表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7番の少年は底辺から成り上がる!  作者: ライト・ユーテ
幼稚園編
22/28

二十二話 7番の再来

「…くっ…もっと早く!!」

ソラは走るペースを上げる、今自分が走っているこのときにもアリスとミレイが魔物に襲われていると考えると、いてもたってもいられないのだ。

しばらく走り続け、商店街を過ぎ野原が見えてくる、野原にではすでに魔物がだいぶきているようでゴブリンやハイゴブリン、ウルフが数え切れないほどいた、ソラは唇を噛み、叫ぶ。

「アリス!!ミレイ!!僕だよ、ソラだよ!!聞こえる!?」

ソラは二人を呼ぶが返事は返ってこない、最悪の事態を考えソラの顔は青くなる、だがまだ決まったわけではないのでソラは魔物を避けながら探す。

すると何やら魔物が異様に集まっている場所を見つけ、目を細める、すると100mほど先に絶壁があり、その下に魔物が集まっているのが見える、そしてその集まっている絶壁の下には子供が二人、金髪の女の子と茶髪の女の子が見える。

「…アリス!!ミレイ!!」

直ぐにアリスとミレイだと気づいたソラは走る

「くっ間に合わない…身体強化ッ」


―――――ダッ

ソラは無属性魔法の身体強化を使い、走るスピードを上げる、すると先ほどとは違い3倍ほどのスピードで走ることができた。

(…ッ…思ったより、魔力を使うな…)

想像以上に魔力が削られることにソラはこれから戦うことを考え、心配になるがアリスとミレイを助けることが優先なので気にせずに走り続ける。

走り続けているときに現状を確かめようと二人を見ると、アリスとミレイの周りにはところどころ戦闘のあとがあり、魔法を使ったんだろうと予想できるが倒しきれるわけもなく、魔力もなくなって泣きながら座り込んでいる。

すると一匹のゴブリンが剣を振りかぶり二人に振り下ろそうとする、二人はグッと目を瞑る、ソラはそうはさせないと右手をかざし距離が30mほどに近づいたところで走りながら魔法を放つ。

「ファイアーボール!!」


――――ヒュゥウウウウ…ドゴォオオンッ!!

ソラの放った魔法は見事ゴブリンに命中しさらにゴブリンが一匹死んだことによりほかのゴブリンは敵はどこだと探し始める、その隙にソラは走りながらナイフを二人の近くにいるゴブリンに投げる


―――グサッ


―――ーグサッ


―――グサッ

ソラの投げたナイフは見事命中し、ゴブリンは絶命する

そしてゴブリン達がソラの存在に気づくころにはソラは二人のところに到着していた。

ソラは間に合ったことに安心して、息を吐き、二人の頭をなでる、二人はいまだに目を瞑り、俯いている。

「はぁはぁ…二人とも大丈夫?」

ソラの声に気づいたのかアリスとミレイは物凄い勢いで顔を上げ、ソラの顔を見る、その顔にはソラのいることへの驚きと、安心の表情が見れる、二人は目に涙を浮かべ、ソラに抱きつく。

「ゾラぁあああああ、ごわがっだよぉおおお!!」

「ぞらぐぅん!!こわがっだでずぅうううううう!!」

二人は号泣しながらソラに抱きつく、よほど怖かったのだろう、だが周りにはまだ数え切れないほどの魔物がいる、ソラは二人の頭をなでると二人に後ろに下がっているようにいる。

