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逃亡聖女は引き籠もりたい  作者: 橘可憐


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習い事


「このままで行くと宿泊施設の部屋数を

少々増やさなくてはならない様です」そうエドガーが言った。


私が居酒屋キッチンカーの手伝いを頼むと言っていたので

ロックさんに宿泊施設の仕事をさっさと教え込み

「やる気もある様ですし覚えも早かったので助かりました

マッシュ達も覚えが早く物足りなさを感じているようです」

朝頼んだ事をすべて終わらせエドガーはそう報告して来た。


私はその報告を受けみんなのその様子に少し不安を感じて

「本当にもう任せても大丈夫なの?」そう聞いていた。


「それ程難しい仕事でもありませんし

何かあったら知らせる様に言ってあります

アウラ様も気に掛けておいでの様ですから大丈夫です」

そうきっぱりと言うエドガーに何か頼もしさを感じた。


アウラも最近私の周りをうろついていないと思ったら

彼方此方心配して回ってくれていると知って

その思いに応えるべく私もしっかりしなくてはと思った。


「教会の子を後4人雇う事にしたのだけれど

エドガーはどう配置したら良いと思う?」

私はエドガーに相談する様に聞くと


「会ってみて適性を判断してからでないと何とも言えません

でもマッシュは温泉施設を任せても大丈夫だと思います

セリスはマリーさん以上に冒険者をあしらうのが上手く

もしかしたら商売上手の様に見受けました。

レオはセリスとは反対に接客よりも

何か技術を身に着けた方が良さそうに感じました」

私はその的確な判断と見る目に驚いてしまった。


エドガーって何処まで優秀なんだろう

こんな所で働かせているのが勿体ない位だと本当に思った。


なのでつい余計な事を聞いてしまった

「エドガーって誰かに何か教わって来たの?」

すると少し言い淀み考える様にしてから

「宰相に色々と教えて頂いてました」

「宰相ってあの国の偉い人?」

「そうですね」

「えええええ~~~」私はつい大声を出してしまった。


「じゃあこんな所でこんな事している場合じゃないんじゃない

国の方でも困っているかも知れないよ?」

私がそう訊ねる様に言うと

「間者だと疑われるかと思ってました」エドガーはそう言い

「私は今とても遣り甲斐を感じているのです」そう続けた。


「疑った方が良かったのか」私は何気にそう言うと

「あなたのそう言う所が好ましいのです

ココでフィリス様とご一緒出来て信じられる人に囲まれ

頼りにされて仕事が出来る事に感謝しています」

改めてそんな事を言われなんと返事をして良いのか困った。


なので話を逸らす様に

「帳簿付けを考えているんだけど私は出来ないんだよね

誰か出来る人が居てくれると任せられるんだけど」

私がそう言うと

「私も残念ながら商業向けの帳簿付けはした事がなくて」

そうエドガーが答えるのを聞いて

「商業向けって何?」そう突っ込んで聞いてしまった。


「国の財政に関しては少し教わった事があるのですが

その帳簿付けと言うのが理解で出来ませんので

商業向けに何か特別な事があるのかと思ったのです」

そんな事を言うエドガーに

「基本はそう変わらないと思うんだけど」と独り言ちて

「だったら習えば理解できるかも知れないって事だよね」

思わずそう言ってしまった。


そして等価交換様に通信教育って可能かしらと尋ねると

「可能です」と言う答えに私は小躍りをした。


「エドガーその帳簿付けを習ってみる気は無い?」

私は自分の都合を押付ける様に聞いていた。


自分で習う気は無いのかいと自分で自分にツッコミながら

エドガーが経理関係もしてくれるなら助かると考えていた。


するとエドガーは

「習えるのでしたら習ってみたいです」そう答えたので

「でも本を読んで一人でその本から習う方式だけど良い」

改めて確認すると「勿論です」と答えるので

私は早速等価交換様に簿記関連のテキストをリクエストして

勿論翻訳も頼んだ。


すると等価交換様は早速教材を取り揃えてくれていた。


それをエドガーに渡すと目を輝かせて本を開き喜んでいる。


私は暫く簿記の勉強に専念して良いと伝えて家へと帰し

どうせならマッシュ達にも何か習いたい事が無いか

それぞれに聞いてみようと思った。


別に無かったらそれはそれで良いし

この世界の子達のやる気に少しでも貢献出来れば

また新たな世界が広がるかもしれないそう考えたのだ。


どうして自分で習わないと言うツッコミが

アウラ辺りから来そうなので

私も何か身に付けられる様に考えてみようとは少しだけ思った。


そうしてマッシュの所へ出向き仕事ぶりを確認しながら

「何か習い事が出来るとしたら何がしたい」そう聞いてみた。


「習い事ですか」そう聞かれ

「私も詳しくないけど帳簿付けとか調理とか絵を描く技術とか

仕事に役立ちそうな事を習えるとしたらの話だよ」

そう答えると

「俺は今日教わった仕事に改良の余地があると考えているので

他に何かを習っている余裕はないかも知れません」と

何やら温泉施設の仕事に従事する気満々らしい回答が来た。


それはそれで良い事なのだろうと考えて

「じゃぁ余裕が出来たらまた考えてみて」そう言って別れた。


次にセリスの所へと行くと冒険者達を相手に

