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私と初体験してくださいっ! ~世間知らずのクール姫と秘密の関係が始まった~  作者: uruu


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22 プラネタリウム

 土曜日。俺たちはバスセンターで待ち合わせていた。今日は少し早めにお昼を食べてから博物館へ行く計画だ。


「お待たせしました」


 二階のテラス席で待っていると、椎子が姿を見せた。

 ベージュのロングスカートに白いブラウス。いつもより柔らかい雰囲気で、思わず見とれてしまう。


「今日も似合ってる。可愛いよ」


「しゅ、周平君……いきなりなんですか」


「私服の感想だけど」


「そんなあっさり言わないでください。慣れてる感じがして……ちょっと嫌です」


「いや、椎子にしか言ったことないからね」


「……それなら、許します」


 頬を赤らめながら、椎子は少し笑った。


「周平君も、すごく似合ってます。かっこいいです」


「そうか? Tシャツとジーンズだけど」


「はい。シンプルで男子って感じがします」


「これが椎子の好みなのか?」


「私は周平君が好みなので、どんな服でもいいです」


「……そう言われると照れるな」


「私もです。……じゃあ、ランチ行きましょう」


「でも何食べる?」


「そうですね……マックはこの前行きましたし……」


「三階にはレストラン街があるから、そこを見てみよう」


「わかりました」



 三階へ上がると、パスタやオムライス、焼肉など色々な店が並んでいた。

 でも、椎子が目を輝かせたのは回転寿司だった。


「私、回転寿司って行ったことがないんです。初体験してみたいです」


「じゃあ、行ってみるか」


 俺は親と何度か来たことがあるが、椎子にとっては全てが新鮮らしい。

 席につくと、目の前をベルトコンベアで寿司が流れていく。


「ほんとに回転してますね。すごいです!」


 子どもみたいに嬉しそうにしている。


「好きな皿を取っていいんだよ。あとで皿の枚数でお会計するから」


「勝手に取っていいんですか!? すごいシステムですね!」


「でも皿の色には気をつけて。レアな色は高いから」


「皿の色ですか。面白いです!」


 椎子は夢中になっているようだ。いくつか皿を取っている。


「食べてから取った方がいいよ。満腹で食べられなくなったら困るだろ」


「そ、そうですね。最初に取るのかと思っていました」


 俺はまずマグロを食べる。久しぶりの寿司は美味い。椎子は鯛を取ったようだ。


「おいしい……」


「ここは天草直送だからね。新鮮だよ」


「そうなんですね。回転寿司、楽しいしおいしいし、最高です!」


 満面の笑みを見て、俺も嬉しくなった。


「でも、寿司じゃないものも並んでますね」


 唐揚げやイカリングなどが皿にのっている。


「回転寿司は寿司だけじゃなくていろいろなものが食べられるんだよ」


「面白いです!」




 俺と椎子は十分寿司を食べて店を出た。


「そろそろ行きますか? おなかいっぱいで歩きたいです」


「確かにそうだな。歩くか」


 ここから博物館までは歩くとそこそこ距離がある。だからバスで行こうかとも話していたのだが、今は満腹なので歩くとちょうどいいだろう。


 だけど、博物館までの道のりの途中には俺たちの学校がある。だからそれを避けてお城の中を通ってから博物館に向かった。この道は坂がきついけど仕方ない。


「はぁ、はぁ……」


 俺はすぐに息が切れたが、椎子は涼しい顔だ。そういえば椎子は勉強だけではなくスポーツもできる完璧女子だったか。


「周平君、ほんとに男の子ですか? これぐらいで息が上がるなんて」


「仕方ないだろ。俺はインドア派だし」


「私だってそうですよ。ただ、ときどき走ってるから持久力があるだけです」


「すごいな……」


 椎子は勉強もスポーツもできるが、それも努力に裏付けられているようだ。



◇◇◇



 ようやく博物館に到着し、入館チケットを買った。

 さらにプラネタリウムのチケットも購入し、地下のドーム型シアターへ向かう。


「どこに座りましょうか?」


「真ん中は混んでるな……少し外れた席にしよう」


「はい」


 俺たちは少し端の方の椅子に座った。


「この椅子、かなり倒れてますね」


「そうだな。まるで寝るみたいだ」


「はい。プラネタリウムは天井に投影するからでしょう」


「なるほどな」


 前の方にも映像が出ていたが、上に投影されるのか。


 やがて説明が始まった。それによると椅子をさらに倒して寝ながら見るようだ。なんとか俺と椎子は椅子を倒し、ほぼ寝るような形になった。ふと横を見ると椎子が寝ている。


「なんか照れますね」


「そうだな」


 向かい合うと2人で寝てるみたいで照れてしまった。


 やがて投影が始まった。天井いっぱいに満天の星が広がる。


「わぁ……」


 隣の椎子が小さく感嘆の声を上げる。

 俺はそっと椎子の手に触れた。


「……」


 椎子は驚いたように少しビクッとしたが、すぐに手を握り返してくれた。


 やがて、市街地の今日の星空を説明が始まった。惑星の位置、有名な星座の位置などだ。なるほど、文化祭でもこういう説明をするのが良さそうだ。


 プラネタリウムの後半は、宇宙の成り立ちをテーマにした映像だった。

 正直内容は少し難しかったが、椎子の横顔を見ているだけで不思議と満たされた気分になるな。 




 上映が終わり、館外に出ると午後の強い日差しがまぶしかった。


「すごく楽しかったです」


「そうか。文化祭の参考にもなったな」


「はい、それもそうですが……隣で周平君が寝ているのがなんか嬉しかったです」


「そ、そうか」


「それに、手も握ってくれましたし」


「そ、そうだったな」


「はい、だからまた今度来ましょう」


「だな」


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