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第6話 ‐輪廻の最果て‐ ~デビルズ・ベット・デッドリィ・フレンドシップ~


あの頃のオレは、家畜かちく以下だった。



平安のおり、生まれつき、両親にまったく似ず、

そのうえ、すさまじく不吉な、赤い瞳だったオレは、


実の家族にすらみ嫌われ、虐待ぎゃくたいの果て、

商品として売り払われた。


多くの好色家こうしょくかにむさぼられ、

天王てんおうの直系である貴族、今のみことである、

あかつきに高値で買われ、やっと、まともな食事にありつけた。


オレは、その記憶を失っていたが、

そもそも、命は、創世そうせいの魔王、空魔くうまの子孫、


須佐之男命すさのおのみことの直系であり、

記憶の改ざんと、輪廻りんねの微調整を得意としていた。


この力で、命は、オレから、暁の記憶を奪い、

自分に有利なように、物語を進めた。


現代の命に、いいように扱われたオレは、

やっと、記憶のすべてを取り戻した。



暁は、昔のオレをきっと愛していたのだろう。


当時のオレは、最期まで気づけなかったが、

その長くも短い生涯において、暁が愛したのは、

オレであり、実の姉、血闇ちやみのみだったのだと、今ならわかる。



そして、もうひとつの事実。


雷門は、炎雷えんらいは、オレの実の兄だった。


オレ達は、まるで似ておらず、

炎雷は生まれてから、一度も、オレに触れようとしなかった。


炎雷は、だが、きっといていたのだろう。


現世で、オレの言うことを何でも聞き、

奴隷どれい家来けらいにすら、なろうとするその姿は、

前世の懺悔ざんげと、つぐないのあかしに、

思えてならなかった。


気づけばオレは、雷門のことを、ただの家来でもなく、相棒でもなく、

オレの実の兄として、好きになっていた。


たとえ、現世げんせでは、赤の他人だったしても。


あの時代ですら、きずななどはじめから、存在しなかったのだから。


だから、オレは、雷門をしたい、心から信頼を預けるようになった。


今のオレは、誰よりも雷門を、隣に置きたくて仕方ない。


この愛しい兄貴は、きっとオレのためなら、

そんな困難も、全力でぶち破ってくれるだろうから。



そして今、オレは、史上最大の困難を前にしている。


目の前に立ちふさがる者は、オレの最大の味方であり、

唯一の理解者であった存在だった。


オレは舌打ちをして、地面をぐっと踏みしめた。




オレはとうに狂っていたし、壊れてもいた。


はじめて千夜を看取みとったひから、

オレは廃棄物<ジャンク>であり、愛欲の囚人<ジャンキー>だった。


はじめてこの手で、千夜を殺めたあの日、

オレのなかに、記憶の洪水こうずいがなだれこんだ。


何度もやり直し、千夜の死に直面するたび、

オレは徐々(じょじょ)に、昔の記憶を取り戻していった。


今にも、おかしくなりそうな狂気のなか、理性へと繋ぎ止める、

抑止力<ブレーカー>となってくれたのは、あいつだった。


施設で孤立していたオレに、あいつだけはいつも優しかった。



――はじめて、オレ達が出会ったのは、あの嵐の日だった。


冷たく乾いた、切れ長の瞳の奥に、オレは透明なしずくをみた。


暑いを通り越して、凍てついた砂漠のなかの泉<オアシス>。

それはまるで、死人の住まう廃墟はいきょの中の、木漏れ日。


それが、お前だった。


オレは、一瞬で、お前を好きになった。


気づいたら、そのほおれていた。


お前は、驚いた顔で、その手を振り払おうとした。


だが、自分が泣いていることに気づいて、

茫然ぼうぜんと涙をぬぐった。


オレは、お前を抱きしめた。


それは、両親を失ったオレがはじめて抱いた、まともなぬくもりだった。


冷えた体が、やわやわと、温度を取り戻していく。


オレの、普通よりも少し熱い体が、お前の凍えたからだを、

しんからあたため、命と希望の炎を灯した。


きづけばオレ達は、友情よりも深い絆で結ばれていた。


オレ達は、溶けだし、動き出した時間を惜しむかのように、

