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モンスターパニック‼

 東京駅周辺。町の人達は突如上空に現れたアンブレラを見て、大騒ぎしていた。


「何だあれは!?」


「え、UFO!?マジで存在したんだ‼」


 誰もが足を止めて、スマホで写真を撮影していた。すでに駅周辺には、マスコミ関係が現場に到着し、ニュース番組のアナウンサーがカメラを回して撮影をしている。


 アンブレラ内にいるマルコは、モニターで下の様子を見ながら笑い声をあげていた。


「グヒヒヒヒヒヒヒヒ。いい具合に人が集まったねぇ」


 マルコはモニターの下のボタンを押した。その直後、アンブレラの下部が開き、そこからカプセルが落とされた。


「好き勝手に暴れなさい、我が子供達よ‼」


 突如落下したカプセルを見た人達は、大慌てで散開した。落下したカプセルは地面に激突し、周囲にカプセルのガラスが散乱した。


「何だ一体……」


「うえ、臭い」


 一度散開した人たちだったが、落下したカプセルの中を見ようとして、再びカプセルに集まった。


「ご覧ください、たった今、あの円盤から何かが降ってきました」


 と言いながら、テレビ局のアナウンサーも近付いてきた。


「すみません、失礼します」


 アナウンサーは割り込みながら、カプセルの所へ移動していた。そこにあったのは、犬のような物体だった。


「犬……でしょうか……」


「おいおっさん‼俺が先にいたんだぞ‼割り込みすんなよ‼」


 周りからの罵倒を聞き流しながら、アナウンサーはその物体を見つめていた。その時、犬のような物体は突如うなり声をあげ、アナウンサーに飛びかかった。


「え……うわっ‼」


 アナウンサーは後ろに倒れ、そこにいた人やカメラマンも巻き込まれて倒れてしまった。


「ちょっ……誰か!助けて‼ぐああああああああああ‼」


 噛まれながらアナウンサーは助けを求めたが、すでにカメラマンやスタッフはそこにはおらず、周りにいた人も逃げていた。


「そんな……あっ‼ぎゃあああああああああああ‼」


 アナウンサーは首元を噛まれてしまった。犬のような物体は、血しぶきを浴びながらアナウンサーを噛み続けた。


 先に逃げたスタッフは、大急ぎで駅の中に入って行った。だが、その行く手を阻むようにカプセルが落下した。


「うわっ‼」


 スタッフは落下したカプセルに命中し、下敷きになってしまった。後から来たカメラマンは、カプセルの下敷きになって死んでしまったスタッフを見て、悲鳴を出しながら駅内に逃げようとした。だが、その前に何者かが彼の体を掴んだ。


「え……空を飛んでる……」


 上を見ると、かなり大きい怪鳥が、カメラマンの肩を掴んで空を飛んでいたのだ。


「うわっ‼」


 何とか怪鳥から逃げようとするカメラマンだったが、怪鳥はカメラマンを離さずに空を飛び始めた。しばらくすると、カメラマンの目の前に東京タワーの先端が映った。


「嘘だろ……こんなに高く……」


 この言葉の直後、怪鳥はそれより高く上昇した。


「うわああああああああああああああああああああああああああああ‼」


 もう東京タワーより高い場所にいるだろう。そう思ったカメラマンは自分の無事を祈り始めた。


「助けてください、助けてください、助けてください……」


 そう呟いたカメラマンだったが、怪鳥は彼を離してしまった。


「え……あ……」


 カメラマンは絶叫することなく、落下していった。そして、下にあった東京タワーの先端部分が、彼の体を貫いた。




「ヒェッヒェッヒェッ。楽しいねぇ。もっと楽しくしよう」


 モニターに映る地獄絵図を見ながら、マルコはさらにモンスターが入ったカプセルを下に落としていった。モンスターが増えるたび、被害者は増えて行った。


「アーヒャッヒャ!こりゃいい、最高のショーだ‼私が作った子供達が大暴れ……プスス。もっと暴れるんだよ、子供達!」


 東京で繰り広げられる惨劇を見ながら、マルコは上機嫌でコーヒーを飲み始めた。


 東京では、鋭い爪を持った獣人が、周りの人を引き裂いていた。


「うわあああああああああ‼」


「ぎゃああああああああああ‼」


 獣人の爪により、腕や足、更には上半身と下半身が引き裂かれる人が獣人の周りに倒れていた。


「俺の足……俺の……足ィィィ……」


 一人の男性が、引き裂かれた両足を求めて地面を張っていた。その男性を見つけ、獣人は男性の首を突き刺して殺した。爪に刺さった男性を上に投げ、そのまま爪で男性の死体をバラバラにした。


「グフゥ……」


 獣人の頭上には、男性の血が雨のように降ってきた。その雨を浴び、獣人は満足気に声を出した。その時、後ろから強烈な炎が獣人を襲い、上半身を焼き尽くしてしまった。別の魔力の気配を察したのか、他のモンスター達は雄たけびを上げ始めた。その後、凛子と凛音の攻撃がモンスター達を襲った。


「どォォォォォォりやァァァァァァァァァァ‼」


 凛子の槍がモンスター達を吹き飛ばし、凛音のチェーンソーがモンスター達をバラバラにしていった。


「うふふ。自分より強い奴にやられる気分はどうですか?あ、もう死んでいるし、生きてても馬鹿なモンスターだから、私の言っていることが分かりませんか」


 凛音は足踏みにしているモンスターにこう言うと、チェーンソーを突き付けた。その後ろから、トランプカードの人達が援護でやって来た。


「あら、皆さん」


「俺達も戦う‼」


「マルコの女を絶対に許せねぇ‼」


「分かりました。では、周りの雑魚をお願いします」


 凛音は振り返ってこう言った。彼女の目の前には、周りのモンスターより大きなモンスターが立っていた。


「凛音ー‼」


 周りのモンスターを片付けた凛子が、凛音の元へやって来た。


「なんだか強そうな奴がいるじゃん」


「こいつは手ごわそうよ。二人でやっちゃおう」


 凛子と凛音は武器を構え、巨大なモンスターに襲い掛かった。




 上空では、龍の力を解放した翡翠が鳥型のモンスターと戦っていた。


「これだけ数が多いと、面倒だな……」


 下ではトランプカードの人達が、援護で戦ってくれている。しかし、彼らの援護があっても鳥型のモンスターの数は減らない。


 そんな時、カメラマンを殺したモンスターが駅に戻り、翡翠に襲い掛かった。


「おっと」


 翡翠は下に降り、モンスターの攻撃をかわした。


「なんだかデカい奴がいるな」


「あれだけでかいといい的になるな」


 トランプカードの人達はこう言ったが、翡翠は彼らにこう告げた。


「でかいけど、動きが速いわ。気を付けないと、あいつの餌になるわ」


 翡翠の言葉を聞き、トランプカードの人達の顔は青ざめた。その後、ユアセルが翡翠と合流した。


「翡翠、僕も一緒に戦うよ」


「ユアセル……今の私は昔と違うわよ。付いてこれる?」


「僕だって強くなった。大丈夫さ」


「ええ。分かったわ」


 その後、翡翠とユアセルの前に、鳥獣型モンスターが降り立った。

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