表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/85

再び奴らのアジトへ

 結社内の駐車場、急襲チームの三刃達が車に乗り込もうとしていた。


「じゃあ行ってくる」


 運転席側のドアの近くで立っている輝海が、湯出にこう言った。


「気を付けてください」


「結社は私達が守るから安心してね」


 と、湯出と翡翠がこう言った。三刃達が車に乗り込み、輝海は車のエンジンを付けて発射させた。


 車内にて。助手席に座っている三刃は輝海から貰った資料を読んでいた。その資料はこれから向かうトランプカードのアジトの事が書かれている。


「三刃君、私にも資料を見せて」


「いいよ」


 三刃は後ろにいる姫乃に資料を渡した。姫乃は服部達にも見れるように、広げて資料を見た。


「ふむ。奴らは廃ビルをアジトとして使っているのか」


「魔法を使えば電気や水、火はどうとでもなる」


「人目も付かないから、アジトにするにはうってつけってわけだな」


「しかし、用心しろよ。あいつらの事だ、この事を察しているかもしれないからな」


 服部達の会話に対し、運転しながら輝海がこう言った。


 結社から出発して数時間後、輝海が運転する車は山道を走っていた。道中、三刃は何かの気配を感じた。


「何かいます」


「ああ。アジトまであと数分ってところだしな。見張りがいてもおかしくねーな」


「どうするの、輝海さん?」


 姫乃がこう聞くと、輝海はにやりと笑ってこう答えた。


「強行突破だ‼」


 答えた後、輝海は思いっきりアクセルペダルを踏み込んだ。バックミラーからは、小さな光がこちらに向かって追ってきている姿が見えた。


「もしかしてパトカーか?輝海さん、警察に追われますよ」


「サイレンならしてーねだろ。あいつらはトランプカードの連中だ‼」


 その時、雷のような物が飛来してきた。


「ほうら、襲ってきた!」


 輝海は雷が飛んでくる場所を予想し、ハンドルを回した。


「ナイス回避!」


「いや、そうでもないようだ」


 服部は目の前を見てこう言った。そこには、武器のような物を持った人影が立っていた。人影は車が近付いてきた時、武器を構えて振り下ろそうとした。


「破壊する気か?させねーよ‼」


 光賀は窓を開け、光を発して人影に攻撃した。攻撃は命中し、人影は空高く吹き飛んだ。


「へっ、どんなもんだ‼」


「勝ち誇るな。その隙を狙われるぞ」


 と、海人が小さな声で光賀に伝えた。後ろには、トランプカードらしき車が走っていた。しかも、大量に。


「俺がやる。倒すまでにはいかないが、足止めにはなるだろう


 海人は懐から野球ボールほどの大きさの球体を出し、外に投げた。


「何だそれ?」


「ただの煙玉だ。視界を奪うには丁度いいだろう」


 その後、煙玉は破裂し、周囲に煙が発した。その結果、後を追ってきたトランプカードの車はその場で止まった。


「うし!先に行くぞ‼」


 輝海はアクセルペダルを踏み込み、猛スピードでアジトに向かった。




 トランプカードアジト内。ジョーカーはクイーンと共に頂上の部屋にいた。


「……結社が来たようだね」


「もう?」


「向こうは慌てているようだ。手っ取り早く僕達を倒したいがために」


「対策はあるの?」


 クイーンがこう聞くと、ジョーカーはうつむきながら答えた。


「信頼できるスペードとクローバーの兵士を見張りに付けた。そして、隠密行動ができる兵士は結社へ向かわした」


「今結社に総攻撃をかけるの?」


「ああ。マルコが指揮をとるって言ってた」


「あの女……」


 クイーンは苦虫を噛んだような顔をした。


「ジョーカー、マルコに任せていいの?あの女、何をしでかすか分からない女よ」


「僕も君と同じことを思っている。だけど、今は攻める時に指示を送る人物が欲しい。信頼できないけど、マルコはそれなりにできる人だ。彼女に頼るしかない」


「……もし、何かあったら?」


「その時は僕が処分する。向こうも下手な行動をすれば痛い目にあうことは分かっているはずだ」


 と、ジョーカーはこう言ってソファに座りなおした。クイーンは息を吐いた後、ジョーカーに近付いた。




 それから数分後、輝海達が乗る車はアジトの離れた所に到着した。


「あれがアジトですか?」


 三刃は目の前に見えるビルを見て、輝海にこう聞いた。


「ああ。あそこが奴らのアジトだ」


「ここから炎の魔法で攻撃します?」


 姫乃がこう言ったが、輝海は「やめとけ」と返事をした。


「確かにここからデカい魔法をぶちかましたいが、またリーダーに逃げられるかもしれない。ここは確実にリーダーを捕まえるために、直接中に入って戦おう」


「分かりました」


「輝海さん、指揮は任せました」


「この戦いを終わらそう」


 姫乃の返事の後、光賀と服部がこう言った。その時、三刃は持ってきたハンバーガーを食べていた。ハンバーガーを包んでいた包み紙を車のゴミ箱へ捨てた後、三刃は深呼吸をした。


「準備完了。いつでも行けます」


「うし!行くぞ皆‼」


 準備を終えた三刃達は、アジトへ向かって走って行った。


 アジト周辺、そこまで走って来た三刃達の上空から、何かが飛んできた。


「ドローンか?」


「何でこんな所に?」


 三刃と輝海がドローンを見ると、そのドローンは急にカメラを三刃達の方に向け、サイレンを鳴らした。


「チッ、警備用ドローンか‼」


 輝海が舌打ちをした後、ドローンについているマシンガンが三刃達に向かって発砲された。


「そらよ‼」


 光賀が前に立ち、光の盾で弾丸を防いだ。


「どうやら俺達の場所が知らされたみたいだな」


「どうする?」


 海人が輝海にこう聞くと、輝海はにやっと笑って返事をした。


「そりゃーもちろん、強行突破しかないだろ‼」


 返事後、武器を構えた三刃達は魔力を開放し、ドローンを破壊しながらアジトへ向かって走って行った。


「いいか皆‼ここから先、思う存分暴れまわってやれ‼しかし、敵は殺すなよ‼」


 輝海の声を聞き、三刃達ははいと返事をした。


 しばらく走っていると、三刃と姫乃の目の前に巨大なモンスターが現れた。そのモンスターは猪のようだが、角は3mほどの長さがあり、先はかなり尖っていた。


「こいつは僕がやる」


「私も手伝うわ。皆は先にアジトへ向かって‼」


 三刃と姫乃はその場で止まり、モンスターに向けて武器を構えた。


「頼んだぞ、二人とも‼」


「俺達は先に暴れてるからな‼」


「死ぬんじゃないぞ」


「また会おう」


 輝海達は三刃にこう言った後、アジトに向かって走って行った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