表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/133

『その名の秘密Ⅰ』 ~美しき夜の娘<千夜>編~

『ミッドナイト・ロストサマー』の主人公の名前に秘められた、真実の解説です。一部、重大なネタバレを含みます。


 ①千の名を持つ者たち


 連載中のミッドナイト・ロストサマーでは、主人公・千夜が「千の夜」の名を冠していて、チカは「千の夏」。千夜の母は千景(ちかげ)で、「千の影」ととることもできる。


 千夜とチカの名前が似ているのは、何か関係があるのか、それはブラフなのか……。

 話が進むにつれ、あきらかになるはず。



 続きから、重大なネタバレを含みます。


 ここまでのストーリーを未読の方は、お読みにならないことをおすすめします!








 ②*名前と運命*


 ミッドナイト主人公、「千夜」の名前の「千」は、「数えきれないほどたくさん」の意。


「数えきれないほどたくさんの夜」を繰り返し、「受け止められないほどたくさんの死」をみつめて、その歪な生を、看取ってきた千夜は、だからこそ、「今度こそ」、負けられない。



 少女は、繰り返す。〈失われた夏〉を。少女は、繰り返す。〈約束された裏切り〉を。


 だが、少女は……「千夜」は、もう悔やまない。

 運命が、何度でも、〈あの夏〉を奪い取っても。彼女はもう、二度と、諦めないと決めたのだ。



 巡り廻る運命の歯車の交差点で、出逢ってしまった、二人の運命の仔。


 〈夜〉と〈昼〉の狭間で、〈光〉と〈闇〉の狭間で、彼らは何を選択し、何を賭けるのか。


 〈真夜中の少女〉と、〈失われた夏〉。彼らは何度だって、繰り返す。


 裏切りの物語は、〈最後の一回〉を投げかける。

 絶望と慟哭の果てで、最後の一ページに描かれるのは――。




 ③~美しき夜の娘<ライラ>~



 第三章で、チカは千夜を、「美しき夜の娘」と呼び、命は四章の先のお話で、「僕の天使<ライラ>」「僕のエリス」と呼び、また、何も知らないはずの乙女と姫ですら、「女王<クイーン>」、「あたし達の救世主」と呼んだ。


 さて、その「ライラ」「エリス」とは何を意味した単語なのか?

 ここから、それをひも解いていきましょう。


 ①「ライラ」とは(ウィキペディアより)


 ・こと座 (Lyra)。


 ・エリス (準惑星) の旧通称 (Lila)。


 ・ライラ (天使) (לילה Lailah) -


  (ユダヤ教やキリスト教に伝わる、受胎を司る天使。魂の助産婦とされる。この世に生まれる前の幼児の魂を、母親の胎内へ導く役目を持ち、幼児の魂に将来(人生)のことを教えるが、この世へ誕生する瞬間にそれを忘れさせる)


 ・ライラ (Lyla、Lila、Lilah) は、アラブ語・英語などの女性名。

 アラブ語の「夜」(ليلى‎‎) に由来する。


 ・ライラ (Láilá、Laila) は、サーミ語・北欧語などの女性名。

 ヘルガ (Helga) のサーミ語形で、「聖なる」を意味する。



 *ヒント*


 〈クイーン・ライラ〉。〈美しき夜の女王〉。

 〈-真夜中の子どもたち-を孕む天使〉。〈-忘却の運命-の母〉。

 〈-聖なる織姫-の竪琴〉。〈別れの音色の-エウリディケ-〉。

 〈-運命の糸-を織る者〉。〈-真夏の鷲-を撃ち堕とす乙女〉。

 〈災い-エリス-を塗り替えるもの〉。〈彼の名は悪-エリス-ではない〉。



 ④*失われた夜*



 千夜の名は、文字どおり千の夜、つまり数えきれないほど多くの夜、という意味だけれど、この夜<night>には、「無知文盲の状態」、「失意」、「不安などの時」、という意味もあって、この、「無知(知らない)」、「盲目(見えない)」というのが、最大のポイント。


 いつ、いかなるときも、何も見えず、何も知らない千夜は、何度でも選択肢を間違え、途方もない失意と不安に襲われる。


 時には意図せずして、裏切り、裏切られる。


 そんな千夜がもし「誰か」を、ひいては世界を救えるとしたら、それは何も知らない彼女が、全てを知り、受け止めたその瞬間しかない。




 ⑤*RERL-NAME*


 これで、千と夏と夜の名を持つキャラクターは、


 千夜、千夏チカ

 千冬(チカの実母?)、千春(チカを育てた母。千冬の妹)、千秋(現時点では誰か不明)

 千景(千夜の血の繋がらない母)、朔夜(命)とだいたい揃ってきました。


 そして、収束していく世界の果て、円環を繋ぐのは……。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