「ふふっ無事でよかったよ…じゃあちょっと後ろに下がっててくれるかな?これから僕が戦うからさ」

「だ、だめよ!ソラも一緒に逃げるの!」

「そ、そうですよっこんな数むりです!」

一緒に逃げようという二人、ソラは昔のことを思い出す、今から2年前、おんなじような事がおきた、だが今回の件では決定的に違うところがある、それは逃げ道がないのだ。

「むりだよ、囲まれてるし、ここは野原だし、逃げる道なんてないよ」

ソラの言葉に二人は周りを見渡し、逃げられないとわかるとまた泣きそうな顔になる、ソラはそんな二人に優しく笑い、声をかける。

「大丈夫だよ、もうすぐで騎士の人も来るから、それまでは僕がなんとかするよ」

「で、でもっ」

それでもソラに戦わせたくないのかアリスが止めようとする

だがソラは一歩前に出て後ろを振り返りにっこり笑う。

「ごめんね?…今はこれしか方法がないんだ…エアシールドッ!!」

いつもよりも魔力を多めに込め、二人の周りにシールドをはる、ソラの手によって作られたシールドは普通のエアシールドの何倍も強化されている。

「その中にいれば安全だから…じゃあ、いってくるよ」

「あ、そ、ソラ!!」

「ソラ君!!」

二人に呼び止められるがソラは聞く耳を持たない、ソラは二人のいるところから10mほど前に走るとゴブリンはその後を追い、ソラを囲む。

ソラにとってはこれが最善の策なのだ、二人からある程度はなれることにより魔物の標的は自分になる、だがもし二人に何かあった場合はすぐに駆けつけられるように離れすぎない、正直めちゃくちゃな作戦だが自分がここで戦わないと二人が危ない、そう思うとこれしかないのだ。

「…ハァアッ!!」


―――ヒュンッヒュンッ

ソラは再ほど回収した3本のナイフの一本はしまい、残りの二本を一本ずつ両手に持ち、こちらに走ってくるウルフに投げつける。

「「グギャッ!?」」

ナイフはウルフの頭部に命中し絶命する。

だが周りにはまだうじゃうじゃと魔物が迫ってくる、ソラは腰から剣を抜き構える、

―――ソラは思い出す、奴隷時代の自分を

昔はこんなふうに魔物の群れと戦うようなこともよくあった、


―――ソラは思い出す、あの時の魔物と戦う思考を


―――ソラは切り替える、この瞬間自分がソラではなくなることを


―――7番は剣を構える、相手を殺すために


「うぉおおおおおおおお!!!!」

ソラは掛け声とともに魔物の群れへと突っ込む

「「そらああああああああああ!!」」

後ろから二人の声が聞こえるが今のソラには届かない

ソラは目の前に出てきたゴブリンの喉に剣を突き刺す

「グギャッ」

―――ブシャァアアッ

ゴブリンの喉からは赤い血が噴出し、ソラの顔にかかる、血のかかったソラは白の髪が半分赤く染まる、だがソラは気にも留めずに剣を振り下ろし二匹目を殺す、そしてそれと同時に後ろに振り返り襲い掛かってくるウルフに魔法を放つ。

「エアカッター!!」

「ギャウンッ」

ウルフの首が落ち、鈍い音がする、ソラは周りを見渡し、自分に向かってくる魔物の数を数える。

「…1…3……6匹」

―――グサッ

数を数え終わるとソラは突き刺したゴブリンから剣を抜き地面に刺す

「ファイアーボール!!エアカッター!!…フレイムボール!!」


―――ヒュゥウウウウ…ドゴォオンッ!!

「「グギャッ」」

ファイアーボールを食らったゴブリンは二匹とも絶命する

―――ヒュウウ…スパンッスパンッ

エアカッターの当たったウルフは声も上げれずそのまま絶命する


――――ゴォオオオオオ!!……ドゴォォォオオオオオオオオンッ!!!!

そして最後に放った中級魔法のフレイムボールは5匹ほど魔物の固まっているところに命中し5匹中3匹が吹き飛び、絶命する。

「…よしっ…ッ」

ソラは当たったのを確認し剣を抜き後ろを振り返る

「グガァアアアアアアッ」

「グルギャアアアア!!」

「ガァアアアッ!!」

そこには剣を振り下ろそうとしているハイゴブリンが二匹、横からきりつけようとしているゴブリンが一匹いた、ソラはすぐに魔法を使い防御しようとする。

「…くっ…エアシールド!」


―――ガキィイイイインッ!!

――キィイインッ

ハイゴブリンの一匹目の攻撃を受け止め、右手で持っている剣で横からのゴブリンの攻撃を受け止める、だが―――

「グルアァアアアアアアアッ!!」

もう一匹のハイゴブリンがソラのエアシールドに向かって剣を振り下ろす


―――バリィィイイイインッ!

