二十四話 氷属性
ソラはある程度氷の魔法を使い満足すると家に帰った
家に帰るころにはエリイが食事を作り終わり、机に並べているところだった、ソラは荷物を片付け、手を洗うとエリイの手伝いをする、そのときエリイが食事を並べながらソラに視線を送る。
「いいですかソラ、あまり遅くなってはいけませんよ?ただでさえまだ体が完全に治っているわけじゃないんですから」
ソラは申し訳なさそうに頭を下げる
「…ごめんなさい、いろいろあって…」
新しく手に入れた魔法を使いこなすため時間をすっかり忘れていたのだ
エリイは溜息をつきながら食事を並べ終わるといすに座る
「むちゃばっかしてると本当に私がソラにどこにでもついていくようになりますよ?」
エリイの溜息をつきながらの冗談には聞こえないせりふにソラは苦笑いしながらエリイに続き椅子に座る。
「もうしないよ、本当にごめんなさい」
ソラが十分に反省しているとわかったのかエリイがニッコリと笑る
「わかればいいんです、それじゃあ…」
「「いただきます」」
食事をする中、ソラのスプーンをもつ手が止まる。
遅れることになってしまった原因、今日何があったかなどを話そうと思ったのだ。
「エリイ姉さん」
するとエリイも手を止めソラを見る、その顔には純粋な疑問の様子がみられる
「どうしたんですか?」
「うん、今日珍しい人にあったんだ」
めずらしい人?とエリイは首をかしげる、エリイとしては自分の知らない間に人と会っていたことが気になり、心配なのだ、それは心配性のエリイならしょうがないことなのかもしれない。
ソラは楽しそうに答える
「うん、シュリエ・アルシードっていう人にあったんだ」
「ぶっ」
ソラの口からさらっとでた名前にエリイは飲んでいた水を吹く
飛び散った水はソラの顔面にかかる、水をかけられたソラはいやそうな顔をしながらエリイに講義する。
「…エリイ姉さん、水かけないでよ」
だがエリイはそんなことどうでもいいと言わんばかりにソラの肩をつかみ揺さぶる。
「水なんてどうでもいいです!ほ、本当ですか!?そのシュリエ・アルシードって人にあったんですか!?」
「い、いたいいたい…あ、あったよ」
ソラが痛そうにエリイに答える、するとエリイはソラの肩から力を抜き、手を離す、そしてしばらく呆然としたような顔をしていた。
「……シュリエ・アルシード……ソラが……」
「え、えっと…エリイ姉さん?」
エリイはなにやら自分で確認を取るような言葉を呟き、自分の名前を呼ぶソラを見る、そして
「すごいです、ソラ!!」
ソラに抱きついた
「ハイエルフ様に会えるなんて!…あ、えっとあって何を話したんですか?…何かへんなことを言ったりしませんでしたか?」
エリイはソラの体をペタペタと触り、怪我がないか確かめる、そんな半分混乱しているようなエリイの様子にソラは苦笑いする。
ソラはエリイにまだいっていないことを思い出し、そちらも今報告することにした。
「大丈夫だよ、精霊を助けたらお礼を言われて魔法の特訓を手伝ってくれたんだ、そのおかげで氷属性の魔法が使えるようになったよ」
大丈夫だといい、事情を説明しながら衝撃の事実を口にするソラ
「あ、そうなんですか、ならよかっ……氷属性?」
納得しかけたエリイもソラの最後の氷属性という言葉に動きを止める
エリイにとっては、いや、先ほどまではソラにとっても聞いたことのない属性魔法だった。
「…ソラ、私の記憶どおりだと、氷属性なんてないと思うんだけど」
エリイがそういうのも無理はない、ソラも苦笑いしながら答える
「うん、でも本当に使えるようになったんだ……ほら」
そういいソラは席を立ち、手のひらのなかに氷の塊を作り出す、ソラの手から氷がでてきたことにエリイは目を見開き、口をぽかんと開けて驚いている
そして少したち、思考が元に戻ったのか驚きの声を上げ始める
「な!?氷属性!?……流石ですソラ!やはり精霊様に愛されているんですね!!さすが私の可愛い弟です!!」
なにやら姉馬鹿のようなことをいっているが、ソラは苦笑いしかできない
なんだか思っていた反応と違うので拍子抜けのソラ、エリイはただただ喜びながらはしゃいでいる。
