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魔術基礎論  作者: しばらくハスキー
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四限 パーティ編成における立ち回り

魔術師の立ち位置とパーティ編成における役割


魔術師の現状と課題


魔術師はその希少性と戦術的価値から重宝される職業である。しかし、魔術の習得には高度な知識と技術が要求されるため、魔術師の人口は非常に少ないのが現状である。


また、魔術に精通していない初心者の魔術師は、戦場において十分な火力や支援を提供できず、むしろ足手まといになることが多い。その結果として、初心者の魔術師は実戦経験を積む機会が乏しく、成長しにくいという悪循環が生まれている。


基本的なパーティ編成


一般的に、3人編成のパーティは以下の基本構成で組まれることが多い。

剣士(1名):主に近接攻撃を担当し、敵を倒す役割。

タンク(1名):敵の攻撃を引きつけ、仲間を守る役割。

魔術師(1名):遠距離から魔術で攻撃し、戦況をコントロールする役割。


魔術師の立ち回り


この編成において、魔術師の最優先事項はタンクの援護である。


タンクは敵の攻撃を引きつけることでパーティの防衛の要となるが、敵の数が多かったり、強力な攻撃を受け続けたりすると、防御が突破される危険がある。そのため、魔術師は以下のような役割を担うことが求められる。

1.タンクの負担軽減

敵の動きを封じる魔術(足止め・鈍化)を使用し、タンクの防御負担を軽減する。

タンクが受けるダメージを減少させる防御補助魔術を駆使する。

2.遠距離攻撃による殲滅

タンクが押さえている敵に対し、遠距離から火力を出す。

ただし、無暗に強力な魔術を撃つと味方を巻き込む危険があるため、正確な位置取りとタイミングの見極めが重要となる。

3.戦場のコントロール

状況に応じて敵の進行ルートを制限する魔術(結界・壁生成など)を展開し、パーティが有利な状況を作り出す。

魔術による索敵や情報提供を行い、敵の奇襲や増援を事前に察知する。


魔術師2名を含むパーティ編成と立ち回り


基本編成


4人パーティの基本的な構成として、以下の編成が挙げられる。

•剣士(1名):近接戦闘の主力。敵を攻撃し、戦線を押し上げる。

•タンク(1名):敵の攻撃を引きつけ、味方を守る役割。

•魔術師(2名):

•回復・援護型(1名):味方の回復や防御支援を担当。

•攻撃特化型(1名):火力担当として敵の殲滅を図る。


魔術師の役割分担と立ち回り


1. 回復・援護型魔術師


主な役割:味方の支援と戦場の制御

•事前準備

•魔法陣があらかじめ書かれた紙を所持することで、迅速な回復や防御魔術の展開が可能となる。

•戦闘中に魔法陣を新たに描く時間はほとんどないため、即座に発動できる手段を複数用意しておくことが重要。

•戦闘時の立ち回り

•タンクと剣士の体力管理を最優先し、ダメージを受けた際には素早く回復魔術を行使する。

•敵の進行を妨げる魔術(結界・障壁・減速魔術など)を適宜発動し、戦線の維持に貢献する。

•必要に応じて攻撃特化型魔術師の補助を行い、敵の殲滅を支援する。


2. 攻撃特化型魔術師


主な役割:火力担当として敵を素早く制圧


戦闘時の立ち回り


タンクの後方を維持しながら、状況に応じて柔軟に攻撃魔術を放つ。

簡易的な魔法陣を高速で展開し、手数を増やすことを意識する。

遠距離から敵の弱点を狙い撃つだけでなく、接近戦でタンクと連携しながら戦うことも求められる。

反転魔法陣を多用する敵には、瞬時に異なる攻撃パターンを展開できる工夫が必要。


総括


この編成では、魔術師が回復・援護型と攻撃特化型に分かれることで、戦場での柔軟な対応が可能となる。回復・援護型は準備を万全にし、戦況のコントロールを担当し、攻撃特化型はタンクの後方から手数を重視して火力を発揮することで、効率的な戦闘が実現する。


大人数パーティの編成と最適な人員配置


大人数パーティの基本方針

•基本となる2種類の編成(3人編成・4人編成)を軸にする。

•各メンバーの力量を考慮し、パーティ全体の穴を埋める形で追加メンバーを決定する。

•役割が被りすぎないよう調整し、攻撃・防御・支援のバランスを維持することが重要となる。


例:6~8人規模のパーティ編成


以下は、実戦を想定したバランスの取れた編成例。

•前衛(剣士・タンク・最前線魔術師)

•タンク(1~2名):敵の攻撃を受け止め、前線を維持する。

•剣士(1~2名):タンクと共に敵を押さえ込みつつ攻撃する。

•最前線魔術師(1名):敵魔術師と直接対峙し、魔術を無効化ネガスしつつ反撃する。

•後衛(支援・火力)

