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ビーチフラッグス演習 カナ対クララ先生

 あんなに反対したのに、リン社長に水着姿にされちゃったカナとクララ先生。



 今日は企画のために『お試し』でビーチフラッグスをすることになった。まだ夏には早くちと寒い。いや、寒くはないが夏じゃない。ああ説明が面倒、ややこしい。


 まあ、夏企画だから準備はまだ暑くない時期にやるのは当然。今の砂浜は空いていていいな。

 よその人が殆んど居ないわ。俺としてはカナの水着姿は他の男に見せたくない。


 出演を渋ったクララ先生とカナは『テスト』だからと結局連れ出された。社長強引なんだから。

 水着はリン社長が支給。高いやつらしい。俺とクララ先生の要望で絶対ポロリしないやつを用意して貰って着ている。

 それでも良い品物で綺麗でセクシーだわ。綺麗だよカナ。あ、クララ先生もね。

 因みにシュリはお留守番。

 水着にするのは危険だし、日焼けさせない為だとさ。


「ねえねえ、コー可愛い?」


「可愛いよカナ。もっとよく見せて」


 嬉しそうに水着姿でくるくる回るカナ。綺麗だ、眩しくてどきどきするわ! ◯◯まで全て見せあってる仲だけど、水着姿ってまた格別だな! カナはやっぱり俺の女神だ。

 いやあ、本物の女神アマンダより綺麗だ!あいつは真性のつるぺただし。カナよ、女神アマンダに勝ってるぞ。


 クララ先生は流石にくるくるはしていない。まだ恥ずかしがっているし、先生だしな。

 よく見ればカナとクララ先生は体型が全く一緒。身長に3サイズに顔の大きさも殆んど一緒。


 あと、アシスタントの娘二人も水着で来てます、はい。(どうでもいい)


「じゃ、準備して始めましょう」


 リン社長の指示にアシスタントの娘二人が仮設コースのスタート地点に寝る。二人が目指すは後方25メートル地点の旗ひとつ。


「レディ ゴー!」


 リン社長のスタート合図で起きて走り出す二人。1人は豊満な娘で走る度にぶるんぶるんしてる、すげえ。もう1人はしゅっとしてる、胸がしゅっと。

 無事テスト終了。





「うーむ、もっと距離伸ばした方がいいのかな?」


 対戦終わったあとの感想。リン社長は距離を伸ばしたいらしい。二人の競争はあっという間に終わったともいえる。物足りないと感じているようだ。



「ええ?これでも結構キツイですよ」


「そうねえ。でも、司会が喋る時間が出来るくらいの距離が欲しいわ」


「でもただ長くなっただけだとつまらないですよ?」


「なら、砂の山を途中に作って登らせようかしら?」


「げ!」


「それともゴールを砂山の上にしようかしら。観客からよく見えるし」


「ええ・・」


 辛そうな提案を次々と考え付くリン社長に絶望するアシスタントさん。(貧)

 どっちが勝ったんだっけ?忘れた。

 リン社長、自分が走らないもんだからお気楽に提案するが、当日も走るであろうアシスタントさんはひきつっている。


「山作ったら、視界が遮られますよ?」


 必死に反論を展開するアシスタントさん。(巨)


「そうねえ、もうちょっと考えましょう。では、今のやり方でもう一度」


 今度はカナとクララ先生がスタート地点に向かう。


 この間の面接の時にクララ先生は、過去に水泳してて現在はサッカーしてると言っていたけれど、今さっき雑談したらテニスと短距離も学生時代にしてたらしい。テニスって、なんだよ? 網を使う謎の運動。

 よくわからないが、運動は得意ということだな。


「コー!勝ったらご褒美ね!」


 俺に向かってぶんぶん手を振るカナ。

 ご褒美って、何がいいの?

 てか、相手はただ者じゃ無いぞ。自分が強いのに強くないと言うタイプだぞ。

 てか、カナってこんな娘だったっけ? 初めて会ったときは真面目で静かそうな見た目だったのに。(真面目とは言ってない)




 時間だ。スタート地点にうつ伏すカナとクララ先生。

 スタート係のリン社長が立つ。



「レディ・・・・ゴ!」



 ばっ!

 引いた膝を軸に身体を回し、鍛えぬいた脚で強烈な蹴りをみせるクララ先生!

 鍛えぬいた筋肉は揺れるなんて無い! 無駄が無い戦闘モード全開のフォームで最高の走りをするクララ先生!








 を、大差でカナが下した。






 唖然とするクララ先生。

 よく分かってないその他の方々。


 うん、クララ先生速かったよ。

 男子相手でも勝つよ。

 スタート処理もフォームも完璧。アシスタントさん相手なら100回やって100回勝てるよ。


 だけどカナが凄すぎた。


 カナは両腕だけで身体を跳ね上げ進行方向への前傾姿勢まで持ち込み、あとはとんでもないスピードで駆けきった。簡単に言えば筋力で押し切った!





