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ジャックの襲来‼

 ジャックは数名の部下を連れ、とある場所に来ていた。そこは以前キングがザグボ達を奪還するために襲った店。表向きは普通の店だが、店の中には結社につながる道がある。キング達が店主を殺害したため、店は今、空き家になっている。


「キング様の情報だと、ここに結社へつながる道があるようです」


「よし、行くぞ」


 ジョーカーは魔法を使い、扉を壊して中に入った。部下もその後について行った。


「どこにあるんだ?」


「一般人に知られないよう、結社への扉は固く閉ざされていると聞いています」


「しかし、ジャベの奴がへまをやらかしたせいで、全世界の人が魔法の事を知ってしまったぞ」


「奴の失態はどうでもよい。今は仕事の事を考えろ」


 ジャックがこう言いながら、タンスを開けていた。その中には、金庫の様な扉があった。


「ビンゴ。キングの言うとおりだ」


 ジャックは扉を破壊し、部下にこう告げた。


「警報が鳴り響くと思う。いいか?結社の連中は皆殺しだ‼」


「分かりました」


「準備は出来ています」


「よし、行くぞ!」


 その後、ジャックは部下を引き連れて中へ入って行った。




「侵入者あり!侵入者あり!ただちに結社内にいる魔法使いは迎撃態勢になれ!」


「任務で外にいる連中にもこの事を伝えろ!近くにいる奴は用が済み次第、侵入者との戦闘に入れ!」


 結社内でサイレンと怒号が響いていた。服部達は静かにこの様子を見ていた。


「トランプカードの連中だな」


「仲間を取り戻しに来たんだろう」


 服部と海人が会話をする中、夕は少し緊張しているのか、体が震えていた。


「大丈夫か夕?」


 光賀が優しく夕の肩を叩き、こう聞いた。


「何とか……だけど、三刃君達がいないからちょっと不安……」


「……俺も不安だ。毎日おっかないモンスターと戦っているが、トランプカードの連中はそれよりもさらに凶暴だ」


「だが、お前達は以前よりも強くなっている」


 服部が二人の会話の中に入り、こう言った。夕は自分の手のひらを見つめ、覚悟を決めた。


「分かった。僕も戦う」


「とりあえず、様子を見よう。奴らがこっちに来たら戦うぞ」


「おう」


「了解!」


「はい」


 その後、服部達はしばらくこの様子を見ることにした。




 結社内に侵入したジャック達は、コラル達が捕らえられている牢屋を探していた。


「あいつらはどこにいるんですかね?」


「キング様は他に何か言っていたか?」


「牢屋の場所は分からない。ザグボ達を助けた時は魔力の探知を頼りにしたって言っていたな」


「その方法で探しましょう」


 会話後、彼らはコラル達の魔力を探知し始めた。数分後、部下の一人がこう言った。


「分かりました。ここから東です」


「よし、行くぞ」


 会話を終え、ジャック達はコラル達を探しに行こうとしたのだが、すでに結社の魔法使い達が周囲を取り囲んでいた。


「トランプカードめ、また結社を襲いに来たな!」


「仲間を解放すればひどい目に合わずに済むぞ」


「何を言うか!」


 結社の魔法使い達は、一斉に魔法を使って攻撃をした。


「リリック、バリアを張れるか?」


「分かりました」


 リリックと呼ばれた男は、魔法のバリアを張り、攻撃を防御した。


「バリアか……」


「バリアを壊せ!攻撃し続ければ壊れる!」


「悪いね、そんなんじゃ俺のバリアは壊れないよ」


 リリックは攻撃が収まった隙を見て、バリアを解き、反撃を始めた。


「相手は槍を使うぞ!」


「距離を取って戦え!」


「俺から離れようとしても無駄だよ」


 リリックから距離を取ろうとした結社の魔法使いだったが、リリックは魔法を結社の魔法使いに向けて放った。


「攻撃だ!」


「気を付けろ、防御しろ!」


 結社の魔法使いは防御をしたのだが、異常はなかった。


「何だったんだ?今のは?」


「大した攻撃ではない、行くぞ!」


「魔法を使うのは攻撃だけじゃないよ」