•攻撃特化型魔術師(1~2名):火力担当。敵の弱点を狙い撃つ。

•回復・援護型魔術師(1~2名):味方の回復と防御を担当。

•弓兵・銃士(0~1名):遠距離からサポートする(必要に応じて)。



魔術師が最前線に立つ場合


状況

•主に魔術師同士の戦闘時に発生する。

•敵の魔術攻撃を封じることが最優先される

•味方の後衛が自由に攻撃できるように、魔術を相殺する役割を担う。


最前線魔術師の役割


1.「ネガス」を使用して敵魔術を無効化する。


反転魔法陣を即座に展開し、相手の攻撃魔術を相殺。

速度と反応力が求められるため、戦闘経験が豊富な者が適任。


2.敵魔術師を攪乱し、味方の攻撃を通しやすくする。


あえてフェイントをかけ、敵の防御を崩す。

連携を意識し、味方の魔術師が攻撃しやすい状況を作る


3.場合によっては「近接戦闘」も視野に入れる。


近接戦向けの魔術を使用する、または簡易武器を携帯する。魔術と接近戦を組み合わせることで、敵の魔術師を撹乱する。



総括

大人数パーティでは、既存の編成を基に、足りない役割を補う形でメンバーを追加する。

魔術師が最前線に立つのは、魔術師同士の戦闘時に限られ、ネガスを駆使しながら敵魔術を封じることが最優先事項となる。最前線魔術師の役割は極めて重要であり、経験・判断力・反応速度が求められるポジションである。


このように、状況に応じて柔軟に役割を調整することで、パーティ全体の戦闘力を最大限に引き出すことが可能となる。


超ベテラン魔術師はソロが多い理由


魔術師は「ガード(防御)、ネガス(魔術無効化)、攻撃、回復」という4つの基本要素をすべて使いこなすことが求められる。

そのため、これらを自在に扱える超ベテラン魔術師はパーティに頼る必要がなく、単独行動を選択することが多い。


ソロ活動のメリット

1.自由な攻撃タイミング

•パーティを組むと、仲間の動きに合わせて攻撃のタイミングを調整する必要がある。

•ソロならば、自分の判断だけで即座に攻撃を仕掛けることが可能。

2.広範囲魔法の制限がなくなる

•パーティプレイでは、広範囲攻撃が仲間に当たる危険性があるため、使用が制限される。

•ソロならば、気にせず広範囲魔法を使用できるため、戦闘の自由度が増す。

3.総合的な対応力の高さ

•防御・回復・攻撃をすべて自分で行えるため、他者に頼る必要がない。

•臨機応変に戦術を変えられるため、突発的な戦況の変化にも即応可能。


ソロ活動の難しさ


ただし、初心者の魔術師がソロで戦うことは推奨されない。

理由として、敵の攻撃に対処しながら複数の魔法を同時に使う技術が求められるため、焦って対応できなくなるリスクがある。


そのため、一つの基準として「多重魔法」を完全に使いこなすことが、ソロ活動を行うための必須条件となる。



多重魔法とは?


**多重魔法マルチスペル**は、複数の魔法を同時に発動する高度な技術である。

通常の魔術師は一度に1つの魔法しか発動できないが、多重魔法を習得した者は「空想魔法陣」を同時に複数展開し、同時攻撃を行うことができる。


多重魔法の仕組み

•空想魔法陣を複数同時に作成し、別々の魔法を発動する。

•例:防御魔法を展開しながら、攻撃魔法を放つ。

•熟練者はさらに高度な応用として、異なる種類の魔法を3つ以上同時に発動することも可能。


多重魔法のメリット

1.攻守の同時進行が可能

•例えば、「防御魔法+攻撃魔法」を同時に発動することで、攻撃と防御の隙をなくすことができる。

2.連携の必要がなくなる

•通常、パーティでは「回復役・防御役・攻撃役」が分かれるが、多重魔法を使いこなせば1人で全てを同時に行える。

3.圧倒的な火力と制圧力

•**「3方向からの同時攻撃」や「防御しながらの魔法連打」**などが可能になり、1人でも多数の敵を相手にできる。


多重魔法のデメリット

•習得難易度が非常に高い。

•通常の魔法とは異なり、脳と魔力の処理負担が増すため、訓練なしではまともに発動できない。

•集中力が必要で、一瞬でも乱れると制御不能に陥る。

•魔力消費が激しく、無闇に多用すると枯渇の危険がある。



まとめ

•超ベテラン魔術師は、すべての魔術を使いこなすため、パーティに頼らずソロ活動を選ぶことが多い。

•ソロ活動を行うための条件として「多重魔法」を習得することが必須。

•多重魔法は**「空想魔法陣を複数作成し、異なる魔法を同時発動する技術」**であり、攻撃・防御・回復を同時にこなすことができる。

•しかし、習得難易度が非常に高く、熟練した魔術師でなければ使いこなせない。


このように、超ベテラン魔術師のソロ活動は、多重魔法を極めた者だけに許される高度な戦闘スタイルである。

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