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逃亡聖女は引き籠もりたい  作者: 橘可憐


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プロポーズですか?


ウィンディーネは一人の冒険者を連れて戻って来た。


「うふふ、何かねぇ複雑な理由があるらしいのよぉ」と

ウィンディーネは勿体付けた言い方をしながら

冒険者の方をチラッと見やった。


冒険者はしばらくの間立ち尽くしたままでいたけれど

諦めた様に口を開いた。


「私はあなたを連れて行かないと国に帰る事も出来ません

どうか私と一緒に来ては頂けないでしょうか」って


「それってもしかしてプロポーズかしら」と

私はあまりの内容に思わず口走ってしまった。


いや、そうじゃ無いのは分かっているけれど

そう言う恋愛に関しては経験値なんてまったく無いのに

憧れだけはあって知識だけは豊富な耳年増には

口説かれている様に聞こえてしまったですよ。


ましてやちょっと影のあるイケメン風で

スタイルも良いキラキラの妙齢の男性の発言ですよ

フィルターどころかエフェクトまで掛かってますよ

ついついおかしなことを口走っても許してください。


私の反応を見たウィンディーネはおかしそうに笑いだし

「あらあらあらぁ」とからかう様に言うので

私は恥ずかしくなり顔を真っ赤にしてしまった。


そして冒険者も申し訳なさそうに

「いやそうではなくて」と言い淀んでいるので

私はますます恥ずかしくなり気まずくなる程狼狽えていた。


すると冒険者は居住まいを正し

「私はサーゲイト国の国王様直々に命じられ

諸悪の聖女捕縛命令を受け賜わりこちらに赴いた次第です

最悪は死体となっても構わぬので

この森に自由に出入り出来る様にしてまいれと言うご命令

それを果たさずして国に帰るなど到底出来ません

しかし私にはどうあっても貴女を捕縛する事も

また殺害する事も出来そうにありません

このままでは私は国王に合わせる顔も無く

どうしたものかと悩んでいた次第でございます

けして宿泊費の踏み倒しなどとその様な事考えてもいません

どうぞお許しください」と理由を長々と話して来た。


「いやお金を払ってくれるなら別に私は何の問題も無いよ」


私は話の内容などすでに頭をスルーしていたので

一番肝心な所だけ確認出来た事でその様に返事をすると

「一緒に来て頂けるのですか」と的外れの返答に

「私はココから一歩も出る気はありません」そう答えると

「やはりダメですか」と肩を落としていた。


「でもさ、この森へは4人以下のパーティーなら

誰でも入れる様になった筈だよ

だから王様の命令は果たせてるんじゃないの」

私が取り合えず思った事を言ってみた。


「出入りは自由になったのですか?」と聞き返され

「そうだね大人数で戦争でも仕掛けて来ない限り

出入りは自由になってるよ

第一あなたもココに居る冒険者達も実際入っているじゃない」

少し呆れながらそうきっぱりと答えると

何故か冒険者はありがとうございますと何度も言って

「それでは一度国へ帰り報告して参ります」と

何やらまた来る宣言に聞こえない事もない事を言いながら

宿泊施設の方へと帰って行った。


「コオはこれから大変ねぇ」と

その冒険者を見送りながらウィンディーネは呟いている。


「えっ、何が大変なの?」私が聞き返すと

「プロポーズが続出する予感がするわぁ」と

本当におかしそうに含み笑いを浮かべるウィンディーネに

私は揶揄われているのだと悟りため息をついた。



そろそろ居酒屋キッチンカーの営業時間だと言うのに

シルフはローズちゃんに付きっ切りだから許すとして

アウラも帰ってくる気は無いのかしらと心配していると

ウィンディーネが「その時は私が引き受けますわぁ」と

信じて良いのかどうか迷う事を言って来たけれど

こうして助けようとしてくれる気持ちが嬉しいと思っていると

そこへノームとアウラが連れ立って帰って来た。


「ココへの目安になる道は作って来たぞい

ただし馬車は通るのに難儀するだろうがな」と

怪しげに笑うノームにはきっと何か企みがあるのだろう

私はそう感じていた。


「何やらご心配頂いた様で」と言うアウラに

「大丈夫ちょっと不安になっただけだから」と返すと

「ウィンディーネが居てくれましたからね」と

やはり精霊達の絆を感じそして守られていることを感じていた。


何となく一人じゃ無くと良かったと思っていた。


本当に精霊達と出会えて良かった、心からそう思った。


「それで何処を改築するのかのぉ」とノームに急かされ

私は休憩室と温泉施設に設置する

軽食用の自動販売機を等価交換様から購入した。


ハンバーガーやパスタや炒飯などを

自販機にあるレンジで温めて食べられるタイプの物と

カップ麺やカップヌードルにお湯を注ぐタイプの物で

レンジタイプを簡易休憩所の前に

お湯を注ぐタイプの物を温泉施設に取り付けて貰った。


そして温泉施設の一画を改築して

そこにコインランドリーを作って貰った。


洗濯層を2台乾燥機も2台取り付けて

一応誰でも使える様にはしたが

どれもこれも使い方の説明が必要だと考えて

エドガーとマリーさんにその使い方をレクチャーした。


するとエドガーが一応説明書きを作って

それぞれに張り付けておくことを考えてくれたので

それは任せる事にした。



こうしてココへの道問題も

冒険者達の食事の問題も洗濯の問題も一応解決し

私は一段落した気分になっていたが

「のぉ、ほらぁ、あのな」と言うノームに

そっちの問題が片付いていなかったと思い出し

「分かってますよ」と一緒に居酒屋キッチンカーへと向かい

特別のお酒とウイスキーを何本も提供したら

歓喜乱舞の様相を見せていつもの席へと座り早速飲み始めていた。


ノームが飲み始めたのが合図になったのか

冒険者達も集まり出していつもの賑わいを見せていた。


するとシルフも戻って来て

「遅れてすみませんですの~」と言うので

「今日はローズちゃんと一緒じゃ無いの」と聞くと

「お仕事サボっちゃダメって言われましたの~」

と肩を落とししょんぼりするシルフを少し心配したが

「ローズちゃんに叱られたんだね」と言うと

「そうなのです~また今度遊ぶのです~」と

次の予定を楽しみにし出したシルフを見て安心した。


「じゃぁ今日も頑張りますか」と気合を入れて

私はシルフとアウラにお願いしますと声を掛けていた。


そう、ウィンディーネはすでにノームと飲み始めていた。



読んでくださりありがとうございます。

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