同じ時を共有し、やがては<共犯者>となった。



だが、オレはそんなお前を殺した。


目的のためには、仕方がなかった。


そう何度、繰り返しても、むなしさと後悔は消えなかった。



はじめてお前を殺した日、オレによみがえった記憶は、

お前の、双馬そうまのものだった。


双馬は、天王家の遠縁とおえんにあたる貴族で、


平安の世にとどろく、

退魔筋たいますじの、陰陽師おんみょうじだった。



双馬は、はじめて会った日、オレに触れ、口づけ、抱きしめた。


その意味は、当時のオレには理解できなかったが、


それは、愛に限りなく近い、独占欲どくせんよくと、

嗜虐心しぎゃくしんだったように思う。


双馬は、血闇ちやみと契り、はらませたオレを、

命の、あかつきの命により、殺そうとした。


オレは、己の首に刀が振り下ろされる前に、

舌を噛み切って自害じがいした。


その時の記憶から、わかったことがある。


双馬も、双子坂もまた、炎雷……雷門と同じように、悔いていたのだ。


双子坂は、裁かれたがっていた。


だから、どの世界線でも、オレが死ねと言えば、

ためらいなく死んだし、殺された。


だが、双子坂は、勝手な都合で、

自分の人生をめちゃくちゃにするオレを、けっして憎まなかった。



それどころか、いつの日も、さっさと殺せ、と甘く優しく、誘った。



オレが千夜に裁かれたがっているように、

雷門がオレに、すべてを捧げたいように、


双子坂も、きっと、オレのてのひらで終わりたかったのだろう。




――でも、オレは、もう、嫌なんだ。


……お前を、この手で眠らせるのは、

もう、吐き気がして、たまらないんだ。




――何度も何度も、悪夢をみた。


お前が、オレをくびり殺す、ナイフを突き立てる、

断崖絶壁だんがいぜっぺきに突き落とす、

車道しゃどうに突き飛ばす、その白昼夢はくちゅうむを。





……なのに、今、目の前に立ってるのは、そんなお前なんだ。




「――やあ、チカ。元気だったかい?」



双子坂が浮かべていたのは、

歪んだ仮面のような醜悪しゅうあくな笑みだった。


どこまでも美しく、おぞましく、

作り物のようなのに、なによりも生々しい微笑み。



オレは、寒気と吐き気で、倒れそうなからだを支え、

かろうじて平静へいせいたもった。


心臓がばくばくと暴れまわり、全身の血液が沸騰ふっとうし、

背筋にも、額にも、生暖かい脂汗が流れた。



「……双子坂。千夜には手を出すなって言ったよな?」



オレは震える声でそれだけ言った。


双子坂の背後にいたのは、しばられた千夜だった。



命の姿はない。


きっとはぐれたのだろう。


――考えうる最悪の事態じたいだ。


オレは生唾なまつばを飲みこみ、

目の前の裏切り者に、交渉こうしょうこころみた。




「ここに、お前が、こうしているってことは、

 ナズナを人質に取られたんだな」



「――どうかな」


双子坂は、首をかしげ、目をわずかにすぼめ、

酷薄こくはな冷笑を浮かべた。



オレは、そんな残酷なお前に、最後の通告つうこくを、言い渡す。


「……双子坂。わかっているとは思うが、

 千夜をどうにかするつもりなら、オレがお前を殺す。

 ――お前にその覚悟はあるか?」




「――その前に、決着をつけるよ」


双子坂が、次の言葉を発する前に、オレはえた。



「――雷門!!」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




あたしは、気が付くと、意識を失い、双子坂に縛り上げられていた。


開いたゲートの先、あたしと命は、嵐に飲みこまれた。



そして、目を覚ました時には、すべてが遅すぎたのだ。


今、チカと双子坂は、向かい合って、

信じられないことを、しようとしている。


あんなに、信じあっていたのに。友達なのに。

殺し合い、互いの命を終わらせようとしている。



「その前に、決着をつけるよ」



「――雷門!!」



双子坂がチカに手を伸ばし、チカが叫ぶ。


バイタルラウンド、と双子坂はつぶやいた。


チカが、膝をつく。


