痛い子じゃありませんから
気が付くと精霊たちの姿が消えていた。
いったいどうしたんだ、何処に消えてしまったんだ。
サマサさん達に姿を見せる気が無いって事か?
私がそんな事を色々と考えていると
「それでコオは今何をしているの?」とサマサさんに聞かれ
何を話して良いのか何処まで話して良いのかと悩んでしまった。
「何処かに拠点はもう作ったの?」とサマサさんに聞かれ
「拠点は作ったのだけれど、そこには居ないんです」と答えると
「じゃぁどうしようか」と老齢の聖女様を見ながらレナ先生が言うと
「ご挨拶がまだでしたね、フェリスです」と自己紹介された。
自己紹介されてしまうと無視する訳にもいかず
「コオです」と私もお辞儀をしながら自己紹介をした。
私は悩んだ末に精霊に頼まれて魔界の森の浄化をしている事を話した。
すると老聖女様が精霊が見えるのかと驚いていているので
精霊を助けたと話すとおもいっきり怪訝そうにされた。
いやいや、嘘でも私の妄想でもないよ、
魔界の森に一人で長く居て頭がおかしくなった訳でもないよ
何かかなり疑い深そうにしている老聖女様に
私は心の中で思いっきり叫んでいた。
そしてまぁそう思うのは自由だけれど私は痛い子じゃないからね
その辺は勘違いしないでねと老聖女様を見つめ返していた。
そしてしばらくは魔界の森の浄化に時間を取られるので
折角のサマサさん達の好意は受け取れないときっぱりと言って
遠回しに聖女の勉強は無理だと断ったのだけれど折れてはくれず、
拠点ででも待たせて貰うと言い出したのでそれは丁重に断った。
自分の為に建てた家に何で他人を住まわせられるんだ
私自身もまだゆっくりと出来ていないし
それも魔界の森の浄化と言う重要な仕事で留守をして
いつ家へ戻れるかもわかっていないのに
無理、絶対に無理に決まっているでしょう私はそう考えていた。
魔界の森全体の浄化ともなると何日掛かるか分からないので
その間ずっと待たせるのは申し訳ないと
体裁よく断ったのだけれど
それではまた時間を置いて出直してくるから
その時は是非拠点に案内してくれとサマサさんは頑として譲らない。
そんなに私の拠点に興味があるのか?
見てもびっくりするだろうけれど理解は出来ないよきっと。
それに私はひとり優雅に引き籠りたいんだよ
煩く邪魔されるのは嫌なんだよね、とは言えず
「見ても大したことなんて何もありませんよ」と牽制した。
それでも待ち合わせはいつ頃が良いかとか
この場所で良いかとか勝手に話を進めて来るので
私は断るのをすっかりと諦めた。
どうもこう強引に押される事に私は弱かった様だ。
私は仕方なく拠点を見せるだけなら良いかと自分を納得させ
2か月後にサーゲイト側の森の入り口か
それともカルザックの山脈側の入り口が良いと言うと
サーゲイト側の入り口にしようと言う話になり
待ち合わせ場所と時間が決まった。
ここはグロシアート側の入り口付近だったので、
拠点に案内するには大河を渡るすべが無いので面倒だったのと
いまだにこの方向はグロシアートの奴らを思い出し
いけ好かないと思ってしまうので何となく嫌だったのだ。
そうしてサマサさん達は取り合えずは大人しく帰ってくれたが
2カ月でこの森の浄化を済ませなくてはならないのかとか
サマサさん達を拠点に案内する事を考えて
とてもとても気が重くなってしまった。
やっぱり精霊達との約束を済ませたら
別の新天地を探した方が良いのだろうかとふと思ってしまった。
折角建てた私の夢の引き籠り生活のための城を手放してでも
別の誰にも干渉されない土地を探すのも良いかも知れない。
一度は形に出来たのだからもう夢じゃないしね
気弱になり私は何となく漠然とそんな事を考えたが
考えてみたらすべては精霊の手助けあっての事だったと思い出し
サマサさん達の事はまぁどうにかなるだろう
いや、どうとでもしようとそう心に決めていた。
読んでくださりありがとうございます。




