっ!あっ!」
「にゃーん!」
びくっ!
「え?」
「チビ、どうして? ドア開いてたっけ?」
夜中にまさかのチビ。
夜は子猫と寝てるか、深夜徘徊してる筈のチビ。
俺とカナの寝室には猫ドアは無い。
それに窓も開けてないし、ドアにはドアノブがある筈。猫は普通開けれない。
そして、
「お取り込み中すまないが、大事な用がある。急いで来て欲しい」
チビがそう言った。
ーーーーーーーーー
「ここでいいのか?」
「ああ、ここだ」
俺とカナはチビに連れられて、走って町の外れに来た。
喋る猫を問いつめたかったが、それどころじゃなかった!
隕石が落ちて来る。
いや、正確には魔王が隕石を投げて来たのだ!
魔王のコントロールはまだまだで、この町には当たらない。
だけど、町の外の森の地面に当たった衝撃だけで相当の被害を出すと。
チビはそう言ったのだ。信じられない事だらけだが、この世には不思議な事が一杯ある。いちいち突っかかっては居られない!
「カナよ、隕石が見えたら真ん中を狙え。少しでもコントロール出来るなら上側を狙え」
「狙えって・・・」
「君は鶴亀波が打てる筈だ。出し惜しみ無しだ、力の限り撃て!」
「コウよ、お前は隕石の上半分を狙え。なるべく上だ」
「何故?」
「隕石にアンダースピンをかける為だ!回転をかけれは軌道は少し逸れて町から遠のく。今からでは隕石を粉々にするのは無理だ! だから逸らす! 徹底的に撃て!合図したら止めてそこの大穴に飛び込め!」
「岩くらい簡単に・・・」
「ただの岩じゃない! 速度の乗った岩は恐ろしい威力になってる。来るぞ!」
赤?オレンジ?
光の玉がが見える。
真上からでなくて斜めに飛んで来る。
遠いな。
「撃て!」
え?もう?
どおん!どおん!どおん!
どん!どん!どん!
どおん!どおん!どおん!
どん!どん!どん!
カナと2人兎に角鶴亀波を撃ちまくる! 力の限りだ!
遠いと思った物体はもうあんなに大きい!
・・まさかカナがこんな立派な鶴亀波を撃てるとは。
「回り始めた! 回ってる! 良いぞもっとだ!」
叫ぶチビ!
どおん!どおん!
どん!どん!
「もういい!穴に!」
頭上を一瞬で過ぎる隕石!
俺達は一斉に大穴に飛び込み、俺はカナとチビを抱きしめてバリアーを張った!
カナの細い身体、チビ。
必死で守る!
言う通りした!どうなる?
どごおおおおおおおおおんんん!
ばふうううううう!
直後、大地震の様な衝撃と轟音が来た!聞いた事も無い音!
暴風と物が穴の上を真横に吹っ飛んで行く!
穴の中にバラバラと色んな物が落ちて来る!
耐えろ!俺のバリアー!
カナとチビを守れ! 俺のバリアー!
がさぁん!ばきばき!
ざざーーん!
地獄の時は生きた心地がしなかった。
そして暫くして静寂が訪れた。
穴の上に木や岩が乗っていた。
俺の上にも色々乗っていた。
生きてる・・・
「生きてるか?」
「生きてるわ、コー。無事よ」
「上手くいったな」
「ちょっと待ってろ」
俺は鶴亀波を斜め上に撃ち、穴の上に乗ってた瓦礫を飛ばした。
静かな夜空が見える。
あの嵐の様な世界が噓だったみたいだ。
チビがひょいひょいと登って行き、外を見渡す。
「もう大丈夫だ。上がって来て良いぞ。上手くいった、君たちのお陰だ」
俺とカナも地上に戻る。
俺達は唖然とした。
目の前には広くなぎ倒された森の木々。
その先・・
遥か遠くに大穴があいていた。
湖が出来そうなくらいの大穴だ。
あの地震はそのせいか。
あんなに遠いのにあの衝撃。
そしてそれは、魔王を倒さなければいけない理由。
「よくやった、勇者とカナよ。威力は少ししか減らせなかったが、軌道を逸らして遠ざける事が出来た。まだ魔王のコントロールが下手で助かった。町の被害は少ないだろう。地震だけだ。まあ、無傷ではないが何もしなかったら数百人は地震と跳んだ瓦礫で死んで居ただろう」
「これが魔王の力・・・」
カナが呟く。
「そうだ。魔王は宇宙空間で岩や瓦礫を集めて隕石を作っている。程よい大きさになったら落とす作戦だ。我々が手を出せない場所から攻撃をしかけて来る。魔王を倒さない限りこれは続く」
「倒さない限り続くのか」
「そうだ」
座ってこっちに向かう黒猫。
喋る黒猫。
しかもただ者ではない。
「チビ、貴方は何? どうして言葉を喋れるの? どうして隕石が分かったの? 誰も見た事が無い魔王の事を知ってるの? 何故コーだけじゃなく、私まで鶴亀波を使える事を知ってたの? 貴方は本当に猫なの?」
カナの矢継ぎ早の質問。
チビはじっと俺達を見る。
「そうだな・・」
チビが喋る。
だが、口が動いていない。でも、はっきり聞こえる。
頭の中に話しかけてるのではない。耳に聞こえる。
「君たちに解り易くいうなら、僕はこの世界の生みの親・・かな」
地球に隕石、衛星、惑星がぶつかる映画で最高なのは個人的には『メランコリア』です。
妹の変貌が深過ぎる!