その体は小刻みに震え、チカの額から、汗がいくつも吹き出た。



「――くっっ……!」


「チカ、悪いことは言わない。降伏こうふくするんだ」



「――やなこった! ……雷門、やれるか!!」


「おう」


とうに姿を現していた雷門が、

ついに、臨戦態勢りんせんたいせいに入った。




滑稽こっけいだね。

 ご主人様の頼みとはいえ、君の力は僕には聞かない。

 大気を操る僕に、君のちゃちな風では、子どもだましにもならない」



「――試してみるか? “双子坂”」



テンペスト、と双子坂は言おうとしたのか。


しかし、次の瞬間、昏倒こんとうしたのは双子坂の方だった。



「……わりぃな。

 あんたの誤算ごさんは、冷静さを欠き、

 チカの力について、失念しつねんしていたことだ」



雷門は、あたしに向かって、説明するように独り言を言った。



「――霊体強化<ゴーストトランス>。

 俺の能力は今、風だけじゃない。チカのおかげで雷も操れる。


 言わば、人工的なスタンガンだな。

 あれだけぶちこめば、しばらく動けないだろう。


 やつが気を失っている間に、カタをつけるぞ」



雷門はそういうと、

双子坂の能力から解放され、ぐったりしたチカの体を起こした。


雷門にしなだれかかる体勢となったチカは、

わりぃ、といって、自力じりきで立ち上がった。



よろめきながら、ふらふらとチカは、双子坂の方へと歩いていった。


そして、自分より一回り以上、大きなその体を抱き締めると、

ごめんな、と一言呟いた。



「お前の大事なやつは、オレ達が守るから。

 ……お前は、どうか、眠っていてくれ」



そして、雷門に、双子坂の体を預けると、静かに立ち上がった。



「――行くぞ、雷門。ナズナを助けに行く」



そうして、あたしの拘束こうそくを、ナイフで解いた。



「あたしも……っ」


声を上げようとしたあたしに、チカの冷たい言葉が降った。



「お前は来るな」



「……はあ……っ?!」


思わず、耳を疑い、聞き返した。



「千夜。ナズナを助けたいのはわかる。

 だが、そのためにお前が、その身を危険にさらすなら、

 オレは、ナズナを、見捨てないとならない」



「そんな……」



「――悪い。

 お前は、鮫島さめじま雷早かみはやと合流しろ。

 これ以上オレの近くにいると、お前は確実に死ぬ」



チカは、なにかを思い出すように、ぶるりと震えた。




「千夜。頼む。お前だけは死ぬな。でないとオレは……」



「――チカ」



雷門の声にはっとしたかのように、チカは言葉を飲み込んだ。



「……そういうことだ。千夜、もう一度言う。

 今のお前に必要なのは、まず自分の身を守ることだ。

 それがナズナのためにもなる。だから今は、オレに従ってくれ」



「……チカ」



「――じゃあな」



チカは、それだけ言うと、駆け寄ってきた有姫ゆうきも乙女も、

あたしも誰一人振り返ることなく、立ち去った。


双子坂を背負った雷門が、なにか言いたげにこちらを振り返り、

こくりとうなずいた。


あたしは、茫然ぼうぜんとしたまま、ふたりを見送った。


チカ達は、まもなく見えなくなった。



有姫が、溜め息をついて、あたしの肩に手をやった。



「……あいつなりに、お前をまもろうとしているようだな。

 

 千夜、さびしいかもしれないが、

 これが最善さいぜんさくだ。

 

 お前は、あいつに殺される運命にある。

 ――遅かれ早かれ、こうなるさだめだったんだ」



「そんな……そんなの、勝手だろ……」



あたしは、肩を震わせ、行き場のない怒りと、荒れ狂う失望をかみ殺した。


乙女は、めずらしく空気を読んで、だまり込んでいる。



「……大丈夫だ。

 魔女を倒せば、運命はもとの流れに収束しゅうそくする。

 

 書き加えられたページを、もとの白紙はくしに戻し、

 歪んだ歯車はぐるまを修正すれば、

 やがて、チカはお前の手に戻ってくる。

 

 今、あたし達にできることは、あの悪女を、ひれ伏させることだ。

 

 ――行くぞ、千夜。時間がない。

 

