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逃亡聖女は引き籠もりたい  作者: 橘可憐
第一章 1
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保存も出来る優れもの


お昼はハンバーガーのセットメニューを購入した。

照り焼きバーガーにポテトとウーロン茶のセットだ。

元の世界で普段食べていた物が食べられる幸せを心から噛み締めた。


時間はまだ昼を過ぎたばかりなのに

一度座り込んでしまったら立ち上がる気力が湧かなかった。


一昨日からの寝不足もあるだろうが

自分の体力の無さをつくづく実感していた。


歩きづらい道を魔物を倒しながら歩いてきた事で

足は棒の様に怠くなっているし身体も重く感じていた。


汚れがスッキリしてお腹が膨れたら尚更に全身に疲れを感じていた。


そうだ、シスターに頂いた魔法の書を

立ち上がる気力がない今こそ読んだら良いのじゃないかそう考えた。


肩掛けバックから回復魔法の書を取り出して読み始めると

回復魔法について詳しく載っている。


魔力の練り方から発動のイメージそして魔法の種類と名前等々

初級魔法だけの様だったのできっと中級とか上級もあるのだろうが

まったくの素人同然だった私にはとても有難かった。


ヒールと言う体力回復魔法とキュアと言う状態異常回復魔法の2種類

取り合えず本に書かれた通りにまずは魔力の練り方から練習してみる。


初めは全身に流れる様にイメージしながらと言うので

血液の循環をイメージしてみるが心臓から手足の先に流れて行くだけで

なかなか上手く全身を巡ってはくれない。


何度も挑戦してみるが流れが固いと言うかどこかで詰まっている感じ。


でもこの魔力の練り方が上手くなったら

きっと魔法ももっと上手に操れて浄化もスムーズになる筈

そう信じてとにかく練習あるのみとイメージに励んだ。


気が付くと日が傾きだしていて服も何となく乾いてきていた。


今夜はここで寝る事にして等価交換様に寝袋とご飯を要求した。


寝袋っていったいいくら位するのか不安だったが

寝心地の良さそうなのがタイムセールで3000円で買えた。


夕飯は軽くパスタで済ませ

水分補給のためにペットボトルのお茶を何本か買っておいた。


ゴミは等価交換様が回収してくれて有料で処理してくれるので

100円分のゴミが溜まったら処理してくれる様に頼んでおいた。


天気は大丈夫そうなので服はそのまま干しっ放しで結界を張り

川辺の砂利をどけてなるべく平らに整地して

そこで寝袋に包まって今夜は眠る事にした。


翌朝うるさくて目を覚ました。


結界に突進して私を攻撃しようと試みている魔物が数匹集まっていた。


範囲結界にしておいて良かったよ、

じゃなかったら今頃は突進されて転げまわっていたかも知れない。


そんな呑気な事を考えながら寝袋から出て

『浄化』で魔物達を討伐していく。


狼の集団だった様で狼が8匹も居たが1匹づつ確実に倒して行った。

全部で39000円になってびっくりした。


森の中を探し回るより襲われるのを待ってた方が効率がいいかも

そんな事をふと考えてしまったけれど

この国に留まっている訳に行かないのを思い出し

服をバックにでも仕舞おうと手をかざすと黒い渦に吸い込まれた。


一瞬焦ったが『保存する』を選ぶと

ちゃんと等価交換様が保存してくれている。


と言う事は、ちゃんと取り出しも出来るんだよね?


「出来ます」


「じゃぁ保存の為だけに預ける事も可能って事だよね」


「可能です」


「それってどの位の容量が可能なの?」


「容量ではなく数です」


「大きさは関係無いって事?」


「そうです」


「保存状態はどうなるの?」


「劣化はありません」


「それって考えようによってはかなり便利だよね」


「便利ですか?」


便利だよ、便利に決まってるじゃない

バックを持つ必要が無くなるって事でしょう。


「お金は保存可能なの?」


「無理です、現金に加算されることになります」


「円に変換して加算されてしまうって事か」


「そうなります」


「でも凄く助かります、これからもよろしくお願いします」


私は等価交換様の有難みを改めて感じ心から感謝した。



読んでくださりありがとうございます。

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