 リリックは左手を動かすと、結社の魔法使い達は一斉にリリックの方へ飛んで行った。


「何だこれ!?」


「強風で飛ばされているようだ!」


「何でこうなったかは、あの世で考えてね」


 手にした槍を振り回し、リリックは飛んできた結社の魔法使い達を攻撃し始めた。その攻撃で、何人かの魔法使いが命を落とした。


「おいボラント。次はお前の番だ」


「あいよ」


 ボラントと呼ばれた男は、両手に雷を発し、周りに攻撃を始めた。


「雷が来るぞ!」


「こんな攻撃、楽にかわせるぞ!」


 ボラントの雷攻撃は避けられてしまったが、この光景を見て彼はにやりと笑っていた。


「かわしたね。俺の攻撃は終わってないぜ」


「何ッ!?」


 この直後、避けられた雷は徐々に円の形となっていった。


「何だこれは!?」


「これが俺の必殺技だよ。喰らえば威力が分かるぜ!」


 円の形となった雷は、結社の魔法使い達の体を切断してしまった。


「クソッ‼あの雷を消すんだ!」


「隙もーらい」


 ジャックは結社の魔法使いに近付き、刃が付いたヌンチャクのようなもので首を切断した。別の結社の魔法使いが異変に気付き、振り返ろうとしたが、その前にジャックは攻撃を仕掛けていた。


「弱いよ、あんたら」


 戦いが始まって数分後、結社の魔法使い達は全滅した。リリックは武器をしまい、溜息を吐いた。


「なーんだ、コラルとジャベの野郎、こんな雑魚にやられたのか?」


「いや、結社にはこれ以上強い奴がいる。そいつらと遭遇しなければいいが……」


 ジャックはこう言うと、彼らは再び動き始めた。




 牢屋にいるコラルとジャベは、騒ぎ始めた結社の魔法使い達の動きを見て、にやりと笑っていた。


「助けが来たようだねぇ……」


「今更来ても遅いっつーの……おかげでこっちは傷だらけ、もう戦うことは出来ねーな……」


「俺の方が重傷だと思うよ。腕切られたもん」


「確かにな……つつ……」


 ジャベは痛みをこらえ、立ち上がった。


「さーて、俺らはどうなるかな?」


「俺が秘密ばらしたから、結局殺されるかもね」


「いざという時は逃げるに限る」


「体の痛みは耐えられるのかい?」


「ああ」


 ジャベはこう言うと、牢屋の外へ顔を向けた。


「俺達の運命、どうなるかな?」


「さぁ?」




 コラル達の牢屋へ向かっているジャック達だったが、向かう途中でリリックがこう聞いた。


「ジャックさん、もしコラル達が俺達のアジトをばらしたらどうします?」


「処分する。キング様もこの前、ザグボ達を処分したと言っていた」


 この返事を聞き、ボラントは溜息を吐いてこう言った。


「また仲間が減るんですか?」


「あんな殺人者を俺は仲間として見ていない。一部の連中があの女によって連れてこられたことを思い出せ。それに、この前騒ぎを起こしたザグボ達もあの女が連れてきた連中だろうが」


「……そうですね」


「あの女が来てから、この組織も変わってしまいましたからね」


「そうだな……」


 会話をしながら走っていると、目の前から手裏剣やクナイが飛んできた。


「避けろッ!」


 ジャックの声に合わせ、リリックとボラントは横に飛んで攻撃をかわした。その時、光と闇の波動が襲ってきた。


「光と闇だと!?」


「相殺してみます!」


 ボラントは雷を発し、光にぶつけたのだが、勢いに負けた雷はかき消されてしまった。


「そんな……」


 茫然とするボラントに、飛んできた光が命中した。ボラントは悲鳴を上げながら、後ろへ吹き飛んだ。


「ボラント!」


「リリック、後ろに気を付けろ‼」


 ジャックの声を聞き、リリックは後ろを振り向いた。だがその直後、飛んできた闇に命中した。


「グボッ‼」


 闇に命中し、リリックは吹き飛んだ。


「誰がこんなことを……」


「お前達、トランプカードの奴だな」


 服部達が目の前に現れ、ジャックにこう聞いた。


「貴様らがやったんだな……」


 ジャックは服部を睨み、こう言った。

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