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微ホラー短編

赤ん坊の声は無い

作者: 狐塚季輝
掲載日:2026/06/23


 キラキラとした夕日が差し込む、幻想的なカフェ。

 高校生のカップルと、ママ友らしき中年女性が今の客。


 カフェのカウンターに、エプロンを付けた二人の男性が立っている。


 ――今日は静かだね。


 薄い茶髪の男性がそう言った。


「そうか? いつも通りだろ」


 淡い緑の髪をセンター分けにしているもう一人の男性が興味なさげに返す。


 ――ええ? そう? 僕は静かだと思うけどなぁ。


「今日は珍しくお前がぼーっとした表情をしてると思ったら」


 ――静かすぎて落ち着かない。

 眉を下げた。高校生カップルとママ友たちの方を見る。頬杖をついて、にこりとほほ笑んだ。


 ――()()()()()()()()()()()()


 うるさいって言ってるわけじゃないけど、こんなにも違うんだね。くすくすと笑ってそう言った。

 すると、隣の相棒がポカンと口を開けて黙っていた。


 ――ん?


 そう会話を促すと、彼は「いや……」と混乱した顔で薄ら笑いを浮かべる。

 珍しい。彼はいつも仏頂面なのに。


()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 子どもを生む時代は終わった。今は工場で生まれるのが普通だろ。

 赤ん坊に似たペットは売られてるけど、そのペットは泣かないし。


 ぽかん、と僕は口を開けたまま黙った。


「あ、そっかぁ。ごめん、昨日夜遅くまで読んでた()()()()と混同しちゃってたみたい!」


「全く……。疲れてるなら言え。仕事に支障が出るんだよ」


「ごめん~ってば~」


主人公

挿絵(By みてみん)


相棒

挿絵(By みてみん)



 二人ともこめかみが片方長いのは、完全に作者の趣味です。可愛いね。

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