表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
逃亡聖女は引き籠もりたい  作者: 橘可憐


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

84/251

初めての怪我人


アウラが助けた親子は私の回復魔法で回復するやいなや

「主人を助けてください」と懇願する様に

私の身体にしがみついて来た。


アウラはそれを見ていち早く何処かへと飛び去って行った。


うん、助けを求められても私は戦闘の役にはまったく立てない

こういう時はアウラを信じて待つしかない

今は私に出来る事をするしか無いそう思い親子に話を聞いた。


母親はマリーさんと言い女の子はローズちゃんと言う名前で

治安の悪くなった街から逃げ出し他の国を目指していた所

盗賊一味に襲われ父親に逃がされるままに

必死になって辿り着いたのがこの森だったらしい。


父親の安否をひたすら心配する二人に

私は何も言えず何も出来る事も無く祈るしかなかった。



そうしてアウラの帰りをひたすら待っていると

何故かそこにシルフがやって来た。


「アウラちゃんに頼まれたの~」って何を?


「ふたりをコーちゃんの家まで連れてってって~」


そう言うとシルフはマリーさんとローズちゃんを宙に浮かせ

「じゃぁ先に行ってるね~」と言って

二人を連れさっさと飛び去ってしまった。


私は一人取り残されこれからどうして良いのか分からず

一人悶々としているとそれ程待たずして

アウラが父親らしき男性を連れて戻って来た。


父親は既に意識も無い様で弱々しい息を吐いていて

目を背けたくなるほどの血まみれの姿に私は眩暈がした。


良く見れば腕が欠損していて

そのリアルな惨状に私はショックを受け悲鳴を上げてしまった。


するとアウラが叱る様に「早く回復を」と強く言って来た。


その声に私は助けなければと言う強い思いが沸き上がり

急ぎ駆け寄ると回復魔法を掛けていた。


こんなに酷い怪我を自分で治すのは初めてだったので

あまり自信が無かったが欠損もみるみるうちに回復し

体中にあった傷も消えていた。


私は心から回復魔法のレベルを上げておいて良かったと思った。



そうして体力も回復させると父親は意識を取り戻し

そしてすぐさま母親と女の子の心配をしていた。


私はそこに強い親子の愛情を見てなんだか心が温まった。


普通はさアウラと言う精霊の出現に驚くとか

自分の怪我がすっかり治った事に驚く方が先だよね。


自分の事よりも大事な存在って本当にあるんだと感じていた。


「大丈夫ですよ、二人は安全な所で待ってます」

私が父親にそう言うと父親は深い安堵のため息をつき

「助けて頂いた様でありがとうございました」と

私とアウラにお礼を言って来た。


アウラの存在に驚かない事に何となく不信感を抱いていると

この父親はアウラの雷撃を目の当たりにしていたそうだ。


この森を攻撃していた際に陣頭指揮を執っていた一人で

少しは名の知れた騎士様だったらしい。



しかしあの凄まじい雷撃を受けた時

まるで洗脳が綺麗サッパリ解けたかの様な感覚におそわれ

今までの考えがと言うより

すべて言いなりになっていた自分に気付き心から反省し

これからは家族を守りながら生き直そうと決意して

身分を捨て他国へ移住するつもりで街を出たが

それを良しとしない一派に後を追われていたそうだ。



私は話を聞いて何となく腑には落ちたが

しかしその話を何処まで信用して良いのかは分からなかった。


私はそっとアウラを見るとアウラは複雑な表情をしていた。


やっぱり話の全部を鵜吞みには出来ないって事?


私がそう思っていると「戻りましょうか」とアウラが言うので

それ以上この場で何を考えても仕方ないと思い直し

「そうだね二人も待っているだろうし」とそう答えたが

父親のその血まみれの衣服を見たら

親子のショックも大きいだろうと考えて

取り合えず等価交換様から父親の着替えを購入して

すっかりと着替えて貰った。


すると父親は治療代と衣服代だと金貨10枚を出して来て

「今はこれ位しか出せなくて申し訳ない」と言っている。


うん、私も衣服代はともかく治療代の相場は知らないから

これで足りるのかどうかは判断出来ないけれど

くれると言うなら貰っておこうと有難く受け取った。


そうして漸くの様に拠点へと帰るべく

私はお願い帰りも当然飛ばして連れて行ってとばかりに

アウラに身を任せたのだった。



読んでくださりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