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『ミッドナイト・ロストサマー』 ~この100回目の夏を、「輝ける悪魔」と~  作者: 水森已愛
-アフターアポカリプス- 「“MS+ND”<ミッドサマー・ナイツドリーム>編」
124/133

 「野獣な狂犬とフリーダムなにゃんこ様」

ぷらいべったーで特別公開していた、スペシャル番外編です。


ガチだった前回に比べ、ライトというか、ただのギャグです!(笑)

ネタ重視の小説もどきです。


ひとり暮らしをしている雷門(健全な高校生男子)の家に、

突然、チカがやってきた!


しかも、泊めてくれとかいいやしやがった!


どうしてくれよう、このワガママにゃんこ様!!


見た目は美少女、中身はアレで、やりたい放題な、にゃんこ様相手に、

思春期の狂犬は、理性がもつのか!?


――さて、どうなる? 


(注・キスシーン、押し倒す表現あり)

「――なあ、今夜泊めて?」

「!!?」(それ、どういう意味だ!!??)



「――泊めろよ!!」


「――駄目だ!!」



「なんでだよ! ケチ!!」


「そういう問題じゃねえ!! 俺をなんだと思ってんだ!!」



「え? オレの犬?」


「…………(ひでえ……)」




「とにかく、勝手にあがるからな」


「さりげなくドアに足をはさむな。入るな。靴をそろえろ



「うるせー。お前はオレのかーちゃんかよ」


「犬の次はお袋かよ……なんでもアリだな」



「つうか、なんで俺の家を知ってる」


「双子坂に教えてもらった。

つうか、今お取込み中だから、雷門ち行けって、つまみ出された」



「あいつ……(こめかみに青筋)」




「へえ、意外と片付いてるんだな」


「当然だろ。必要なモノがみつからないと困る」



「へえ。メシも作れんの?」


「当たり前だろ。独り暮らしだからな」



「じゃあ、作って♪(超いい笑顔)」


「そうきたか……つうか、本気で居座る気か。正気かよ」



「なんか問題あるか?」


「おおありだ。食ったらすぐ買えろよ」



「泊めてくれねーの?」


「泊められるか!! てめえはもう少し自覚しろ!!」



「ふーん。まあいいけど、食ったらゲームしようぜ。

 負けた方が勝った奴のいうことなんでも聞くんだぜ」


「なんだそれ……」


(……はっ、これで追い出せる……!)




「乗った。ほえ面かくなよ」


「どっちが。オレ様の美技に酔わしてやるぜ」



「どのゲームがいいんだよ。マリカーと、テトリス」


俺は、ゲームのソフトをひっぱりだし、チカにみせた。



「は? ツイスター一択だろ?」


「は?!! ツイスターって、あれだろ……あの……」



「そう。絡み合って、くすぐりあって、先に声を出した方が負け」


「そんなゲームだったか!!? つうか、ダメだろそれ、いろいろと!!」


(俺の理性が崩壊する!!)



「なんだよ。やる前からギブアップかよ。

 じゃあオレの勝ちな。泊めろ(命令形)」


「わかった。俺の負けでいいから、やめてくれ」



「それ、お願いか?」


「ああ。全力でお願いだ。なんなら、土下座してもいい」



「――オレの足なめるか?」


「それは断る」


(なに要求してんだこいつ……やべえ。やばすぎる。そんなに襲われたいか)



「なんか目が座ってんだけど。寝不足か?」


「今夜なりそうだな。誰かのせいで」



「ふーん。かわいそうだな。そいつぶんなぐってやろうか?」


(お前だよ……)




*ごはんのあと*



「つうか、メシくったら眠くなった。フロ入るからタオルと着替えかせ」


「手ぶらかよ!! つうか、フロぐらい銭湯いってこい!!」



「ヤダ。金ねーもん。お前んちの、せめーフロで我慢してやるよ」


「なんで仕方なく入ってやる、的な状況なんだよ。お前立場わかってんのか」



「ご主人様の命令は絶対だろ?(小首をかしげる)」


「ひでえ……つうか、俺はやっぱりてめえの犬か下僕かよ……」



「あ、そうだ、ついでに背中流せよ」


「だが断る」



「なんだよ。いちいちケツの穴のちいせえ男だな?」


「…………(ブチ切れ寸前でこらえる)」


(こいつ……わざとか?)



