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逃亡聖女は引き籠もりたい  作者: 橘可憐
第一章 1

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当然のこと


サマサさん達が拠点に戻って来たのだが

他の馬車達がこの森に入れずに困っていると言う。


そう言えばサマサさん達だけにしか

この森への侵入許可を出していなかったのを忘れていた。


と言うか、「そんなに大勢で来たんですか?」

私はそのあまりに多い人数に驚いていた。


研究者と言うからせいぜいが5人とか多くても10人位だと思っていた。

私は動揺を隠せず思わず

「この人達全員ここに滞在する訳じゃ無いですよね」と聞いていた。

すると後からまだ何台か来る予定だと言う。


何で?


どうして?


そんなの聞いてないよ~~~


取り合えずどうしてそんなに大勢で押し寄せたのか聞いてみた。


すると当然研究者だけで来るわけが無いだろうと言われ

当然なのか?と思っていたのだが

この世界の研究者とはお偉い方々なので

研究以外の事をさせるための

使用人などが付いて来るのが『当然』なのだそうだ。


私はそんな『当然』など知る由も無く

凄く戸惑った上に何となく嫌な気分になった。


まるで私が常識知らずの様な言われ方も面白く無かったが

静かな私のお気に入りのこの場所に

知らない人達が一気に大勢でズカズカと裸足で踏み込んで

そんな私の思ってもいなかった『当然』を持ち込まれるのが嫌だった。


馬鹿にされている様で本当にムカムカした。


モヤモヤを通り越して気分が悪かった。


そしてよくよく聞いてみれば、当の研究者達は後から来るそうだ。


この場所に生活しやすい環境を整えてからでないと

ここへは来られないらしい。


生活しやすい環境ってなんだよと思っていたら、

研究者様やその使用人達に不便が無い状況を維持するため

考え得る限りの施設を用意するのだそうだ。


確かに私もこの世界に来て不便を感じて

オール電化の家を目標にしてたよ。


引き籠り生活に必要な品々を欲しいと渇望したよ。


だから生活環境が変わるのが嫌だとか不安だとか言われれば

その気持ちは分からない事も無いよ


でもさ、何か違う気がするんだよね。


私が頼んだ事でもないのにお偉い研究者様達に大きな顔されて

さも当然だとここに村を作られるのかと思うと

もうすでに何だか私が思い描いていた理想とはかけ離れすぎて

我儘だと言われようがなんだか許容出来ないそう思い始めた。


その人数でもう私に何の勝ち目も無いと不安が押し寄せた。


私に関わらなければ良いとは言ったけれど

そこまで好き勝手にして良いと言う意味じゃなかった。


少しばかりこの世界の助けになればと言う軽い考えで

深く考えなかった私も悪いかも知れない。


でも、この世界の常識をまったく知らなかったとは言え

このやり方はグロシアートの王様に近くなっているよね?


自分の利益だけを考え、さも当然を押付けて来るこの状況


そしてそれが当たり前で自分の仕事をしているだけですと言う

サマサさん達はあの無能青年と何の違いも無いよね。


既に私を利用する事しか考えていないよね。


私はグロシアート国と何ら変わらない今のやり方は気に入らないと

はっきりきっぱりサマサさん達に伝え

フィリス師匠を連れてすぐにでも森から出て行ってくれと言っていた。


そしてしばらくはこの森を留守にするので連絡も取れないし

サマサさん達の森への出入り許可も取り消すと伝えた。


頭に血が上っていてアウラに何も相談もせず

子供が駄々を捏ねる様な事を言ってしまっていた。


するとサマサさん達はかなり焦って謝って来たが

私はもう聞く耳を持たなかった。


しばらく時間を掛けて私を説得するつもりなのか

少し大人しくなったサマサさん達は

森から出て行く気配をまったく見せないので

私は痺れを切らしシルフとアウラに相談をした。


折角アウラがこの森の開拓許可を出してくれたけれど

私が許せなくなったのであの人達に出て行って欲しい事

そしてシルフの森に出かけたいのに居座られて困っている事を。


するとアウラは私が嫌な事はしなくて良いと慰めてくれて

シルフはあの人達を森から追い出せば良いんだねと

サマサさん達を森の外へと強制的に運び出していた。


アウラが折角町を作る許可を出し何か考えもあっただろうに

私の気分が悪いと言う我儘を聞き入れてくれた事が嬉しかった。


私を叱らずに意見を尊重してくれた事が本当に本当に嬉しかった。


だから私も精霊達の力になれる様になろうと心から思っていた。


そして心からシルフとアウラが味方で良かったと感謝していた。



読んでくださりありがとうございます。

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