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私と初体験してくださいっ! ~世間知らずのクール姫と秘密の関係が始まった~  作者: uruu


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36 久しぶりの部室

 試験の最終日が終わった。

 午後からは部活も再開する。つまり天文部の部室も解放されるわけだ。

 俺と椎子は、部室で待ち合わせることにした。



 部室に入ると、先に来ていたのは坂本部長だった。


「あ、彼氏君! 久しぶりだね」


「お久しぶりです、部長」


「椎子ちゃんは?」


「もうすぐ来ると思います」


「そっか。ちょっと、今後の活動について話しておこうと思って来たんだけどね」


「そうですか」


 俺は部長の前の席に座った。


「で、二人、上手くいってるの?」


「まあ、上手くいってると思いますよ」


「それはよかった。別れて部を辞められたら困るからね」


 そんな話をしていると椎子が部室に入って来た。


「部長、お久しぶりです」


「おお、椎子ちゃん! 元気そうだね」


「……周平君と何話してたんですか?」


 椎子が不審な顔をして聞く。


「ただの雑談だよ。どうかした?」


「別に……」


 椎子は不満そうに俺の隣に座った。


「椎子、何もないからな」


「うん……」


 小さく頷いたけれど、その表情からはまだもやもやが残っているのがわかる。


「えっと……どうしたのかな?」


「どうやら俺と坂本部長が二人きりだったのが不満らしいです」


「えーっ! ほんのちょっとの時間じゃん!」


「それでも嫌なものは嫌なんです!」


 きっぱりと言い切る椎子に、坂本部長が感心したように笑った。


「椎子ちゃん、ほんとに彼氏君のこと好きだねえ」


「当たり前です。彼女なんですから。坂本部長、彼氏いないんですか?」


「グサッ! 痛いところついてくるねえ。私に彼氏がいるように見える?」


 確かに髪はぼさぼさで化粧っけもないし、分厚い眼鏡だし、あまり彼氏がいるようには見えない。


「でも、坂本部長って明るいし、人懐っこいし。友達は多そうですけど」


「友達は多いよ。男女ともにね。でも、私のことそういう目で見てくる男子はいないんだな、これが」


「そうなんですか。意外です」


「いや、絶対意外に思ってないでしょ!」


「思ってますよ。だから嫉妬するんです」


「そ、そうなんだ……それは嬉しいけどねえ。椎子ちゃん、いい子だねえ」


「よくわかりません」


「……まあ、それはいいや。今日は夏休みの天文部の活動についてだよ」


「夏休み……」


 そうか。期末試験も終わり、もうすぐ夏休みだ。となると学校に来ることもなくなるし、椎子と会う機会が少なくなってしまうんだろうか。


「夏休みも天文部は活動するんですか」


「するよ。文化祭に向けての準備もあるけど、その前に恒例の天体観測会があるからね」


「天体観測会?」


「うん。夜の学校の屋上で星を観るんだ。今年は8月上旬の予定」


「楽しそうですね。やってみたいです」


 椎子が目を輝かせる。


「それに向けていろいろやらなくちゃいけないんだ。チラシの作成に配布、参加者の募集、望遠鏡の準備とかだね」


「大変そうですね」


「そうでもないよ。チラシは毎年使い回しだし、参加者の管理もネットでやるから。望遠鏡の確認が一番面倒かもね」


「望遠鏡の確認って、夜にやるんですか?」


「そうだね」


 夜か。椎子は通学に時間がかかるのでいつも早い時間に家に帰っている。


「椎子、大丈夫か?」


「親に許可を取れば大丈夫です。日程を早めに決めましょう」


「じゃあ、来週水曜でいいかな? それまで天気がイマイチだから」


「わかりました。何時頃までかかるでしょうか?」


「今は日が落ちるのが遅いから8時と思ってて」


「そうですか。たぶん大丈夫です」


「よかった。あとは観測会本番の日程だけど、その日は8時半まではやると思うけど大丈夫?」


「早めに日程が分かれば何とかなると思います」


「よし、だったら8月5日ね。チラシは私で作るから、参加者の募集は君たちに任せるよ」


「え?」


「大丈夫、やり方は後で連絡するから。じゃ、よろしく!」


 そう言い残し、坂本部長は部室を出ていった。



「椎子、遅くなるときは俺が家の近くまで送っていくよ」


「でも 家までだと周平君の帰りはだいぶ遅くなってしまいますよ?」


「大丈夫だから」


「ありがとうございます。助かります」


 遅い時間になるとやっぱり心配だ。椎子をどうしても送って行きたかった。




「それで、今日はこの後どうする?」


「行きたいところがあるんです」


「どこ?」


「終業式の日に、クラスのみんなで遊びに行く計画があって……優実から『一緒に来ない?』って誘われたんです」


「なるほど。どこに行く予定なんだ?」


「ファミレスと、それからボウリングだそうです」


「ボウリング……」


「はい。私、行ったことがなくて……だから今日、練習してみませんか?」


「そうだな。俺も小学生のとき以来だし」


「じゃあ決まりですね」


 こうして、俺たちはボウリング場へ向かうことにした。




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