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逃亡聖女は引き籠もりたい  作者: 橘可憐


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赤字営業


ノームやアウラが戻るより先にシルフが冒険者達を連れて戻って来た。


「お客さんを連れて来ましたの~」と

にこやかに言うシルフとは対照的に

冒険者達はおどおどした様子で辺りを見回している。


「ココへ座ってくださいの~」とシルフに勧められるままに

冒険者達はテーブルに着くと

「何を飲みますの~」と聞かれるままに

「エールを」とおずおずと答えている様子を見て

シルフの接客技を褒めれば良いのか

強引さを抑える様に言えば良いのか迷う程だった。


すると今度はウィンディーネが冒険者達に向かって

「ココの飲み物はどれもこれもとっても美味しいのよぉ」と

他にもいろんな種類の飲み物があると

それはそれは丁寧に教えている様子が

何処かの高級クラブのママさんの様で

私は心の中でここは『ぼったくり』はしませんからと思っていた。


結局エールは無かったので『取り合えず生』の定石通り

キンキンに冷やしたジョッキに生ビールを注いで出すと

冒険者達は見た事も無いビールジョッキに警戒していたが

その魅惑の黄金色には勝てなかったようで

ビールを口にするとその冷たさとのど越しと味に感動して

すっかりと警戒心も不安も無くしている様だった。


「ココは食べ物も何でもありますの~」と

シルフは冒険者達に食事も勧めていたが

「何があるんだ」と聞かれ困っている様だった。


その様子を見ていて私はやっぱりメニューも必要だったかと

今頃になって思っていたが、メニューを作るすべが無いので

どうしたら良い物かと考えていた。


すると等価交換様が「メニューの作成依頼を出しますか」と聞くので

私はすっかりと驚いて「そんな事も出来るの?」と聞き返していた。


「購入できる物は何でも出来ます」等価交換様のその回答に


「まぁ技術を購入すると言う考え方なのかも知れないけど

それを言ったらもう対価を払うものなら何でも購入できる

そう言う理屈になって物じゃなくても買えるって事になるよね?」

私は思ったままの疑問をぶつけてみた


「いえ、あくまでも現物が無い物は無理です」

少々納得がいかない回答ではあったが無理やり納得し

別の疑問をぶつけていた。


「それでそのメニューは誰が誰に頼んで手に入れるの?」


「それは企業秘密です」ときっぱりと等価交換様が答えてきた。


企業秘密ってとかなり呆れてしまったが

それ以上聞いても無駄なのだろうと私は詮索するのを諦めた。


それにしてもメニューを作るとなると

まずはこの居酒屋キッチンカーで提供するメニューを

ある程度決めないといけないのかと頭を悩ませたのだった。


そしてこの際この世界の冒険者がつまみや食事として何を好むかを

この冒険者達で調べさせて貰おうと考えついて

今日は初のお客様なのでサービスしますと宣言して

つまみや食事をあれこれあれこれ出してみた。


ビールのつまみと言う事で焼き鳥色々に枝豆や塩辛豆腐

そしてあたりめやチータラにナッツと言った乾き物、

焼きナスに漬物に卵焼きにポテサラにウインナー炒め

タコ唐にイカバタにホッケの干物にお刺身の盛り合わせ

それから食事にもなる唐揚げに生姜焼きにハンバーグ等々

冒険者達に選ばせるのではなく私の好みで思いつくままに出した。


しかしそのどれもこれも残さず美味しいと言って食べていて

結局どれが好みだったのかはいまいち判断出来きず

結局今日も赤字営業をしただけだった。


そうしてすっかりと肩を落としているとノームとアウラが帰って来た。


「しっかりとした橋を架けて来たぞい」

「とても頑丈で立派な橋が出来上がりました」と

二人揃って嬉しそうにそう報告して来た。


「取り合えず2カ所に設置してきたぞい

これで大分この森の中も移動が便利になっただろうて」

そう言うノームとアウラに私はお礼を言ったけど

心の中では私がお礼を言う事だったのかと疑問を感じていた。


しかし森の中の移動が便利になるって事は

この先私も利用する事もあるだろうしと思い直し

ウィンディーネに言われ用意しておいた

とっても美味しいと有名なアップルマンゴーをみんなで食べた。


やっぱりみんな揃って食べる果物は特別美味しかった。


冒険者達はすでに酔い潰れていたので放置していたが

考えてみたらこのままにしておくことも出来ず

悩んだが一番近場に建ててあった家に布団を用意して

精霊達に運んでもらい寝かしておいた。


私の冒険者撃退計画も始まってみたら穴だらけで

この先随分と手直しと反省が必要だと考えさせられたのだった。



読んでくださりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] この店をこの森で営業する意味がよく分からないな。
[一言] 迷走
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