「野獣な狂犬とフリーダムなにゃんこ様」
ぷらいべったーで特別公開していた、スペシャル番外編です。
ガチだった前回に比べ、ライトというか、ただのギャグです!(笑)
ネタ重視の小説もどきです。
ひとり暮らしをしている雷門(健全な高校生男子)の家に、
突然、チカがやってきた!
しかも、泊めてくれとかいいやしやがった!
どうしてくれよう、このワガママにゃんこ様!!
見た目は美少女、中身はアレで、やりたい放題な、にゃんこ様相手に、
思春期の狂犬は、理性がもつのか!?
――さて、どうなる?
(注・キスシーン、押し倒す表現あり)
「――なあ、今夜泊めて?」
「!!?」(それ、どういう意味だ!!??)
「――泊めろよ!!」
「――駄目だ!!」
「なんでだよ! ケチ!!」
「そういう問題じゃねえ!! 俺をなんだと思ってんだ!!」
「え? オレの犬?」
「…………(ひでえ……)」
「とにかく、勝手にあがるからな」
「さりげなくドアに足をはさむな。入るな。靴をそろえろ
「うるせー。お前はオレのかーちゃんかよ」
「犬の次はお袋かよ……なんでもアリだな」
「つうか、なんで俺の家を知ってる」
「双子坂に教えてもらった。
つうか、今お取込み中だから、雷門ち行けって、つまみ出された」
「あいつ……(こめかみに青筋)」
「へえ、意外と片付いてるんだな」
「当然だろ。必要なモノがみつからないと困る」
「へえ。メシも作れんの?」
「当たり前だろ。独り暮らしだからな」
「じゃあ、作って♪(超いい笑顔)」
「そうきたか……つうか、本気で居座る気か。正気かよ」
「なんか問題あるか?」
「おおありだ。食ったらすぐ買えろよ」
「泊めてくれねーの?」
「泊められるか!! てめえはもう少し自覚しろ!!」
「ふーん。まあいいけど、食ったらゲームしようぜ。
負けた方が勝った奴のいうことなんでも聞くんだぜ」
「なんだそれ……」
(……はっ、これで追い出せる……!)
「乗った。ほえ面かくなよ」
「どっちが。オレ様の美技に酔わしてやるぜ」
「どのゲームがいいんだよ。マリカーと、テトリス」
俺は、ゲームのソフトをひっぱりだし、チカにみせた。
「は? ツイスター一択だろ?」
「は?!! ツイスターって、あれだろ……あの……」
「そう。絡み合って、くすぐりあって、先に声を出した方が負け」
「そんなゲームだったか!!? つうか、ダメだろそれ、いろいろと!!」
(俺の理性が崩壊する!!)
「なんだよ。やる前からギブアップかよ。
じゃあオレの勝ちな。泊めろ(命令形)」
「わかった。俺の負けでいいから、やめてくれ」
「それ、お願いか?」
「ああ。全力でお願いだ。なんなら、土下座してもいい」
「――オレの足なめるか?」
「それは断る」
(なに要求してんだこいつ……やべえ。やばすぎる。そんなに襲われたいか)
「なんか目が座ってんだけど。寝不足か?」
「今夜なりそうだな。誰かのせいで」
「ふーん。かわいそうだな。そいつぶんなぐってやろうか?」
(お前だよ……)
*ごはんのあと*
「つうか、メシくったら眠くなった。フロ入るからタオルと着替えかせ」
「手ぶらかよ!! つうか、フロぐらい銭湯いってこい!!」
「ヤダ。金ねーもん。お前んちの、せめーフロで我慢してやるよ」
「なんで仕方なく入ってやる、的な状況なんだよ。お前立場わかってんのか」
「ご主人様の命令は絶対だろ?(小首をかしげる)」
「ひでえ……つうか、俺はやっぱりてめえの犬か下僕かよ……」
「あ、そうだ、ついでに背中流せよ」
「だが断る」
「なんだよ。いちいちケツの穴のちいせえ男だな?」
「…………(ブチ切れ寸前でこらえる)」
(こいつ……わざとか?)
「わかったよ。自分で流すから、早く着替えとタオルよこせ。今すぐ入りたい」
「ハイハイ……つうか、着替えなんてねえぞ」
「お前のシャツかなんかでいい」
「――ハア!?」
(彼シャツ?!!)
