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ロリ魔女っ子との出会い

「ちょ……おきな……」

 


 誰かが俺の体をゆすっている。でも、力が入らないし目が明かない。それに何故か節々が物凄く痛い。



「んもぉー! 起きろやーー!」



「痛ッ?!」

 


 耳元で子供の声が聞こえたと思ったら腹に物凄い激痛が走った。

 その反動で目を開いた。

 

 目の前には見たことも無い花がたくさんある壮大な荒野だった。

 あと10歳くらいの女の子。ピンクの髪に黄色いメッシュが入っているのが特徴だ。魔法少女みたいな重そうな恰好をしている。手には少女が持つには大きすぎつ星がモチーフの杖を持っていた。それにより彼女はすんげぇ可愛いロリ美少女だ。



「やっと起きたぁぁぁぁああああ!」

 


 いきなり抱きつかれたぁ!? 

 

 え? 何これ初対面の女の子に抱きつかれるって初体験なんですけど。しかし悪い気が全くしないのはなぜだッ!



「あの~君誰? 俺キミの事知らないはずなんだけど」



「そりゃそうよ。アンタとアタシは初対面だし」

 


 ぱっと。俺から手を離す。

 ていうかこの子初対面と分かっていて俺の腹思いっきり蹴ったのかよ。



「アタシの名前はカカベル。カカベル=ウォッチャーよ。カカベルでいいわ」



「俺の名前は山田帝司」



「その名前、今から捨ててもらうわよ」



「はい?」

 


 なに言ってるんだ? 名前を捨てろ?



「だって今日からアンタは魔王なんだから」



「はいぃぃ!?」



「これ鏡。自分の姿見てみなさいよ」

 


 鏡を貰い自分の姿を映す。



「何だこれ!?」

 


 鏡に映っているのは全く俺とは別人。

 赤くて短い髪になかなかの顔立ち。服装はRPGに出てきそうな服を着ている。



「自分が登録したゲームの名前は?」

 


 確か……。



「『トリップ&IN魔王』」



「ちゃんとトリップしてるしアンタの魂は魔王の中にちゃんとは言ったじゃない」



「え? 俺魔王なわけ? ここはゲームの中?」



「ゲーム? 違うわ。此処はアンタか言う異世界ってとこかしら」

 


 異世界。認めたくはないが俺の部屋が一瞬にしてこんなところになるはずが無い。こんな化学は現代にはまだ無いし。



「ちなみにちゃんと元の世界にも出れるようになってるんだよね」



「魔王の魂取り戻すまでは帰れないけど」



「マジ?」



「本当よ。だいたい同意してから呼び出したんだから文句言わないでよ。『私と一緒に魔王の魂取り戻してくれますか?』っての。忘れたわけじゃないでしょうね」



「確かにそうだけど」

 


 でもあれがまさかトリップするスイッチみたいなもんだって気づかないだろう。



「じゃあ、少しこの世界の説明をするわ。此処はエルムルって言う大陸なの。大陸には三つ国があって私達が居るのが主に悪魔系の人々が住む国。グザファンって言うの。グザファンはアンタの名字と同じよ」



「俺の名前?」



「言ってなかったわね。今からあんたの名前はサタナエル=グザファン。魔王の息子。分かった?」



「は、はい」



「話を戻すわよ。二つ目の国は天使系が住むソロネ。三つ目は人間系が住むロスタム。それぞれの国の名前は国の統治者の名字になってるの」

 


 こういうところは俺が知っているゲームと大して変わらないようだ。



「次は種族について。さっき言ったように悪魔系、天使系、人間系の三つ。とくに大きな違いは無いわ。祖先が天使か悪魔か人間かってだけ。簡単でしょ? 私達は悪魔系」

 


 うんと頷く。

 俺は悪魔系か。ゲームだと主人公は人間系って言うところだが悪魔って言うところが地味にリアルだ。



「最後にアンタが現実に変える方法もとい私達の目的。ズバリ魔王の魂を取り返す事!」



「さっきから気になったんだけど魔王の魂ってどうして取られたの?」



「テーマパークよ」



「テーマパーク?」



「三年前魔王の親のモロク=グザファンが二人の息子のためにテーマパークを作ろうとしたのよ。……大陸すべてを使ってね」



「大陸すべて!?」

 


 この国の大魔王って馬鹿なの!? 親ばかなの!? 大魔王のイメージ粉々に壊された!



「で、勇者ヴォン=ロスタムがもう二度としないように大魔王の息子のサタナエル=グザファンの魂を人質にした」

 


 どうしたらテーマパークから魔王の魂を奪う話になるんだ。この世界思ったよりゆるいな。



「魔王の魂を戻すには魔王の身体も必要だったのだからアンタを呼んで魔王の体を動かせるようにしたの」



「分かったぞ! ようはヴォン=ロスタムのところに行って魂を取り戻すんだな」



「だいたい合ってるわ。でも簡単にヴォン=ロスタムには会えないのよ」



「どうすれば合えるんだ」



「ヴォン=ロスタムは強い奴が好きなの。だから大陸にいる29の猛獣を倒さなきゃいけないの」

 


 やっとゲームッぽい要素出てきたな。しかし29体は結構多いな。かなり時間がかかりそうだ。



「で、アンタに頼みたいのは魔王の魂を取り戻す旅に一緒に来てほしいの」



「分かった。そうしないと俺は元の世界に戻れないんだろう? じゃあ、協力するよ」



「本当!? 有り難う! じゃあ、宜しくね魔王」



「ああ、必ず取り戻そうぜ!」

 


 こうして魔王の魂をを取り返す長く長くゆるい旅の始まりだった。


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