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腕相撲・・・・だよな?

 一体これはなんなんだ!

 イカサマなんてレベルじゃ無い!




 ーーーーーーーー




 謎の覆面女 対 緑の超人



 ステージ上の対戦台で手を組み合い構える二人。

 まさかの女性挑戦者に盛り上がる会場。



「レディーーーー ゴッ!」


 シュリではなく、スタート役のアシスタントの娘の号令。直後鳴り響く大太鼓達の連打!


 どんどんどんどん!

 どんどんどんどん!

 どんどんどんどん!


 盛り上がる会場!

 観客の歓声!


 開始直後少し超人が押した。超人有利かと見えたがそこで止まって進まない!


「おおっと!超人が押している!だが覆面挑戦者も持ちこたえる!」


 ステージ下には超人ファンと逆転劇を見たい観客が双方に応援とヤジを飛ばす!


「おおっと、超人が更に押し込んだー!」


「おおおおおおっ!」

 超人が叫ぶ!


 中年女性が超人と互角に対戦したがここまでか?普通なら一瞬でカタがつく筈なのに受け止めてるだけでも凄い。


 その時覆面女の嵌めていた手袋からゴツい何かが、がしゃんがしゃんと生えてきた!そして、


 きいいいいいいいいいーーーん!と、高周波の音を鳴り響かせた! そしてそのキンキン音が消え、


 ぼっ!ぼぼっ!ぼぼっ!・・・・

 ごごごぉーーーーーーー!


 手袋が後ろに火を噴いた!

 こんなんありかーーーー!


 直後、押し始める覆面女!

 噴き出す炎が覆面女を後押しする!

 どーみてもイカサマ! 不思議な機械の力で超人に逆転する! だが耐える超人!

 更に上がる火力、ごおおおおっと轟音出しながら伸びる炎!

 苦しむ超人!



 カンカンカンカンカン!


「し、勝利者カリーナ!」


 カオス発生!


 ステージ下では逆転劇で興奮するやつ、あんなんありか!と怒るやつ。女性だからと擁護するやつ、未知の機械に興奮するやつ、手袋無しで最戦しろ!と喚くやつの怒号が飛び交う。

 一方ステージ上ではシュリやアシスタントやスタッフが集まって、あーだこーだと話している。


 うわあ、どうすんだこれ?

 大会イベントめちゃくちゃになって失敗するのか?

 イベントって、終わり方が重要じゃね?


 ここで覆面女がマイクを取った。


「私の勝ちだ。手袋してはいけないとはルールで禁止してないからな!」


「と、言うことですが、ええっと・・」


 困るアシスタント。


 いやいや、手袋なんてもんじゃないじゃん!

 あんたその解釈、いや、言い訳は無理がある!

 ステージ下もそういうヤジが飛び交っている。全体的には覆面女の敵が多いな。


 ここで俺がやることは、不正を弾劾することじゃない。



 勝つことだ。




「コー・・」


 心配そうに俺を見つめるカナ。心配するな、所詮は腕相撲、死にはしない。



「出番だ」


 マイクを俺に渡すリン社長。リン社長の言ってたのはこれか。リン社長は勝てよと言っていたな。つまり勝てるかどうかは分からないと言うことか。やってやろう!勇者の力を見せてやろう!



「みんな聞いてくれ!」


 俺の声がマイクを通して会場に鳴り響く。

 会場の全員が俺に注目する。俺の声っていい声じゃね?

 静まりきる会場。

 注目されてるわ俺。


「挑戦者よ、受けて立とう!」


 うおおおおおおおおおおお!

 うおおおおおおおおおおお!

 うおおおおおおおおおおお!


 沸き上がる会場!

 ステージ下の観客が笑顔だ! いや、まだ対戦してないからな!