「それもねえのかよ。裸がいいならそうするけど」
「俺のシャツ着ろ。お願いだ」
「仕方ねーな。お前ってほんとめんどくせえ」
「…………(こめかみぴくぴくさせながらシャツとタオルを差し出す)」
「サンキュー。じゃあ、入ってくるから、のぞくなよ?」
「……のぞかねえよ……」
(こいつ、悪魔か。)
*おふろ上がり*
「いいフロだった! 雷門、お前もはいれよ」
「俺はシャワーでいい」
「なんで? そんなに冷めてねえよ?」
「いいったら、いい」
(こいつがつかった湯に入れるかよ……!!(悶絶))
「ふーん。つうか、結構たぶだぶだな。お前普段何食ってんの?」
「別に、てめーと変わんねえよ」
(彼シャツ……ぶかぶか……理性! 理性!! 理性!!!)
「あ。お前のにおいする(すんすん)」
「ぶちいっっ(理性のブチ切れる音)」
「ん?」
「チカ、てめえいいかげんにしろよ……」(窓際においつめる)
チカ、おいつめられてベッドに押し倒される。
「あんまりやんちゃすると、こういうことになるってぐらい、
てめえにもわかるだろ?(手首をつかむ)」
「雷門……(眉をひそめる)」
「――プロレスごっこしてえのか?」
「――は??」
「そうか。お前も男子だもんな。運動不足だろ。
オレがみっちりコーチしてやる。これでも、双子坂には全戦必勝……」
「いい加減にしろ。。(頭ぶん殴る)」
「いってえ……。いきなりなにすんだよ(頭をさする)」
「こっちのセリフだ。お前マジいい加減にしろ。そのうちマジで襲うからな」
「襲うの?」
「そこを繰り返すな。襲わねーよ」
「ならよかった」
「お前しだいだからな。ちょっとは自重しろよ。つうか、もっと危機感もて」
「360度隙のないオレに何を言う!!(どやあ)」
「隙だらけの間違いだろ!!
つうか、ありすぎて誘ってんのかと思うからな!!?」
「ハア? 誘うって?」
「そこからかよ……これだからガキは……。お子様はもう寝ろよ」
「わかったよ。オレも眠い。なあ、ベッド貸して?」
「居候が、なにベッド占拠しようとしてんだよ。
てめえは床だ」
「はあ? オレを床で寝かす気かよ! お前が床で寝ろよ!」
「お前、本当いい加減にしろよ!!?
すげえ態度のでけえお姫さまだな!??」
「わかった。特別に、オレの横で寝かせてやるから、はしっこ寄れよ。
お前デカイから邪魔」
「とりあえず、そこに座れ。
たっぷりお説教してやんねえと、わかんねえようだな?」
「やなこった!! 早く寝ようぜ、いいかげん眠い!!」
「だから、堂々と俺のベッドに寝そべるな!! てめえは床だ!!」
「だから、お前も寝ていいっつったろ……早く来いよ」
「お断りだ。俺が床で寝るから、お前はさっさと寝ろ」
「ちっ、いい抱き枕がいると思ったのに……」
(こいつ、俺を抱きしめて寝る気だったのか……。
誘いにそらなくてマジよかった。
確実に不眠コースか、理性崩壊コースだった)
「おい、チカ、電気……」
「すー、すー……」
「マジかよ。もう寝てやがる……」
俺は、ふとんもかけず、あられもないかっこうで、
寝そべるチカにふとんをかけてやった。
(おとなしくしてると、かわいいんだけどな)
チカの長いまつげや、しなだれかかるように肩におちる、なめらかな黒髪、
上気して赤いふっくらとした唇に、ふと目線がすいよせられる。
(やべえ、なに考えてんだ俺)
「ん……」
チカが、オレの服の端をつかんだ。
「……らいもん……」
「!!?」
「メシ……おかわり……」
「そっちかよ……」
脱力した俺は、あどけない寝顔をさらしたチカの頬をなで、
その額にくちづけた。
「ぐっすり寝ろよ」
そして、もそもそと床に寝そべった。
翌日。
寝ぼけたチカが、俺のふとんにもぐりこんでおり、
俺が悲鳴をあげたのは、言うまでもない。
(めでたしめで……たくねえよ!!!!(ブチギレ))




