表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
初級ダンジョンRTA走者 世界最速を達成したので解説動画を公開したら参考にならなすぎで大バズりしてしまう【書籍化決定】  作者: ねこ鍋


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/93

第34話 神々のユニークモンスター

二回り大きな扉を押し開く。

そこは今までに入ったどの部屋よりも大きい。

モンスターハウスだった部屋よりも、さらに2倍はありそうだった。


そこは多分「聖堂」と呼ばれるような場所なんだと思う。

見たこともない姿をした、大きな神様の像が部屋の一番奥にあり、その足下の台座に出口となる扉が付いている。


その扉を守るように、1匹の人影が立ちはだかっていた。


「………………」


そいつは無言で俺の到来を待っている。


>あの門番、ミノタウロスか?

>でもミノタウロスって4本腕だったか?

>それに頭も2つあるような……


そう。

そいつは2つの牛頭を持ち、腕は4本ある。

2つの剣と2つの盾を持ち、そのどれもが黄金の虹色に輝いていた。


>なんだあれ……

>異形すぎる……

>本当にミノタウロスか?

>手にしてたアレ、まさかミスリル武器!?

>マジかよ……存在したのか……

>さすが神話級ダンジョン……

>牛の2つ頭に4本腕、両手にはミスリルの武器……思いつくものはないが……

>もしかして、ユニークモンスターじゃ!?


ユニークモンスター?


>そのダンジョン固有のモンスター

>イレギュラーをはるかに超える強さを持つ

>イレギュラーがダンジョンのバグだとしたら、ユニークはダンジョンのチートみたいなもの

>ようするに見たらすぐ逃げろってこと

>普通はな

>中級ダンジョンのユニークとかもう笑うしかないwww

>もはや5桁レベルでは?

>人類でどうこうできる存在じゃないな

>人類には、な

>まさかボスまで怯えてたり……


「大丈夫です。ここの出口を守るモンスターはいつも一緒なので、何度か倒したことがあります」


神殿ステージのボスはいつも同じだ。

おかげで台詞も暗記してしまった。


『よく来た人の子よ。我が最後の試練だ』


というのがいつもの台詞だ。


けど、今回はなぜか違っていた。

二つの頭はどちらも、見てすぐわかるほどに鋭く俺をにらみつけており、武器を手にした4つの手はメキメキと音を立てていた。


俺が近づくと、2つの剣をズドン! と地面に突き立てた。


『よく我が前に顔を見せられたな人の子よ!!』


ガチ切れだった。

えー、なんでだろう?


「うーん。なんでこんなに怒ってるんでしょうか? いつもはもっと紳士的なんですけど」


>知能が高いからじゃね

>きっと全部覚えてるんだよ

>どうみてもミノタウロスベースだしなあ

>むしろミノタウロスの神まである

>あれだけ虐殺すれば多少はね?

>モンスターにも同族意識はあるって事か

>お前は今まで食べたパンの枚数を覚えているのか?

>悪役ムーブで草

>よくみたら部屋の隅にガタガタ震えてるミノタウロスいるんだがwww

>ここまで逃げてきたのかかわいそうにw

>そりゃガチ切れもするわ


なるほど。いつもは多くてもモンスターハウス一回分しか倒してなかったけど、2回分倒すと怒るみたいだな。


『人の子よ楽に死ねると思うなよ! 我が同胞の恨み、ここで晴らしてくれる!

 神よ、我に力を!!』


剣を後ろにある神の像に掲げて叫ぶ。

莫大な魔力が神の像からボスへと注ぎ込まれた。


『ウオオオオオオオオッッ!!』


すさまじい光が聖堂内にあふれ出した。


「さて、神殿ステージのボスはいつも同じです。

 台詞はいつもと違いましたが……立ってる位置も、その後の展開も同じでした。なのでここから先もいつもと同じでしょう。このあとボスは加護を得て超強化され、一時間は無敵というチートモードに入ります」


>え? 無敵?

>それズルすぎない?

>いうてケンジくんの攻撃は効くんでしょ?


「いえ、加護を得たボスには一切の攻撃は効きません。もしかしたら自分が知らないだけで方法があるのかもしれませんが……少なくとも自分が試した方法はどれもダメでした」


>じゃあどうするの?

>まさか1時間も待つの?

>あのケンジくんが?

>ありえない

>わかった、倒さずに扉を抜けるんだ!

>それだな


確かに倒さない方法もあるけど、そうすると向こうも階段を降りていつまでも追いかけてくるんだよな。なのであまり意味が無い。


「ですが心配ありません。ちゃんと攻略法は確立しています」


莫大な魔力が注ぎ終わり、ボスの姿がさらに2倍ほどに膨れあがった!


『ウガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!』


4本の腕を空に突き上げて咆哮する。

聖堂が怯えるようにビリビリと震えた。


『これで貴様は──

「今です」


俺はダッシュしてボスの目の前に移動すると、拳を正面に突き出した。

それは大きくなったボスのちょうど股間を打ち抜く!!


『ぱぎゃぁぁあん!?』


>wwwww

>wwwww

>聞いたことない声したけどwwwww

>いてぇwwwwww

>こ れ は ひ ど い


……ずぅぅぅぅん。

音を立ててボスが倒れる。

これで討伐完了だ。


「ボスは加護を受けると黄金色の光に包まれます。だけど、そうなる前に一瞬の間があるんですね。時間にして0.1秒ほどもあるので、そのあいだに当てれば倒せます。

 最後のボスは毎回同じです。立ってる位置も同じなので、最速で弱点に攻撃を当てられるよう練習しましょう。慣れればワンパン余裕です」


>弱点を狙いましょうwwwww

>ボス泡ふいてるじゃんwww

>ワンパンは慈悲

>何度も打ち抜いたらかわいそうだもんな

>やめて!ボスのムスコのHPはもう0よ!


そうだな。あそこは痛いよな。

でもさすがにボスだけあってタフみたいで、他の場所だと倒れそうになっても踏ん張ったりして、時間がかかったりするんだよ。

あの弱点だと即死するから、一番早く倒せるんだ。

だからしかたない。許してくれ。これもタイムのためなんだ。


ちなみにその話をしてるあいだ、シオリはきょとんとしていた。

そうだよな。わからないよな。

でも男にとってそこはマジで弱点なんだ。

だからなにかあってもそこを攻撃するのだけはやめてね?

読んでいただきありがとうございます!


この作品はなろうコンに応募してます!

面白い、続きが読みたいと思っていただけたら、ブクマや評価、コメントなどで応援していただけるととっても嬉しいです!

どちらも大変モチベーションアップになりますので、ぜひよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です。 全くの余談ですが…股間クラッシュを受けた場合男性の場合はタマ爆発&最大ダメージの際は股関節死亡→超スピードで病院行って処置すれば助かる可能性は有りますが、女性はタマと…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