だがソラは苦笑いから一転、少しいいにくそうな顔をしながら口を開く
「うん、だけど氷属性が使えるようになったのに水属性がつかえないの、なんでだろう?」
「心配ありません、今まで誰も発見できなかった氷属性を使えるんです!それだけでも十分です!」
ソラが氷属性を使えることがよほどうれしいのか、エリイのテンションはたかいままである。
「…ま、まあ、とりあえず…食べよ?」
まだ食事は終わっていないとソラは思い出し遠慮がちにエリイにいう
「はい!」
エリイはとてもいい笑顔でうなずいた。
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――――ギィイイイ
エリイの中からソラがでてくる、そしてソラの後に続いて小さなバッグを持ったエリイがついてくる。
「はいソラ、いいですか?緊張したときは深呼吸をするんですよ?あと忘れ物はないですか?確認しましたか?それから…」
必要以上に確認をしてくるエリイにソラは微笑みながら大丈夫だと手を振る
「大丈夫だよ、確認したし、緊張もしてないから、じゃあいってきます」
「がんばってきてくださいね~!」
ソラはアリスとミレイとの待ち合わせ場所にと歩いていく
今日は魔法学校の受験日なのだ
待ち合わせ場所に着くとすでにアリスとミレイがまっていた
周りには馬車が置いてあり伯爵家のものだろうと予想がつく、ソラは二人のもとに走っていく。
「おそいわよソラ!」
アリスがほほを膨らませながらソラに文句を言う
最近アリスはいつも怒っているんではないんだろうかと思い始めたソラ
「ごめんね?ちょっと準備にてまどっちゃって」
ソラの言葉にプイっと顔を横に向けてしまうアリス
「いよいよ今日が試験の日ですね…緊張します」
ミレイがなにやら落ち着かない様子で独り言のように呟く、ソラはそんなミレイを見て苦笑し、ミレイの頭をなでる。
「大丈夫だよ、今日まで必死に練習してきたんだから、自信もって」
「ふ、ふぇえ!?」
ミレイはソラに撫でられ顔を赤くする、余計に心臓の鼓動が早くなったミレイは慌てる。
「が、がんばります!!お、おおおお落ち着きました!!」
何をどう見たら落ち着いているように見えるのか疑問だったソラは苦笑いしかできない。
アリスは二人の様子に不機嫌そうな顔をし、先に馬車に乗り込む
「ちょっと二人とも!はやくいくのよ!」
半分怒鳴り声のようなアリスの声にソラとミレイは馬車に乗った
しばらく馬車の中に乗って移動していると学校が見えてくる
「アリス様、到着しました」
馬車を運転していた人がアリスに話しかける、アリスはお礼をいいソラとミレイをつれて馬車を降りる。
「へぇ…大きいね」
「そりゃそうよ、ここらへんじゃ一番の学校って母様がいってたもん」
何が一番なのかがソラはきになったが学力面と魔法面の両方でトップなんだろうと予想がつく。
「それじゃあいこっか」
ソラの言葉に続くように二人はソラのあとをついていく、周りを見てみるとソラと同じような子供が試験を受けるためにきていることに気づく。
「…いっぱいいます」
ミレイが試験を受ける子供の数を見て不安そうな声を上げる
沢山の人の中にいるという不安と、この中から自分は受からなくてはいけないという思いがかさなっているのかもしれない。
「だ、大丈夫よ、私たちならよ、よゆうよ!」
強がって見せるアリスだが、あきらかに緊張したよな話し方にソラは小さく笑う、アリスのことだから自分に言い聞かせるように、自信をつけるようにいったのと、ミレイやソラのことを心配して言ったのだろう、自分だって緊張しているのに周りにことを気遣っているアリスにソラは微笑み頭をなでる
「ふふっ…ありがとね?アリス」
「ふ、ふん!当然よ!」
緊張しているせいか、照れているせいか、少々意味のわかりかねる返事をされたソラはやれやれという顔をする。
するともう試験が始まるのか人が集まり始めた
「あ、もう始まるみたい、二人ともいこ」
「え、ええ!いくわよ!」
「ま、まってくださいよぉ!」
歩いていくソラの後を気合は十分のアリスがついていき、その後ろにいまだ緊張しっぱなしのミレイがついていく。
3人の魔法学校の試験が始まる。