セールストークを展開して衣服などを次々と売っていた。


ココにある品々を片っ端から売り払うつもりじゃないかと言う

そんな勢いで売り付けまくっているのに驚いた。


エドガーが商売上手だという訳だと納得してしていた。


「あっ、お姉様~いらして下さったのですね」

私を見つけたセリスがセールストークを中断して手を振ってくる。


私は一気に恥ずかしくなり

「後で話があるから」そう言って逃げる様にその場を離れ

そしてレオを探すけれど姿が見えず

仕方なくマッシュにレオの所在を尋ねると

「男湯で温泉の温度を確認してます」

と言うので呼んでもらった。


「何かご用でしょうか」そう尋ねるレオに

「帳簿付けとか料理とか絵を描く技術とか

仕事に役立ちそうな事を習ってみる気はある」そう尋ねてみた。


するとレオは暫く考え込んでから

「何か習って欲しい事はありますか」と聞き返して来る。


私は聞かれた意味が分からずに「どうして」と尋ねると

「何か習って欲しい事があってそう言う考えに至ったのかと

そんな風に思っただけです」と答えるので

「そうねはっきり言えば習って欲しい事もあるけれど

レオが本当にしたい仕事を見つけて欲しいと言う考えもあるの

ココを手伝ってくれるのは嬉しいけれど

人生は長いからどうせなら遣り甲斐を感じて仕事をして欲しいの」

私がそう説明すると

「じゃぁ僕はその習って欲しい事を習います」と答える。


「だからね押し付けたい訳じゃ無いのよ」さらに言うと

「何がしたいかなんてまだ考えもつきません

今は色んな事を学んでみたいのです」そう言われ

私はそれもそうかと妙に納得して

レオって私が思う以上に色々と考えているのだと思っていた。


「今一番必要なのは帳簿付けが出来る人で

次は調理が出来る人が欲しいと考えているの」

私は素直にレオにそう言うと

「良ければ両方やってみて決めても良いですか」そう言われ

「じゃぁまずはエドガーと一緒に帳簿付けを習ってみて」と

フィリス師匠の家を教えエドガーを訪ねる様に言った。


「しばらくはエドガーと一緒に色々習ってみて」

そうレオを送り出し

その後マッシュにその話を伝えた。


「レオはその方が良いかもな」そう言うマッシュに

「ココは暫く一人になるけど大丈夫」そう尋ねると

「任せとけ」と力強く答えていて少し安心した。


そして改めてセリスの所へ行くと冒険者達は既にいなくなり

待ち構える様にしてセリスが立っていた。


「お姉様、宜しければ売店を作ってくださいませ」

いきなりそうエリスに提案された。


「やっぱり店構えがある方が売りやすいですし

商品も色々と並べられて良い事尽くめだと思うのです」

もうすでにやる気満々のセリスに

「分かった売店は早急に検討するね

それよりさっき聞きたかった事を聞いても良い」と

私はセリスの申し出を受けてから本来の目的に移った。


「何ですのお姉様」いまだにお姉様呼びのセリスに辟易し

「お願いそのお姉様呼びはもう勘弁して」と私が頭を下げると

「聞きたかった事があるのじゃなかったのですか」

そう話を逸らされてそれ以上強く出る事もでず半ば諦めた。


「帳簿付けとか調理とか絵を描く技術とか

仕事になりそうな事を習う気は無いかと思ってね」

私はやや投げやりにセリスに聞くと

「ココの売店の販売も帳簿付けが必要ですか」

そう聞き返され悩んだ。


「必要と言えば必要だし必要ないと言えば必要ないなぁ」

私がそう曖昧に答えると

「帳簿付けは得意な方にお任せしますわ

私は少しでも多くここの商品を売って見せます」

エリスはそう力強く答えていて

私はまた改めてこの世界の子達のやる気に触発されていた。


私は『私もやって見せますわ』と心の中で叫びながら

って何をだ?とひとりノリツッコミして

居酒屋キッチンカーへと戻り素材買取と販売を始めた。


エリスの意見を参考にするなら

やはり素材買取の店舗も必要って事になるよね

色んな人の色んな意見を聞くのも

結構参考になる物だとつくづく感じていた。


しかし私の場合倉庫みたいなのは必要ないし

こればかりは等価交換様頼りなので他の人に任せられないし

店舗で場所を取るのは管理が大変な気もしないでもない

そう考えるとついいいかなって気になってしまうんだよね。


取り合えずこの居酒屋キッチンカーを

エドガーに任せられる様になったら改めて考えようと決めた。


そうして温泉から戻って来たノームに

エドガーの宿泊施設を大きくした方が良いと言う提案と

セリスの売店の提案を伝えると

「それじゃさっさと済ませて来るか」と

ノームは温泉施設へさっさと戻って行った。


それからサラマンダーにシスターと子供達の事を聞かせた。


まだ決めなくてはならない事が沢山あるけれど

取り合えずココを手伝って貰うために雇い入れた事などだ。


「大分大所帯になったけどその分私も頑張る」と宣言すると

「以前から掛け声ばかりの様ですが」とアウラに言われ

「あまり力まなくても良いのよぉ」

とウィンディーネ慰められ

「子供達の事は感謝する」と何故かサラマンダーに感謝され

「コーちゃんをいつも応援してますの~」

とシルフに応援された。


精霊達はいつも私に温かく本当にココに居てくれて良かったと

私はそうつくづく感じていた。



読んでくださりありがとうございます。

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