 おそらく、この世界線が、最期さいごの一回だ。

 ここで、しくじれば、世界は闇に閉ざされ、

 約束された終末がやってくるだろう。

 

 女神・花蓮ちやと、魔王・空魔チカのどちらかが、

 本当に死ねば、この世界は、簡単に終わる。


 タイムリミットは、おそらくもうすぐだ。

 夜が明ける前に、すべて片付けるぞ、千夜」


有姫は、うつむいたまま動かない、あたしの手を取った。


「……千夜?」


「……許さねえ」


――チカ。


お前があたしから離れて行こうとするなら、あたしは、お前を取り戻す。


たとえ、嫌がられても、拒絶されても、かまわない。



――もう、もう嫌なんだ。……お前を失うのは。


あたしは、お前を手にするためなら、運命だって、書き換えてやる。



――この手で、魔女を倒す。


そして、新しい朝を、本当の朝を――……<永遠の夏>を、

お前とむかえるんだ。



……あたしは、もう、二度と、あきらめない。



「――わらわは、そなたを手にしてたもう」


その瞬間、あたしのくちびるからこぼれたのは、

あたしの声とは、明らかに違っていた。


有姫の瞳が見開かれ、そして、せられた。


「ああ。小夜さよ。お前こそが、あたしの自慢の妹だ」


そう言って、有姫は、あたしの手に口づけた。



「花蓮。貴女が望む世界を、私は取り戻します。

 私は――あたしは、お前の、剣だ。

 聖剣の番犬<セイント・ハウンド>、この有月が、お前を護ろう」



「あたしも、勝子<ヴィクトリー・プリンセス>として、お前を守るぜ。

 ――なっ! 姫」


「姫って言うんじゃねえ」


有姫は乙女を、デコピンすると、あたしに向き直った。


「――ご命令を。女王、あたし達は、お前に全面的にしたがう。

 ……お前の望みはなんだ?」



「……チカを追う。あいつをひとりにしておけねえ。

 雷門だけじゃ、力不足だ。気絶した双子坂というお荷物もいる。

 あたし達で、チカを守ろう。――そして、協力して魔女を倒すんだ」



「イエス・サー。了解だ。

 そうと決まれば、ヴァルハラレディースのターンだな。

 あいつらを呼び出し、こまとなってもらう」


有姫が、こくりとうなずき、謎の発言をした。


「ヴァルハラレディース? だってここには……」


あたし達だけだろ、というわたしの疑問に、乙女が自信満々にうなずいた。



「あたしらの愛しい妹たちは、いつだってここにいる。

 そう、姫の胎内なかにな」


「そういうことだ。さあ、開戦の角笛つのぶえを吹く時だ。

 乙女、あたしを、思いっきりなぐれ」



「――おう! 手加減しねーから、歯ぁ食いしばれよ!!」


言って、乙女はぶんぶんと拳を振り回した。


「なんっ……お前ら、何する気……」



「――どっっせええええいいい!!!!!」



女の渾身こんしんのアッパーが、姫のあごにヒットした。


姫はふらつき、ひざをついた。


――次の瞬間、あたしは我が目を疑った。


有姫のからだがぶれ、大量の有姫が、

その影からずれるように生まれ出た。


有姫のクローンは、次々に姿を変えた。


現れたのは、稲妻いなずまのマークの入った、

赤いバンダナをつけた女たち。


中高生とおぼしき、彼女たちこそ、雷早乙女の愛すべき妹<スール>達、

ヴァルハラレディースの一味いちみ


――不破ふわ不動ふどう不知火しらぬい

不死原ふじわら東雲しののめ神威かむい

神代かみしろ……。その他大勢の、

たけ戦乙女達いくさおとめたちだった。



七聖王しちせいおう壱番いちばん

 黒の竜王、不破ふわ御呼およびか」


はじめに口を開いたのは、黒曜石こくようせきのような黒髪を、

ショートカットにした、スレンダーな女だった。


「七聖王、弐番にばん

 翠の要塞ようさい不動ふどう見参けんざん

 姫様の、たてとなろう」


次に口を開いたのは、緑にもみえる黒髪のミディアムをるった、

見事みごとな筋肉美を、ほこる女だった。



「Ⅲ番、赤の天使、不知火しらぬい

 ――乙女ぇ、お菓子ちょーだい?」


次に、けらけらと笑いだして、ポーズを決めたのは、

