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逃亡聖女は引き籠もりたい  作者: 橘可憐


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昼間に飲むお酒は何故か回りが早く

それ程飲んでいないのにいつも以上に酔っている自覚があった。


まだ自覚があるうちに酔いを覚まそうと水分を補給し

少し昼寝でもするかと精霊達にそれを伝え家へと歩きながら

温泉施設の休憩室でお酒が飲める様にしようかと考えていた。


そうすればその場でゴロゴロ出来て便利だ。


でもそのためには座布団の様な物や枕や毛布も必要だな

等と温泉施設に足りない物を酔った足で歩きながら考えていた。


するとアウラが私の元へと急ぎ飛んで来て

「コオのご存じの方がココを目指しているようですが

何でしたらお迎えにあがりましょうか」と言って来る。


「ご存じの方って?」私が聞き返すと

「フィリスさんとお連れの方の1名ですね」と言うので

フィリス師匠がどうしてまたと言う疑問もあったが取り合えず

「お連れの方って知っている人かな?」そう聞いてみると

「いえ、ココへは初めて来る方です」と聞いて

益々目的が怪しくなった気がしたが

仮にも師匠と呼んだ人が訊ねて来たのだ話位聞いても良いかと

「じゃぁ迎えを頼んでも良い」と答えていた。


「それでは急ぎ連れてまいります」と言うアウラの言葉に

私は昼寝をする所ではなくなったと気を引き締め

酔い覚ましの薬を飲んでフィリス師匠の到着を待った。


何処で待っていようかと色々悩んだが

結局精霊達が宴会を続けている居酒屋キッチンカーを選んだ。


ココなら何があっても安全で安心だと言う判断と

冒険者撃退の為に作ったのだからココしかないと思ったからだ。


「昼寝をするんじゃなかったのか」と言う問いに

「アウラがお客さんを迎えに行ったの」と伝えると

精霊達も少し警戒した様子を見せたが

それでもすぐにまたいつもの様に宴会を楽しみだしていた。


精霊達の変わらぬ様子に私は何の心配も無く

アウラの到着を待つ事が出来た。


そうして暫く待っているとアウラがフラフラになりながら

二人の人間を飛ばし連れて来た。


私はアウラのその様子にびっくりして駆け寄りどうしたのか聞いた

私を飛ばすのは私の魔力を使う事を覚えたので

難なく飛ばしさらにスピードも上げられるが

さすがに自分の魔力だけで人間を二人もここまで飛ばして連れて来るのは

思った以上に大変だったと息を荒くしながら答えている。


それならば私も一緒に行ったのにと言うか

寧ろ一緒だったらココに連れて来る必要も無かったのにと言うと

私が酔っていた様だったので気を使ったそうだ。


「だからそう言う所が真面目過ぎるんだって言うの」

私は思いっきりアウラに説教した。


「迎えに行くのなんて酔いを醒ましてからでも良かったし

寧ろ自力到着を待っていても良かったのに

彼方此方にあれこれ気を使い過ぎだって言うの

アウラが倒れたら周りが心配するって事もちゃんと考えてよ」

私の熱い説教を聞いて項垂れるアウラをかばう様に

ウィンディーネが私を止めに入った。


「アウラも反省しているわぁ、だから少し休ませてあげてぇ」

私はその言葉に確かにアウラを休ませるのが先だったと

深く反省して「ごめんなさい」と誰にともなく呟いた。


すると今まで蚊帳の外だったフィリス師匠が

「ごめんなさい私達の為にひと騒動起こしてしまった様で」と

私達の騒動に割って入る様にして言って来た。


そうだったこの人が一番の騒動の原因だったと思い出し

私はアウラを私の体に入れてからフィリス師匠の話を聞いた。


すると師匠はココでこの先も生活させてくれと言って来た。


自分は聖女を引退した身なので基本自由なのだと話し

ココを強制的に追い出された事にとてもショックを受けて

その後何度かこの森に入ろうとしたが入れず

一時は諦めかけていたが最近この森に入ったと言う

冒険者達の噂話を聞きつけ

サマサさん達とこうして再度訪問したがやはり入れず

しかし完全に諦めきれなかった師匠は

入れないのはサマサさん達と居るせいで

自分だけなら入れるのじゃないかと一人ひっそりみんなから離れ

この森に入ろうと試みたら入れてしまったと

そして何の準備も無くひとり森に入った師匠を心配して

後を追って来た連れの人と二人森を彷徨う事になったらしい。


来た時は馬車の中だったからはっきりとした道も分からず

この場所に辿り着けるか心配でもあったし

荷物は荷馬車に積んだままの状態だったので

諦めて森を出ようと言う連れを振り切り

折角入れたのだからこの機会を逃すわけにいかないと

そう言い張り森を進む師匠と言い争っている所に

アウラが登場してココへ連れて来てくれたそうだ。


どうしても聖女としての集大成である

究極のポーション作りを成し遂げたいとそう懇願する師匠

薬草畑の管理も気になって眠れなかったと言うその言葉に

まったく嘘を感じないと言うか真剣さが滲み出ていた。


私は少しだけ悩んだが

元々師事されるのは嫌だ追い出したいと言いながらも

この場に受け入れていた人だったし

聖女になるつもりはまったくもって無いが

困った時に相談相手にはなってくれて

私の知らない事を教えてくれていたのは確かで

何より何かを成し遂げたいと熱望する人を

そう簡単に無碍にも出来ないと心を決めて

私はフィリス師匠をココに受け入れる事にした。



読んでくださりありがとうございます。

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