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燃えるような熱い夜。女神アマンダお久しぶりね。

 いや、すげえよかった。



 カナと二人、汗だく。

 カナ凄い。最高。

 カナは俺を凄いと言うけれど。




「ねえ、コー」


「なんだ?」


「意外と出来ないもんだね」


「まあ、そういうのは自然に任せよう」


 神とか女神とか言わない。あくまで自然にと。

 女神というとあの地味顔つるぺた思い出すし。

 何が出来ないかといえば俺達の子供の事。

 全く避妊はしてません。



「アタシバイト行ったじゃない。あそこの設計室って女しか居ないのね。全員が勇者の加護を受けた女なのね。みんな頭がいいの。あの人たちについていく自信が無いわ。信じられないような難しい式とかやってるんだもん」


俺が昼間学校に行っている間にカナは博士のところでバイトをしている。

お陰で食事は朝夕ともシュリが作る事になった。シュリが都合悪ければカナのお母様頼むか、外食するか。



「始めたばかりだし焦ることはないよ。誰が一番頭良いの?」


「そりゃあ博士! なんというか別格。どうやったらあんなの思いつくのかしら?」


「博士って凄いんだな。全部で何人居るの?」


「博士とアタシを入れて19人」


「すげえな」


「最初の勇者のが15人。2番目の勇者のが3人。3番目が居なくて、あとはアタシ。でもね・・」


「でも?」


「誰も妊娠しなかったんだって。不思議だよね」


 誰も子供が出来なかった。

 偶然だろうか?

 異世界人とは子供はできないんだろうか?

 それとも能力者だとできないんだろうか?

 前の妻も妊娠しなかったな。まあ、レスの期間の方が長かったけど。


 それにしても博士が一番頭良いのか。

 最初の勇者の加護を受けた人が一番多い。その中に博士。

 加護を授ける人数に制限は無いのかも知れない。そして人数増えても効果は薄くならない。


「でね、休憩中に先輩方から質問攻めになったんだけど。預言者から『勇者の子供を産む』って予言されたと言ったら驚かれたの。みんな出来ないもんだと思い込んでたから。ホントに出来るのかな?」


「分からない。今まで俺は出来るもんだとばかり思ってたから」


「『調べてみる?』とかみんな言うんだけど、博士がね『気になるが設計の方が先だな』って。コーは他の勇者と違うのかな?でも加護は皆とおんなじみたいだし」


 わからん。

 これは俺にはわからん。

 だが、


「じゃあもいっかい」


 俺はカナにキスをした。応えるカナ。

 まだ眠く無い。



 ーーーーーーーーー




「やっと寝たか」



 頭の中に声がする。

 何も無い頭の中の暗闇。

 どこかで聞いた様な声。




「いったい何時まで盛ってるんだか。待ちくたびれたぞ勇者よ」



 勇者?

 ああ、俺か。

 一体この声は誰?



「忘れたのか! お前の主のアマンダだ」


 主? アマンダ?

 ああ、女神アマンダ。

 地味顔つるぺたの。



「うるさい! 余計な事言うな!」


 ん?喋った気はしないんだが?



「ここはお前の夢の中だ。わざわざ来てやったというのに、いつまでも眠らんで盛りおって。待ちくたびれたぞ」





 夢?


 意識を持ち上げると、かつて会った女神アマンダが立っていた。

 うん、すとーんとしてる。


「やかましい!」


 んで、地味顔。

 化粧した方がいいんじゃね?

 化粧で女は化けるっていうし。


「下僕ひとりに会うだけなのに化粧なんて要らんわい!」


 じゃ、服も要らんな。


「お前、女神を馬鹿にしてないか?」


 バレたか。



「それはそうと勇者よ。そろそろ魔王の活動が始まりそうだ。お前らも急げ。でないと、魔王にぼっこぼこにやられるぞ!」


 魔王は何所に居るんです?


「前の前の前の勇者の愛人から聞いたであろう。上だよ上」


 あ、あれって本当だったんだ。

 いや、よく探したら実は地上に居たとかだったらいいなあと思ったのに。

 そもそも魔王ってなんなんですか?


「魔王は魔王だよ。他にどう言えって? 世界をダメにしようとしてるのが魔王だよ。折角私がここまで育てた世界を潰そうってんだから、酷いよな」


 女神様が魔王倒せばいいんじゃないの?


「いやな、私は力が強過ぎるからダメなんだ。世界を全消しするんなら出来るけど。困った事に魔王は力は有るが、人間サイズだからちっちゃ過ぎてダメなんだ。それとも全消しでいいのか?」


 いやいや困ります。

 あーそれで勇者なのか。



 だいたい世界って女神様にとってなんなの?



「あーそれ聞くか? がっかりするぞ。なんつーかな、作品だよ、作品。今度コンクールがあるから、出展用に育ててるのが今のお前らの世界だ。いい感じで出来て来たのに魔王が住み着いてコレだよ! この世界、前回は佳作だったから今回はもっと上の賞を狙ってるんだ。あーそれからな、勇者の元居た世界は以前、準優勝だったぞ! 喜べ!」


 ええ・・・俺達ってコンクールの為に作られたの?

 なんかガッカリだわ。


「いいじゃねーか、それで。別にお前らの世界なんか有っても無くても困らないんだから。一発ウケ狙いのヘンテコな世界にされなかっただけ有り難いと思えよ。あ、これ世界の中のヤツには内緒だからな」


 ところで魔王って強いのか?


「あー強いけど、お前だったらワンパンだよ。楽勝楽勝!そういう風に作ったからな。私の作った勇者はそう簡単に負けん!だが今度の魔王はあんな所に巣作りやがって!まったく、あんなとこに魔王置いたのは誰だよ!私の作品に嫉妬してる誰かだな!ゾフィか?ジアーナか?突き止めてそいつのに魔王バラ撒いてやる!」


 あー魔王が現れた理由が解った気がするわ。

 このまな板女神のせいだな。


「勇者のくせに何言ってんだ!早く魔王なんとかしろ!」






 ーーーーーーー








 朝。



 やな夢見た。

 横にはすやすや眠る俺の女神。

 綺麗だ。あのまな板女神とは偉い違いだ。





 どんどんどんどん!


 ドアが叩かれる。

 そしてシュリの声。


「飯が冷める!早く起きろ!」





 今日も頑張ろう。

博士はロケットの総責任者であり、設計主任です。

この世界では計算機なんて無いので、人が計算してます。

映画「ドリーム」は名作です!

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