赤く細いみつあみを、腰まで垂らした、赤と青のオッドアイの少女だった。


背はわりとあるが、見事な貧乳にんにゅうである。



「Ⅳ番、赤の悪魔、不死原ふじわら

 お姉ちゃんのおもりは、めんどくさいかなあ?」


その次の少女もまた、さっきの少女そっくりの顔立ちをしていた。


腰まである赤く細い三つ編みは、さっきのほうと違ってふたつ。

赤と黄金のオッドアイが、爛々(らんらん)と輝いている。


どうやら、ふたりは双子のようだ。



伍番ごばんあおの龍王、東雲しののめ

 不破ふわ様を、サポートしつかまつる」


五人目は、アッシュブルーの黒いストレートロングヘアに、

女らしく編みこみをいれている、


スレンダーだが、たわわな胸の女だった。

サファイヤのような瞳が、賢そうに輝いている。



陸番ろくばん、金の神虎、神威かむい

 不動ふどう様と共に姫を御守りするぜ」


六人目は、白髪に、金色のメッシュの編みこみのショートカットの、

誰かさん同じく、筋肉美の巨乳だった。


荘厳そうごんな金色の瞳を、いたずらっぽく輝かせ、

彼女は両手で、しこをんだ。



「ラスイチは、白の神蛇、神代かみしろちゃんだよう。

 僕に任せておけば、マジオールオッケー。

 しらしらと、ふじふじと一緒に、姫と遊ぶよう」



不知火しらぬい不死原ふじわらに向かって、

ウインクをした最後のひとりは、


地面につかんばかりの、白いポニーテールに、

うさぎのように赤い目、姫より更に小柄で華奢な美少年……。

いや、美少女だった。



『我ら、ヴァルハラレディース、この命に代えても、

 姫を御守おまもりし、摩耶まや様に仕えましょう』


彼女たちは、一列に並び、片膝かたひざをついた。




「よし! お前ら、このあたしに続けー!!」



気をよくした乙女は、女どもをぞろぞろとひきつれ、

意気揚々(いきようよう)と歩き出した。




……今、新しい朝がはじまろうとしている。



古より続いた夜が、今、その幕を開け、

絶望の物語を、塗り替えようとしている。


あたし達は、必ず、栄光をつかみ、

失われた夏を、未来を、取り戻すだろう。



――そこに、どんな残酷な犠牲ぎせいが、待っているとしても。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



“Devils”  ~デビルズ~


「悪魔,悪鬼,魔神 」(複数形)


(キリスト教では悪の権化または誘惑者とされる。

 通例 割れたひづめ,角,尾を持つとされている)


「魔王、サタン」「悪霊」「極悪人,人非人」

「がむしゃらな人; …の鬼 〔for〕」.


《米口語》「〈人を〉悩ます,いじめる; 虐待する」


“Bet” ~ベット~ 


「賭け、賭ける」「取るべき道[方策]」


「見当,意見」「信頼または信用がある」


「賭を、あるいは賭けているかのようにやり通す」


“Deadly” ~デッドリィ~


「致命的な,致死の,命取りの」

「死[死人]のような.まるで死んでいるかのようなさま」


「殺害[破壊]を意図している,生かしてはおけない」

「はなはだしい,まったくの,ひどい」


【神学】「〈罪悪が〉地獄に落ちるような」


「(疾患について)急速な経過とひどい影響を持つさま」


「死を引き起こす、あるいは死を引き起こす可能性がある」「死に至らせる手段」


「非常に有害な、有毒な」

「神の優美さまたは精神的な死の損失を含むさま」


“Friendship” ~フレンドシップ~


「友情,友愛.友情の絆」「交友関係,友の交わり,友好」

「友人(または友好的)であること」


“Devils Bet,Deadly Friendship”

~デビルズ・ベット・デッドリィ・フレンドシップ~


「悪魔の賭け、死んだ友情」

「極悪人の取るべき道、命取りの友愛」


「誘惑者の見当、殺したがりの友人」

「悩ましい意見、信用(信頼)をいじめる(虐待する)、死に至る友愛」




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