全ては此処から始まった。
夏のある日の昼下がり。俺山田 帝司は高校生だというのに自室に閉じこもりオンラインゲームをしていた。
別に今日特別に休んだわけではない。高校一年の冬から今の高校二年生の夏までずっと登校していない不登校生だ。
俺は入学してすぐ不幸なことにいじめの対象になってしまった。助けを求めようにも高校は知らない奴ばかりで見向きもしない。担任にも相談した事があるが新人でしてくれた対策何一つ効果が無かった。そしてついに俺は不登校になった。
それで不登校になった俺が暇つぶしに始めたのがオンラインゲーム。この不登校の間にどっぷりハマってしまった。仲間と一緒に敵を倒し英雄と称えられる。このゲームを俺の現実だと言い聞かしていた。
自分の部屋を見回せば端っこにまとめられた参考書とすぐ手の届く場所にあるゲームの資料の山。
ゲーム画面に目線を戻すとラスボスの扉まで来ていた。確かこれが本当に最後の戦いのはずだ。確かラスボスは魔王だっけ? 攻撃パターンがいくつもあるから倒すのが大変らしい。
「お? ラスボスか。此処まで長かったな」
ラスボスは俺の知識道理凄くでかい魔王。見た目では勝ち目はなさそうだ。だがパーティー全員がレベル99の俺の勝ちは決まったも同然だな。
もうすっかり遣りこんでいるためラスボスス戦にも慣れた。いつも道理のやり方で効率よく魔王にダメージを与えていく。
『魔王これで終わりよ!』
キャラクターが叫ぶ。最後の一撃が魔王に与えられた。
魔王戦開始から約7分。魔王は倒された。ゲームクリアだ。
エンディングが流れ始める。
「あー。疲れたー。次のゲーム何にしよう」
ふと下を見ると『トリップ&魔王』というゲームのリンクがあった。
なぜか俺はそれに引きつられつようにクリックした。
登録を済ましてゲームを始める。
「私と一緒に魔王の魂取り戻してくれますか?」
音声付で現れる文字。YESを押した瞬間俺はまぶしい光に包まれていた。