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逃亡聖女は引き籠もりたい  作者: 橘可憐
第一章 1

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少しくらい良いよね


シルフとウィンディーネとの3人旅にも随分と慣れた。


シルフはウィンディーネに『ちゃん』呼びするなと言われてから

極力余計な絡みは避けている様に思われ

ウィンディーネは何か物思いに耽る事も多く物静かなので

賑やか過ぎる事も無くみんな良い距離感で居られたと思う。


なので姦しい事無く順調に歩みを進める事が出来ていたので

もうすぐサラマンダーを助け出せる場所へと来ていた。


徐々に濃くなる瘴気の霧、密集度が高くなる魔物の数。


いつもの様に厳重に何重にも結界を張り心を努めて落ち着かせる。


瘴気溜まりの浄化にも随分慣れて来たと思う、

ここまでシルフを待たせたのだ、ここは一気にケリを付ける。


ちんたらちんたら休みながらなんて言わない

そう自分に強く言い聞かせ瘴気溜まりへと挑んだ。


目を瞑り集中力を目一杯高め強く強く範囲浄化を念じる。


いつもの様に瘴気溜まり全部に行きわたる様に

広く広く『浄化』を広げ強く強く力を込めて念じる。


するとウィンディーネが「私も手伝うわ」と言って

ウィンディーネの魔力を私の範囲浄化に重ねて来る。


そしてシルフに向かって「あなたも手伝いなさい」と言うと

シルフもウィンディーネを真似て魔力を重ねて来た。


その効果が発揮されたのか浄化の威力が断然と上がり

魔物達は瞬く間に次々と浄化されて行き

ドロドロに濃かった瘴気の霧がみるみるうちに薄れていくのが分かった。


私の魔力に自分たちの魔力を重ね『浄化』の威力を高めてくれたのだ。


まだ完全復帰もしていないだろうに

こんなに魔力を使わせてしまって

また倒れられたらと思うと不安だったが

ウィンディーネとシルフの本気を感じて止める事は出来なかった。


なので私も力一杯強く強く念じ続けた。


するとシルフが「サラマンダーちゃんだ」と叫んだので

私はそこで目を開け

瘴気で穢され真っ黒になったサラマンダーを確認すると

サラマンダーに向かって『浄化』を念じ直す。


強く強くしっかりと念じて行く。


真っ黒だった人型の羽の生えたサラマンダーの色が戻ると

そこには細マッチョのスラっとした青年精霊が現れた。


人間で例えるなら戦士の様な風貌だった。


しかしすぐに生まれたての赤ん坊の様に小さくなると

弱弱しい声で「感謝する」とだけ言った。


シルフが「サラマンダーちゃん~」と駆け寄ると

「無事だったか」とシルフに向かって話掛けた。


するとウィンディーネが

「無理をしないで休みなさいよぉ」と言い

「みんなこの子の中で休んでいるわよぉ」と私を指さした。


するとサラマンダーは

「すまない、そうさせて貰う」とだけ言って

あっという間に私の中に入って行った。


もう限界だったんだねと私はサラマンダーを受け入れた。


「これで全員助け出せたんだね」私が確認するように言うと


「ありがとう~」とシルフが泣きながら私に抱き着いてきて


「本当にありがとうねぇ」と

ウィンディーネも感慨深そうに言って来た。


私も嬉しいよ。


無事にみんなを助け出せて本当に嬉しいよ。


これでやっと私の本来の目的だった拠点作りに心置きなく着手出来る。


これはもう今日はお祝いしても良いよね?


今日位心を緩めて少しくらい贅沢しても良いよね?


ずっと我慢してたんだから良いよね?


と今まで散々立てた誓いの数々を思い返しながら

そう自分に問いかけていた。



読んでくださりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 細マッチョ [気になる点] 戦士の風貌は何歳くらいかなあ? [一言] おっさんと戦士が一緒
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