「勇者の加護だなあ」


 俺のせいか。


 きゃあきゃあ喜ぶカナ。



 踵落とし何度も食らってた俺はカナの脚力の上昇をひしひしと体感してた。

 前にシュリの魅惑をはねのけたのといい、完全に勇者の加護だな。まあ、勇者というか能力者の加護つーか。しっかし、ここまで速いとは。

 昨夜もしつこいくらい加護を吸い取られたしなー。




「嘘・・私が負けるなんて・・」


 ゼイゼイしてるクララ先生。負けを信じられないようだ。自慢こそしてなかったけど、勝つ自信があったんだろう。まさかあんな大差で負けるなんて。


「カナさん、あなた一体?」


 クララ先生がカナに向かう。カナでなく俺が答える。


「あーー、俺のせいだ、

 先生。カナは勇者の加護を受けているんだ。先生は凄いよ、カナが特別なんだ。だから、カナは企画には参加させられないんだ」


「勇者の加護?それって・・」


「あー察してくれ。まーアレだ」


 途端にカナが俺にぴったり横から抱きつく。気持ちいいからヤメテ。起きちゃう! 今薄着で股間分かりやすいから。


 いくつもの感情がこもったジト目で俺達を睨むクララ先生。勝負で負けた上にカナに勇者という恋人がいることで打ちのめされたクララ先生。確かクララ先生はお一人様。ごめん。


 そして、




「探したぞ」



 げ、この声!


 声の主はカリーナ博士だった。後ろには鞄持ちのルフィ。

 いや、こーいうときは絶対現れるよな博士。今日は白衣。また勝負に割り込んできて何かやらかすの?



「面白そうだな。勝負してやる」


 やっぱりだよ。


 博士とカナが睨み合う。

 強い筈なのに脇役になったクララ先生がまるで背景の置物。


「カリーナ博士、今日は何故?」


「ああ、忠告というか釘を刺しに来たんだ。勇者よ、シュリと寝るなよ。恐ろしい事になるからな」


「寝ません!」


 と、カナが言った。


「ならいい」


 あら、俺の意思は?

 でも寝ちゃダメですよねーーそうですよねーー

 実際、シュリに勇者の加護がついたらどうなるか分からん。身体能力が変わるのか、或いは、あの恐怖の魅惑が暴走するのか。

 うん、しない。

 ちょっぴり後ろ髪引かれるけど。


「コウさん、カナさんを悲しませたらダメですよ」


「やだなあ社長。ないですよ。ははは」



「浮気したら殺すからね」



「おおっ! しないしない!」

 カナが恐ろしい目付きで俺の顔を見上げる。うん、浮気ダメゼッタイ!



「さてと」


 博士が服を堂々と脱ぎ出した!

 鞄からなんかの衣類を取り出すルフィ。

 シーズン前で人気がないと言ってもこんな砂浜で脱ぐってアンタ!

 途端にカナが俺の肩に飛び乗って俺の目を手で塞ぐ。

 首にカナの脚の感触。

 いや、博士の身体に興味無いから。信じて! でも博士セクシーなんだよなあ。



 再び視界が戻るとこの間の黒いぴたぴたスーツの博士。足跡からしてそこで着替えたの? カナが俺の目をふさいだということはすっぽんぽんになったの? よその人見てなかった?

 博士ってば、ホントーに痴女!






 なんやかんやでスタート地点に立つカナと博士。今回カナは敵意丸出しだ。

 博士をじっと見る。今回あの手袋は・・無い。それに裸足だな。よもやスーツに何か・・・・分からねえ。



 スタート地点でうつ伏せる二人。



 そういえば博士は腕相撲の時に超人ルフィに途中までイカサマ無しで戦ってなかったか?



 社長がまたスタート係。


「始める」


 博士が不気味。

 集中するカナ。



「レディ・・・・ゴ!」



 さっきのように強引に立つカナ。膝を軸に反転する博士。

 走りだしは互角!

 遅いと思われた博士の旋回だが一歩目の蹴りで互角になった!

 並びながら旗に向かって加速する二人! うそー!! 博士がカナと互角に走ってるーー!




 そして、僅かに、僅かに、








 カナのスピードが勝った。

 勝負は数センチの差で決した!

 最後はもう本当にどうなるか分からないくらいの差で、両者スライディングでの旗の奪い合い!






「やるじゃないか、娘」



 ゴール直後に砂に転がり旗を掴んだまま全身で息をするカナ。手を伸ばす博士。


「ヤバかった・・」


「お前の勝ちだ」


 カナを讃える博士。博士に起こされるカナ。


 今回は恐ろしい火を噴く道具はつかっていない。

 そのぴったりスーツに秘密が?

 いまのカナと互角に走る博士は一体?

 当たり前だけど俺は博士と寝てないし、夜這いされたことも無い筈。





 やっぱり博士が魔王じゃね?

博士が宇宙行けばいいんじゃね?

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