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逃亡聖女は引き籠もりたい  作者: 橘可憐


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ランチタイム営業


「ねえウィンディーネ

ノームに途中でも一度帰ってくれる様に伝えてくれない」


私がウィンディーネにそうお願いすると

「何か急ぎの用事なのぉ」と聞いて来るので

「冒険者達のごはん問題の解決でね」と私が言うと

何やら念話を送ってくれていた。


そうお金の心配が無くなった私は

軽食用の自動販売機の設置やコインランドリーの設置を

急ぎ進めたくなったのだった。


「アウラも手伝っている様で大分進んでいるみたいなのぉ

後少しで終わるからもう少しだけ待てって言っているわぁ」

そうウィンディーネに言われ

ノームの仕事の速さに本当に驚いていた。


「だってまだ何日も経っていないよ?

確か3方向に道作るって言ってたよね。

3方向だよ、3本の道、そんなに簡単に作れる物なの?」


「獣道に毛が生えた様な物よぉ

飛び回るついでに道を均していく程度の事よぉ

最近ますますレベルを上げたノームには簡単すぎるわぁ」

そう説明してくれたのだけれど

やはり私にはそう簡単に理解出来なかった。


その作っていると言う作業を目にしていないので尚更だが

何よりレベルって何よレベルって?

やっぱり精霊達にもレベルが存在するのかと思っていた。


しかしもうすぐ帰って来るのが分かっただけでも気が休まった。


なので私はそれまで居酒屋キッチンカーで

ランチタイム営業を始める事にした。


「ウィンディーネ、手伝って貰っても良い」私がそう尋ねると

「勿論よぉ、最近は楽しくて仕方ないのぉ」

そう言って椅子から立ち上がり私の所へ来ると

「私には衣装は無いのぉ」と聞いてきた。


そう言えばアウラとシルフにはメイド服を着せていたんだ。


ウィンディーネもメイド服着たいってって事か?


でもウィンディーネはどちらかと言うと

ナイトドレスとかが似合いそうな風貌なのにどうしたもんか

等と考えて結局白いレースのエプロンを購入して渡した。


「あらぁ素敵な衣装ねぇ、でもこの色は嫌だわ」と

白を嫌がったので赤と黒とそれぞれの色のエプロンを購入し

「どちらでも好きな方を選んで」と言って見せると

「あらぁ、どちらも素敵ね、でもデザインはこっちだわぁ」

そう言って赤のロングエプロンを選び服を脱ぎ出したので

私は慌てて服の上に着けるのだと教えた。


ああびっくりした


危うく裸エプロンを披露させるところだった。


精霊ってそう言う所は常識が無いのだと理解した。


そして折角買った白いエプロンはマリーさんに渡し

黒いエプロンの方は自分が着けることにした。


そうして始めた居酒屋キッチンカーのランチタイムは

瞬く間に冒険者が集まり大盛況だった。


牛丼もカレーライスもハンバーグ弁当も生姜焼き弁当も

唐揚げ弁当もそしてオムライスもお寿司もピザも

どれもこれも喜ばれ何人前も食べる強者も居た。


お酒は全く出さなかったのに誰も文句を言わず

これはもうランチ営業も必須だと感じていた。


そうしてランチ営業が一段落した頃に冒険者が聞いて来た

「何処か素材を買い取ってくれる所は無いだろうか」と


「素材なら買い取りますよ」私がそう言うと

「いや助かる、そろそろ軍資金が尽きて来て困ってたんだ」

そりゃそうだよいくら何でもココに滞在し過ぎだって。


ココは君たちの財布を空っぽにするために作った場所だよ

帰りの旅路の事を考えると返って心配になるよ

私は少々の罪悪感から冒険者達の事を心配していた。


私が素材買取を希望した冒険者に以前の冒険者にした様に

帰りの備蓄食料と交換での素材買取を申し出ると

冒険者は喜んで受け入れていた。


なので今回はビーフジャーキーと干芋とカロリー〇イトと

ドライフルーツにナッツ類をチョイスして見せると

ビーフジャーキーと干芋とカロリー〇イトを望まれ

試にと試食を出して見せると瞬く間に冒険者達が群がり出した。


冒険者は素材買取価格の全部と交換してくれと言い出し

買取価格を提示してこれ位買えると提示して見せると

群がっていた冒険者達は一斉にどこかへ消えたかと思うと

素材を手に冒険者の後ろに行列ができていた。


そうして暫く素材と備蓄食料の交換会が続き

中には現金で買い取りを希望する人も居たが

現金はかなり回収出来ていたのでなんの問題も無く

順調に冒険者達の帰る支度が始まった事を感じさせていた。


これでココも少しは静かになるだろうし

私もまたまったり出来る時間が増えると思っていた。


それにしてもやはり素材買取や

備蓄食料やその他必要品を購入できる事をもっと広めるか

分かり易く店舗を作った方が良いのかと考えていた。


でもそうなると私は店舗に掛かりきりになると言うか

私にしか出来ない事がもどかしい。


居酒屋キッチンカーのランチ営業も他の人に頼めない。


なにしろすべては等価交換様の能力なんだから。


そうなると私が忙し過ぎて他に何も出来なくなってしまう

そんなのはまったく持って困るんだよね

ゆっくりのんびり楽しく過ごしたいと思っていたのに

現実はどんどんその希望から離れて行くようで

どうしてこうなったと言う感じだった。


私の優柔不断と言うか流れに逆らえないと言うか

小心者な所もあるのに強気になって見たり

精霊達に導かれている様な気もしないでもない所もあり

もうすでに自分で修正不可能な気がしていた。


それでもすべてを投げだし逃げない自分を褒めていた。


居心地の良い楽しいこの場所を守りたいような気にもなっていた。


それでもやっぱりもっとのんびりしたいと思い

なにかうまい方法を考えないとと私は必死に考えた。


考えて考えて考えたけれどうまい方法など何も思い浮かばず

結局今日の要領でしばらく続けてみるしかないと諦めた。


そうして暫く休憩時間をまったり過ごしていると

エドガーが私の所へ来て

「今日で宿泊終了する冒険者が多いようです」と報告に来た。


「良い事だわ、これで少しはゆっくり出来るね」

私がそう呑気に答えていると

「空はすぐに埋まりそうですが問題がありまして」と言う

「問題って何?」私が訊ねると

「ひとりお金も払わず滞在を続ける人が居まして」って

「前金制じゃなかったの?」

「いえ、前金制ですが延長で料金を取りそびれてしまって」と

申し訳なさそうに言うエドガーに

「それは仕方ないね、きっと私でも同じ対処だよ」

私はそう言ってエドガーを宥めた。


「それにしてもどう対処しようか」私が呟くと

「あらぁ、私に任せてくださるぅ」そう言って

ウィンディーネはエドガーを引き連れ宿泊施設へと向かった。


後を追って事の顛末を見届けようかどうしようか悩んだ。


しかしあまり大勢で押し掛けるのもまるで取り立ての様だし

折角ウィンディーネが丸く収めてくれようとしているのに

何か水を差す様な気もして止めておいた。


ここはウィンディーネを信じて結果だけを聞けば良いんだ

私は自分で自分にそう言い聞かせ待つ事に決めた。



読んでくださりありがとうございます。

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