「わかったよ。自分で流すから、早く着替えとタオルよこせ。今すぐ入りたい」


「ハイハイ……つうか、着替えなんてねえぞ」



「お前のシャツかなんかでいい」


「――ハア!?」


(彼シャツ?!!)



「それもねえのかよ。裸がいいならそうするけど」


「俺のシャツ着ろ。お願いだ」



「仕方ねーな。お前ってほんとめんどくせえ」


「…………(こめかみぴくぴくさせながらシャツとタオルを差し出す)」



「サンキュー。じゃあ、入ってくるから、のぞくなよ?」


「……のぞかねえよ……」


(こいつ、悪魔か。)




*おふろ上がり*



「いいフロだった! 雷門、お前もはいれよ」


「俺はシャワーでいい」



「なんで? そんなに冷めてねえよ?」

「いいったら、いい」


(こいつがつかった湯に入れるかよ……!!(悶絶))



「ふーん。つうか、結構たぶだぶだな。お前普段何食ってんの?」


「別に、てめーと変わんねえよ」


(彼シャツ……ぶかぶか……理性! 理性!! 理性!!!)



「あ。お前のにおいする(すんすん)」


「ぶちいっっ(理性のブチ切れる音)」



「ん?」

「チカ、てめえいいかげんにしろよ……」(窓際においつめる)


チカ、おいつめられてベッドに押し倒される。



「あんまりやんちゃすると、こういうことになるってぐらい、

 てめえにもわかるだろ?(手首をつかむ)」


「雷門……(眉をひそめる)」




「――プロレスごっこしてえのか?」


「――は??」



「そうか。お前も男子だもんな。運動不足だろ。

 オレがみっちりコーチしてやる。これでも、双子坂には全戦必勝……」


「いい加減にしろ。。(頭ぶん殴る)」




「いってえ……。いきなりなにすんだよ(頭をさする)」


「こっちのセリフだ。お前マジいい加減にしろ。そのうちマジで襲うからな」



「襲うの?」


「そこを繰り返すな。襲わねーよ」



「ならよかった」


「お前しだいだからな。ちょっとは自重しろよ。つうか、もっと危機感もて」



「360度隙のないオレに何を言う!!(どやあ)」


「隙だらけの間違いだろ!! 

 つうか、ありすぎて誘ってんのかと思うからな!!?」



「ハア? 誘うって?」


「そこからかよ……これだからガキは……。お子様はもう寝ろよ」



「わかったよ。オレも眠い。なあ、ベッド貸して?」


居候いそうろうが、なにベッド占拠せんきょしようとしてんだよ。

 てめえは床だ」



「はあ? オレを床で寝かす気かよ! お前が床で寝ろよ!」


「お前、本当いい加減にしろよ!!? 

 すげえ態度のでけえお姫さまだな!??」



「わかった。特別に、オレの横で寝かせてやるから、はしっこ寄れよ。

 お前デカイから邪魔」



「とりあえず、そこに座れ。

 たっぷりお説教してやんねえと、わかんねえようだな?」



「やなこった!! 早く寝ようぜ、いいかげん眠い!!」


「だから、堂々と俺のベッドに寝そべるな!! てめえは床だ!!」



「だから、お前も寝ていいっつったろ……早く来いよ」


「お断りだ。俺が床で寝るから、お前はさっさと寝ろ」



「ちっ、いい抱き枕がいると思ったのに……」


(こいつ、俺を抱きしめて寝る気だったのか……。

 誘いにそらなくてマジよかった。

 確実に不眠コースか、理性崩壊コースだった)



「おい、チカ、電気……」


「すー、すー……」



「マジかよ。もう寝てやがる……」


俺は、ふとんもかけず、あられもないかっこうで、

寝そべるチカにふとんをかけてやった。


(おとなしくしてると、かわいいんだけどな)


チカの長いまつげや、しなだれかかるように肩におちる、なめらかな黒髪、

上気して赤いふっくらとした唇に、ふと目線がすいよせられる。



(やべえ、なに考えてんだ俺)



「ん……」


チカが、オレの服の端をつかんだ。



「……らいもん……」


「!!?」



「メシ……おかわり……」


「そっちかよ……」


脱力した俺は、あどけない寝顔をさらしたチカの頬をなで、

その額にくちづけた。


「ぐっすり寝ろよ」



そして、もそもそと床に寝そべった。


翌日。


寝ぼけたチカが、俺のふとんにもぐりこんでおり、

俺が悲鳴をあげたのは、言うまでもない。




(めでたしめで……たくねえよ!!!!(ブチギレ))


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