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東京モンスターバトル

 巨大なモンスターは凛子と凛音に対し、大きな咆哮を発した。


「うわっ‼くっ‼」


 凛音と凛子の後ろにいたトランプカードの団員は、方向に怯んで立ちすくんでしまった。だが、凛子と凛音は踏ん張り、咆哮を耐えていた。


「さぁ、今度はこっちの番よ‼」


「ええ」


 そう言うと、二人は同時に龍の力を解放した。その力を見たトランプカードの団員は、驚いていた。


「何だありゃ!?」


「あの子達は龍の巫女だ。普通の魔法使いとは違った別の魔力を持っている」


 湯出がトランプカードの団員の団員に近付き、こう説明した。


「さぁ、あのでかいモンスターは二人に任せて、俺達は戦いに巻き込まれてる人を助けよう」


「ああ。そうですね」


「俺達が入ったら、かえって邪魔になりそうだ」


 その後、湯出とトランプカードの団員は巻き込まれた人を、遠ざける作業に入った。湯出達が下がったのを確認した二人は、にやりと笑いあった。


「これで周りの事は気にせず戦えるわね」


「うん。この力、あまりにも強すぎるから……」


 その時、巨大モンスターの大きな腕が二人を襲った。腕は振り下ろされようとしたのだが、腕は二人に直撃しなかった。それもそのはず、龍のオーラがモンスターの攻撃を防いでいたからだ。


「あらあら。このオーラが偽物だと思いましたか?」


「これは、本物の龍だよ‼」


 二人の言葉の直後、凛子の龍のオーラが巨大モンスターの腕に噛みついた。そして、凛音の龍のオーラは巨大モンスターの首元まで接近した。


「さぁ、食事の時間よ」


 凛音がそう言うと、凛音の龍のオーラは巨大モンスターの首に噛みついた。このダメージだ大きいせいか、巨大モンスターは悲鳴を上げながら腕を振り回し始めた。


「そんなに暴れると、腕がとれちゃうよー」


 凛子の言葉の後、凛子の龍のオーラは巨大モンスターの腕を食いちぎった。モンスターは悲鳴を上げながら食いちぎられた腕を振り回した。


「全く、汚い血を周囲にぶちまけないでねー」


「汚いなー」


 凛子と凛音は同時に武器を構え、モンスターの腹に攻撃をした。腹を斬られたモンスターは悲鳴を上げ、残った腕で腹から流れる血を抑えた。


「これで攻撃は終わったと思った?」


「ざんねーん。とどめの一撃が終わってませーん」


 その後、二人は龍を操り、モンスターの近くに移動させた。


「うふ。一緒の事を考えてたみたいだね」


「だね。同時にやっちゃう?」


「うん」


 言葉の後、二人の龍の口元に魔力の塊が現れた。その魔力の塊は徐々に大きくなり、次第に大きな龍の口ほどの大きさになった。


「今だ‼」


「喰らいなさい‼」


 二人はその魔力を解き放ち、ビーム砲にしてモンスターに攻撃をした。そのビーム砲はモンスターを包み込み、東京の上空へ舞い上がった。しばらくしてビーム砲は消えたが、包み込まれたモンスターの姿も消えていた。


「さて」


「まだやる?」


 凛子と凛音の力を見た周りのモンスターは、悲鳴を上げて逃げようとしたのだが、近くで戦っていた翡翠の魔力に巻き込まれ、消滅した。




 ユアセルは驚いていた。翡翠の力は思っていたよりも成長していたの事を知ったからだ。


「ふぅ。何だか、周りの雑魚もやっちゃったみたいね」


 物凄い魔力を消費しているはずだが、本人はケロッとしている。


「翡翠、そんなに魔力を使って大丈夫かい?」


「ええ。何ともないわ」


 その時、二人と戦っていた鳥獣型モンスターが二人を襲った。


「全く、本当に懲りない奴ね‼」


 翡翠は龍の魔力を発した。姫乃が発した龍のオーラは、尻尾を振り回して鳥獣型モンスターに攻撃した。尻尾は鳥獣型モンスターに命中し、地面に叩きつけられた。


「翡翠、僕が行くよ‼」


 ユアセルは魔力を発し、手にした剣で鳥獣型モンスターを斬り刻んだ。


「手ごたえはあったけど……」


 ユアセルは攻撃した後、鳥獣型モンスターの行動を読み始めた。攻撃を喰らった鳥獣型モンスターにはユアセルの攻撃は効いてなかったが、翡翠の攻撃が急所に命中したのか、よろよろしていた。


「僕の攻撃は無駄だったみたい……」


「無駄じゃないわ」


 翡翠は察していた。ユアセルの攻撃により、鳥獣型モンスターの羽が落ち、体が見えているのだ。


「ほら見て、羽が落ちたせいであいつの体が見えてきた」


「本当だ。じゃあ、あそこに攻撃をすればダメージは通るのかな?」


「多分ね。とにかく‼やってみましょう‼」


 翡翠は龍を操り、巨大な爪で鳥獣型モンスターに攻撃をした。巨大な爪は鳥獣型モンスターの羽のせいでダメージはなかったが、この攻撃の衝撃で、羽が大量に抜け落ちた。


「今度こそ!」


 ユアセルは鳥獣型モンスターに接近し、もう一度剣で攻撃を仕掛けた。今度の攻撃は効いている。確実に奴にダメージを与え得ているとユアセルは感じていた。


「翡翠‼」


「ええ、止めは任せて‼」


 翡翠は龍を動かし、ユアセルが斬り刻んだ場所へ移動させた。


「さぁ、止めよ‼」


 龍の両手の爪は、鳥獣型モンスターに食い込んだ。そして、そのまま上空へ高く舞い上がった。そして、龍の口に近付け、炎を浴びせた。


「終わった?」


「ええ。たった今ね」


 上空を見上げながら、ユアセルは翡翠にこう聞いた。その時、黒い破片のような物が周囲に落ちてきた。


「……これ、どうする?」


「まぁ、風に溶けるでしょ。……やりすぎたかな……」


 翡翠は落ちてくる黒い破片を見て、反省したようにつぶやいた。




 その頃、アンブレラ内で下の様子を見ているマルコは、怒りのあまりモニターを叩いてしまった。


「まったくあのクソッたれ共が‼素晴らしいショーの邪魔をしやがって‼」


 叫びの後、何とか怒りを収めようと考え、大きく深呼吸を始めた。冷静になり、ある事を彼女は思いついた。


「そうだったそうだった。モンスター以外にもまだ方法はあったんだった」


 その後、マルコはひび割れたモニターの近くにある赤いボタンを押し、別のモニターで外の様子を確認した。


「さぁ、奴らの慌てふためく姿が目に浮かぶよ。ヒェッヒェッヒェッ……」


 下種な笑みを浮かべ、マルコはモニターを見始めた。


 戦いが終わった後、翡翠とユアセルは凛子と凛音と合流し、湯出の元へ向かった。


「湯出さん、周囲の人の避難は?」


「今終わった。トランプカードの人達が用意した車に乗って、結社に向かってる」


「はぁ、よかった……」


「俺達も行こう」


 その時、翡翠は何か魔力を感じた。


「何……この魔力……」


 上空を見上げると、アンブレラから砲台のような物が下から出てきており、そこに魔力が集まって来ていた。


「こりゃ……やな予感がする。皆、急いで車に乗るんだ‼」


 湯出の言葉の後、翡翠達は急いで湯出の車に乗った。全員乗ったことを確認した湯出は、急いで車を発進させた。

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