「なっ!?……グハッ」

シールドが耐え切れずに割れてしまい、そのまま剣がソラに振り下ろされる

その瞬間にゴブリンを殺し、剣で受け止めたが耐え切れずに後ろに吹き飛ぶ

「ガハッ…はぁはぁ…うっ」

ソラは立ち上がり剣を構え直すが左肩に違和感を感じ方を見る、するとソラの左肩は真っ赤に染まり血がぽたぽたとたれている。

「いっつ……はぁはぁ…うぉぉおおおお!」

ソラは痛みを我慢して走り、ハイゴブリンの後ろに回りこむ

「くらえ!フレイムボール!!」


―――ヒュウゥウウ…ガキィイイイインッ!!

ソラの放ったフレイムボールはハイゴブリンの剣に防がれる、だがソラは諦めることなく魔法を受け止めたハイゴブリンの真横まで走っていき、ハイゴブリンの剣を持つ右手を切り落とす。


―――ザシュッ!

――ゴトッ

切り落とされた右手は地面に落ちる、その際に血が吹き出て体にかかるがきにしない。

「グギャァアアアアアッ!!」

ハイゴブリンが痛みに苦しむような声を上げ、一瞬の隙ができる、ソラ葉それを見逃さずハイゴブリンの首元に剣を突き刺す。

「グギャア…ギャ……」

ハイゴブリンは首を刺されると少しはもっていたがすぐに倒れ、息絶える

「はぁはぁ…「グギャアアァアアッ!!」…ッ…ゴハッ!?」

二匹目のハイゴブリンの攻撃を防ぐことができずにそのまま体をそらすが完全にかわす事はできずに切りつけられる。

「…はぁはぁっ」

地面に膝がつき、切られたところを手で押さえるソラ

「「ソラ(君)ッ!?」」

後ろからアリスとミレイの声が聞こえる

ソラは心配させないように立ち上がり、剣を構える、だがソラの体や顔はすでに自分の血と魔物の血で真っ赤に染まっているため心配しないほうが無理がある。

「…守らないと…はぁはぁ……覚醒…」

ソラは魔力を集中させる、するとソラの体から黒いもやが出てくる、黒いもやがソラの右手から右肩まで覆っていき、背中の右側から黒い翼のようなものができる、アリスとミレイはソラの普通じゃない様子に息をのむ。


「うぉおおおおおおッ!!」

ソラは黒いもやを右手から伸ばしハイゴブリンの頭をつかむ

「グギャッ!?」

ハイゴブリンはいきなりの相手の変わりように驚き反応ができない

だがソラはそんなことどうでもいいというような顔で小さく呟く。

「……死ね」

―――グシャァッ

ハイゴブリンの頭が潰れる

「つぎぃいいいッ!!」

ソラは黒いもやをだしたまま魔物の中へ突っ込む

「グギャアアアッ!!」

「グルァァアアアアアアアッ!」

「ガァアアアアアッ!!」

「うおぉおおおおおおおお!!!」

魔物の中へと突っ込み黒いもやで倒し続ける


―――ガキィィイイインッ

背後を取られ切られそうになるが黒い翼で身を守り防御する

「うっぉおおおおおお!!」

ソラは剣を真後ろへと水平に振り切る

―――ブシャァァアア

覚醒状態なので力が上がっているためハイゴブリンは上半身と下半身が真っ二つに切れる。

だが剣を振りぬいた瞬間、右横からゴブリンに殴られる

「ギャアアアアッ!!」

「…ガハッ…うぁああ!」


―――ブンッ

ソラは痛みに耐えながらも黒い翼でゴブリンを吹き飛ばす

だが痛みとゴブリンに気を引かれてしまい後ろのウルフに気づくことができなかった。

「ガァアアアアアッ」

―――ブシャァ

「うがああああっ…く、くそっ…おらぁああッ」

ウルフに左腕を噛み付かれ、苦しそうに叫ぶソラ、力を振り絞り服の中に隠し持っているナイフでウルフの喉を切りつける

「ギャウンッ…グルゥ…」

ウルフはソラにナイフを刺され息絶える

だがソラもすでになんども切られ、噛み付かれ、出血しているので意識は朦朧としてる。

「…がはっ……」

ソラはその場で倒れる、自分に向かってハイゴブリンが向かってきているのが見えながら立つことができない。

ソラの意識は少しずつなくなっていくのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