どうしてこうなった
私はサマサさん達との約束の日まで
アウラと空いた時間で薬草の勉強をして過ごした。
アウラは薬草にも詳しくてそれはそれは丁寧に色々教えてくれた。
アウラは魔力を注ぐ場所へと移動しては
加減をしながら魔力を注ぎそして拠点へと帰って来て
魔力が戻るまでの時間を私と過ごす様にしてくれていた。
なので私はアウラが出かけている間は
家で独り引き籠り生活をダラダラと堪能し
アウラが一緒に居てくれる時は極力薬草の事を学んだ。
時には薬草を探しに出かけたり
時には畑を作り薬草の種を蒔いたり苗を植えたりと
そこそこ忙しく楽しい時間を良い距離感で過ごしていた。
そうして迎えたサマサさん達との約束の日
私とアウラはサーゲイト側の森の入り口へと移動して
この後の事を話し合った。
アウラはサマサさん達に姿を見せる気は無いと言うので
それを了承してサマサさん達がいる間は
私の寝室を落ち合う場所に決めた。
そうしてサマサさん達の荷馬車を確認してから
サマサさん達だけに森への侵入を許可するとアウラは姿を消した。
「待っていてくれたのね」と手を振るサマサさんに
結界の話をして今森へ入れるのはこのメンバーだけだと説明した。
サマサさんはそれを了承して森へと入ると
森の様子を感じ取った様で凄く驚いていた。
そうでしょうそうでしょう、かなり頑張ったよんだよ私
もっとも精霊達の協力のお陰なんだけどね。
魔物もすっかり姿を消したし、土地も浄化された
何なら空気だって美味しくなっていると思うよ。
これがあの瘴気が渦巻いていた魔界の森だなんて
きっと誰も信じないよね。
私は精霊たちの力を借りてそれだけの事を成し遂げたんだよと
心の中だけでたっぷりと自慢しておいた。
「嘘みたい」とレナ先生が呟いたまま
他のメンバーもすっかりと固まっていた。
そして当然のごとく同行していた老聖女のフィリスさんが
「偉大なる精霊様のお力ですか」と決めつけ聞いて来るので
「そうですね」と取り合えず曖昧に相槌を打っておいた。
本当は自分がやったのだと強く主張したかったが
実際精霊達の望みを叶えただけで
私自身一人だったらやろうとも思わなかったし出来なかった
そう思うと自慢するのも少し憚られた。
それにそんな事を自慢してまた面倒な事になるのも嫌だった。
そうしてみんなを拠点へと案内するとまたまたみんなで固まった。
そりゃそうだよねサマサさん達にしたら未知の世界だもの
そう簡単には理解出来ないだろうしね。
そう思っているとそれぞれの興味の対象が色々だった様で、
レナ先生と老聖女は畑に植えられ育っている薬草に驚き
男たちはこの場の整地の技術と浄化槽設備に驚き
サマサさんはソーラーパネルを不思議そうに観察していた。
きっとみんな家の中に入ったらもっと驚くのだろうと
私は予測しながらみんなの様子を見守っていたが
その後煩い程の質問攻めにあっていた。
私はそれに答えられる事には答え
答えられない事は曖昧に濁してと
みんなが納得するまで相手をしていた。
そうして疲れ果てた様に静かになったみんなを家へと招き
お茶を淹れてもてなした、勿論お茶菓子付きで。
椅子が足りなかったので急遽和室に大きな座卓を購入して
みんなにはそこで寛いで貰った。
みんなの興味とともに話も尽きない様に思われたが
そこでレナ先生に唐突に老聖女への師事の話を蒸し返された。
学んでおいて損にはならないはずだとゴリ押しされ
押しに弱い私は結局は了承する事になり
老聖女フィリスさんの住処をどうするかを話し合っていた。
何日か滞在するだけだと思っていたのに
住み着く気ですかとは言い出せず
自分の意志とは違った所で流れて行く展開に戸惑っていた。
私は自分の意志の弱さを呪う様に反省していたが
この人達に多少なりの恩を感じているのが強く出られない原因なのだと
そんな風に思い当たり話が進むのを何となく諦め始めて聞いていた。
しかしいくら何でもまだそれほど親しくも無い人と同居は無理だよ。
私が寛げない時点で絶対に無理だとそう思って
敢えて私からは何も言わずにいたのに
師事を仰ぐうえで同居するのが良い方法だと言い出したので
それならば師事の話は断わるとはっきりきっぱりと答えていた。
どんなに恩を感じていようと譲れない物はあるのだ。
すると諦めた様なので師事の話も無くなったのかと思ったら
何処で野営したら良いかと聞かれ少し心が痛んだ。
大人しく帰ってくれるのが一番なんですけどとは言えず
結局オール電化じゃない普通の家を1軒購入し
みんなに使って貰う事にした。
きっぱりと帰れと言いきれない自分の弱さを呪った。
いや、実は誰かと関わっていたくなったのか?
そんな風に自己分析をしたりもしていた。
等価交換様の事はバレているだろうからもう気にしない
小川の近くにまたモデルルームを購入して適当に置き
そしてこの家を自由に使ってくれと案内して
寝具だけは揃えて置いた。
気分的にも体力的にもすっかりと疲れてしまった私は
「話はまた明日聞きます」とそう言ってみんなと分かれた。
どうしてこうなった?
何となく予測はしていた気もする展開に
これからどうしよう
明日からまた面倒くさい話になるのじゃないかと
不安と心配を抱え簡単に寝付けない夜を過ごしてしまった。
読んでくださりありがとうございます。




