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初級ダンジョンRTA走者 世界最速を達成したので解説動画を公開したら参考にならなすぎで大バズりしてしまう【書籍化決定】  作者: ねこ鍋


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第41話 溶岩の上を歩くのは簡単ですよ

階段を降りて26階にやってきた。

相変わらず、くり抜かれた洞窟内に溶岩が流れている。

ただ、くり抜かれた通路の大きさが少しだけ広くなっているようだった。

どうやら下に降りるほど大きくなってきているようだ。


「これはいい傾向ですね。経験上、洞窟が少しずつ大きくなってる場合、下の階にショートカットできる場所が存在してる可能性が高いです」


>何があるのか楽しみでもあるし怖くもあるな

>ところでなんで当たり前のように溶岩の上を歩いてるの?w

>普通は足が溶けちゃうけどw

>普通は氷とか水の魔法で溶岩を固めてから進むものだと思ってたけど……


どうって、足の下に空気の膜を作って浮いてるだけだけど。

周囲は魔力の膜で俺たちを覆ってるので、温度はそれで遮断してるしな。

氷でもいいんだけど、空気のほうが簡単なので、それで歩いてるんだ。


>足元に空気の膜を出すって、歩きながら常に出し続けてるってこと?

>人が普通に歩けるほどの空気の膜ってどんだけ密度高いんだ

>しかもそれを自分の足元に狙って出し続けるって、相当難しいぞ……

>今はシオリちゃんもいるんだろ? 

>2人分を常に制御し続けてるってことか……

>集中力やばw

>ダンジョンを歩きながら、温度を下げる膜も出しつつ、敵にも対処して、その上で足元に空気の膜を作ってるってこと?

>マルチタスクえぐすぎ

>控えめにいって化け物じゃん

>頭何個あるんだよ……

>どうやったらそんなことができるんだ?


「ああ、それはですね。手から魔法を出すと制御が確かに難しいので、足の裏から出してるんですよ」


>は?

>ちょっと何いってるのか……

>人間は手があるから進化したんだよ?


「手から地面に向けて魔法を出すには、常に地面に注意を向けてないといけないのでちょっと疲れます。

 だけど足からならすぐ下に出すだけなので、特に意識しなくても簡単にできるんです。いつもより強度を強めにして効果時間を長くすれば、シオリが歩ける分も確保できますしね」


>いやいやいや……

>そんな「手で拾えないなら足で拾えばいいじゃない」みたいに言われても……

>足で箸持つ方がよっぽど簡単なんですが……

>言ってることはわかるのになにひとつ理解できない……


「急に足で魔法を撃つと言われると驚くかもしれませんが、やってみたらいうほどそんなに難しくないです。慣れれば誰でもできますよ。

 魔法を手の平から出しやすいのは、神経がそこに集中してるからです。意識と魔力を集中しやすいんですね。ですが……」


「ギエエエエエエッ!!」


溶岩の中からファイアリザートが飛び出してきたが、瞬時に凍りついて砕け散った。


「実は足の裏の方が神経の量が多いんですよ。足の裏とかくすぐられるとくすぐったいけど、手の平はそんなことないでしょう?

 だからちょっと練習すれば、手よりもよほど簡単に出せるようになります」


>待って待ってw

>途中ファイアリザードくんが砕け散ってたけどw

>話題が変わらなくて草

>存在を認識すらされてないw

>息をするように殺してて草も生えない

>火山エリアだけにな

>なんかすごい説明された気がしたけど全然頭に入ってこなかったw


先ほどからファイアリザードの群れが溶岩の中から奇襲をかけてくるんだが、そのたびに凍り付いて砕け散っていく。


>やはり爬虫類にも学習能力は無いか……

>しょせんは虫よ……

>飛んで火に入る夏の爬虫類

>ていうかリザードが出てくる時、一緒に溶岩当たってなかった?

>やっぱり俺の見間違いじゃなかったよな?

>どう見ても頭から溶岩かぶってたよ

>明らかに一瞬燃えてたよな

>ケンジくんハゲちゃうの?


「ああ、それはリジェネのおかげですね」


>リジェネ?

>また知らない魔法ですね……


「リジェネってのは俺がそう名付けてるだけで、実際にはショートカットに登録した回復魔法が自動使用されてるだけです。勝手に回復されるので、実質リジェネになってるってことですね。

 なので溶岩が当たった時のダメージも自動ですぐに回復したから、なにもなかったように見えたんだと思います」


>ショートカットってそんなこともできるの?

>チートすぎない?

>敵の攻撃より俺の自動回復の方が強すぎてダンジョンでも無双できる件

>なお普通に戦ってもノーダメージの模様

>ていうか燃えた服も元に戻ってたけどそれ本当に回復魔法って呼んでいいんですかねえ……

>なんかもう色々麻痺しすぎててよくわかんなくなってきたな

>もしかして攻撃魔法も登録できる?


お、さすが鋭いですね。もちろんできます。

自動で防御したり、オートで反撃できるようにしておくと、戦闘が自動で行われるのでタイム短縮につながります。


欠点は加減できないことですね。

設定した魔法を自動で使用してしまうので、使いたくない時や、倒したくないときなんかもオートで倒してしまいます。

なので俺は上層では使わないようにしてます。

使い始めるのは中層あたりからですね。


>もしかしてさっきからファイアリザードが砕け散ってるのって……


そうです。

初級氷魔法を登録しておいたので、自動で倒してくれました。


>あれで初級なのかよw

>相手を粉々にする初級魔法

>威力どんだけだよw

>普通ファイアリザードに使うのは中級魔法なんだがなあw

>それでもレジストされるから数発かかるぞ

>俺の初級氷魔法はハイボールに氷を追加するくらいしかできないが?

>ガチの専門魔法職でもそんな威力出ないけど、ケンジくん職業なんなの? 魔法職じゃないよね?


「職業……?」


>嘘だろwww

>自分の職業知らないのかよwwww

>それでどうやって魔法覚えたんだよwwww

>自分の能力の傾向がわかるやつだよ。剣士とか、魔法使いとか。


「うーん。調べたことないから知らないですね。でも多分RTA走者だと思います」


>絶対違うと思うなあw

>それ職業じゃなくて趣味だと思うんだ

>いやでもRTA走者だからあの速さなのでは?

>てことは、あり得るの、か……?


「シオリは自分の職業って知ってるか?」

「……」


答えは無言の視線だった。

どうやら答えたくないらしい。

シオリは個人で配信もしてて身バレしたくないらしいから、もしかしたら珍しい職業とやらなのかもしれないな。


「では先に進みましょうか。もうすぐ次の階段が見えてくるはずです」

読んでいただきありがとうございます!


この作品はなろうコンに応募してます!

面白い、続きが読みたいと思っていただけたら、ブクマや評価、コメントなどで応援していただけるととっても嬉しいです!

どちらも大変モチベーションアップになりますので、ぜひよろしくお願いします!

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