 しっかし、これ気持ちいいわ!高いところで注目されるって最高だわ。今日シュリがノリノリな訳だわ。



 テーブルを挟み向き合う。


「初戦が敗北とは哀れな奴だ」


「生憎おれは無敵だ」


「残念だが私が勝つ。天才だからな」


「そのおもちゃは丁度いいハンデだ」


 やっと思い出した。

 この中年女、博士か。

 その手袋はロケットのミニチュアだな。

 痴女みたいな格好しやがって。見せたがりだったのか。ポッチリが浮き出てるじゃねーか、恥ずかしくないのか?いや待て、博士って若い頃はすごかったんじゃね?もっとサイズ上だったろうし。いや、今でも腰や足も良い形してる。顔を隠してるし喋らなければ中年だとわからないぞ?

 そういや、リン社長も中々のスタイルだ。

 女として見れるかと言ったら見れる!夜、誘われたらいっちゃう?

 いやいや、俺にはカナがいるからそれはないけど、などと考えていたら、対戦時間だ。


 テーブルに肘をおろし手を組む。組んだ拳を見るとその向こうにたゆんたゆんとしたモノが。いかん、集中力が! まさかこれも博士の作戦か? カナは視界には居ない。痴女の胸ガン見してたのはバレてないな、ならいい。あ、シュリが見てた!頼む、カナには黙っててくれ! いや、自然に視界に入るんだからオッケーじゃね? 無罪だよな俺。


「勝ったら好きにしていいぞ」


 だああああああ!

 博士、そう言うことを言っちゃダメだって! シュリが聞いてた! あ、シュリがリン社長にチクってる! カナには言わないで! あ、歩くなシュリ! どこに行く気だ!



 すぱあぁぁぁぁん!


 頭に痛みが!

 向くと修羅の顔のカナ・・

 観客が見てるのに・・・・


「勇者が台無しだな」


「あんたのせいだよっ!」




「そろそろ始めてくれ」

「シュリ、早くしてくれ」


「では開始します」


 博士の手袋ががしゃんがしゃんと変形して、きいいいいいいいいいーんと唸る!たまに、ぼっ、ぼっ、ってなる。

 博士は直ぐにカマす気か!

 未知の対戦を前に会場中が盛り上がってる!



「レディーーーー」


 全神経集中!

 きっと敵はイキナリ来る!

 俺も全力だ。



「ゴッ!」


 ど お ぉ ー ん !!



 博士の手袋が爆音を吐く!

 バックで大太鼓が打ち鳴らせれる!一斉に叫ぶ観客!

 シュリがマイクで叫んでいるが聞こえない!

 なにより博士の手袋がうるさい!


  ごおおおおーーっ!


 なんだこのパワーは!振動は!

 だが負けん!緑の超人はやられたが俺は負けん!

 膠着状態から少しづつ押し込む!俺は無敵だ!

 いける!

 勇者舐めんな!


 その時博士の手袋からもう2つ、がしゃがしゃと生えた。マジかー!

 ごーーっ、て唸るミニロケットの左右に追加ロケット!

 きいいいいいいいいいー、ぼっ、ぼぼっ!

 どどどーーーーっ!


 ウソだろー!

 3台とかありかー!

 顔が熱い!熱いって!

 押すなああああああ!

 ヤバいいいいいいい!




「勝ってコー!」



 轟音、歓声、太鼓でうるさいのにはっきり聞こえた。

 カナが見てる!

 俺のカナが見てる!

 カナの前で負けるわけにはいかん!


「おおおおおお!負けるかあ!」


 今年一番の本気炸裂!

 カナぁぁぁぁっ!


 だああああぁん!



「勝者、勇者コウ!」



 うおおおおおおおっ!

 うおおおおおおおっ!

 うおおおおおおおっ!


 会場の歓声が全て俺に向けられた!勝った!

 立って観客に向かって両手を挙げる!皆も俺に応える!最高だ!


「コー!」

 走ってきて嬉しそうに俺の首にぶら下がるカナ! 受け止める。

 シュリが観客に、ウェーブをさせている。嬉しそうに波を作る観客!

 博士は疲れて対戦台に寄りかかっている。台、炎の当たったとこ燃えて無くなってるけど。床も燃えてるけど。




 そして、祭りは絶頂のまま無事終わった。



おっぱい

シュリ>>博士>社長>>カナ


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